映画『ツナグ』のあらすじ・ネタバレ・感想

邦画

生者と死者の世界を行き来する使者ツナグを巡るファンタジードラマ。

今回は、アニメ映画『ツナグ』の作品概要・あらすじ・ネタバレ・感想をご紹介します。

『ツナグ』の作品概要

created by Rinker
¥4,228 (2020/07/06 11:00:44時点 Amazon調べ-詳細)
上映日2012年
上映時間129分
制作国日本
監督平川雄一郎
原作辻村深月「ツナグ」
脚本平川雄一郎
音楽佐藤直紀
主題歌JUJU「ありがとう」
出演松阪桃李/樹木希林/佐藤隆太/桐谷美玲/橋本愛/大野いと

『ツナグ』は累計興収6億を突破した大人気映画。監督は大ヒットテレビドラマ・映画「ROOKIES」を担当した平川雄一郎。主演の松阪桃李は『ツナグ』で第36回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞した。

『ツナグ』の特別試写会では、小指チェーンの世界最多人数記録に挑戦し、ギネス記録を達成した。

『ツナグ』のあらすじ

主人公の渋谷歩美は、生きる者と死者を再会させる使者・ツナグの見習いを務める男子高校生。さまざまな事情を抱えて死者との再会を望む人々の要望に答えるために、歩夢は他人の人生に深く関わっていくことになる。

登場人物紹介

渋谷歩美(松阪桃李)

ツナグの見習いを務める17歳の男子高校生。両親を亡くし、祖母のアイ子と二人暮らしをしている。

渋谷アイ子(樹木希林)

75歳で現役のツナグ。入院を機に、歩美にツナグとしての役割を譲ることを考えている。

土谷功一(佐藤隆太)

30代のサラリーマン。7年前に失踪した婚約者の日向キラリを待ち続ける。キラリに会わせてもらえるようにアイ子に依頼する。

日向キラリ(桐谷美玲)

功一の婚約者であったが、フェリーの事故に巻き込まれて亡くなった。ツナグを通じて、功一に再会し、真実を語る。

嵐美砂(橋本愛)

歩美と同じ高校に通う同級生。なんでも一番でなければ気が済まないタイプ。親友の御園が事故死する前に喧嘩したことを後悔している。

『ツナグ』のネタバレ

この先、『ツナグ』のストーリーを結末まで解説しています。ネタバレを含んでいるためご注意ください

1人目の依頼者

ツナグの見習いである歩美が祖母のアイ子から任された1人目の依頼者は、工務店を営む畠田という男性。畠田は亡くなった母のツルに会いたいと言う。歩美は死者と会うルールを畠田に説明する。

死者と会えるのは一生のうち一回だけ。死者が拒否した場合はその一回の機会は失われる。会うことができるのは月の出る夜の間だけ。

 

畠田は歩美に指定された品川のホテルにやってきて、ホテルの一室を開けると、母のツルと対面する。畠田はツルがガンであることを本人に知らせていなかったが、そのことが理由でおばあちゃん子だった息子との関係がうまくいってないことに悩んでいた。

ツルに病気のことを知らせた方が残りの人生を有意義に過ごせたのではないか、と心にひっかかっていた思いを打ち明けると、ツルは畠田が優しさ故に言わなかったことを感謝する。

そして、ツルは「自分は幸せだったから子供の面倒をみてあげるように」と畠田に伝える。最初はツナグの存在に半信半疑だった畠田であったが、面会が終わると歩美にお礼を述べ、名刺を渡した。

2人目の依頼者

続いて歩美が担当することになった依頼者は、歩美の同級生の嵐。嵐は事故で亡くなった大親友の御園に会いたいと言う。嵐は御園が亡くなったのは自分のせいであると思い込んでいたからである。

嵐と御園は演劇部に所属し、主役の座を奪い合っていた。御園が陰で嵐をけなす発言をしていたことを聞いてしまった嵐は、「御園さえいなければ主役になれたのに」と御園を恨む。

かつて通学路にある家の水道が出しっ放しにしてあったのを見て、御園が「もう少し寒かったら道が凍って危ないね」と言ったのを嵐は思い出す。そしてあえて水を出して放置した状態でその場を去る。

翌日学校に来てみると、御園が事故で亡くなったと知らされる。葬式で御園の母親から、御園が死ぬ直前に「嵐、どうして」と呟いたことを聞かされた嵐は、自分のせいで御園が死んだのではないかと思い始める。嵐は必死でツナグを探し出し、御園に会うことにする。

 

嵐はホテルで御園と会って、「嵐、どうして」と呟いた理由を尋ねる。すると、御園は親友の嵐と喧嘩したことをずっと気にしてたからと言う。嵐は御園に対する殺意を抱いてしまったことを切り出せなかった。

その後、歩美は御園からの伝言で「道は凍ってなかったよ」と伝えて欲しいと言われたことを嵐に伝える。嵐は、自分が御園に対して殺意を抱いていたことを御園自身が知っていたことに気づく。

しかし1度しか会うことは許されないので、本心を伝えられぬまま二人の再会は終わる。歩美は嵐の心に後悔が残ってしまったことから、ツナグという仕事の難しさを学ぶ。

3人目の依頼者

3人目の依頼者は7年前に失踪した婚約者のキラリを探し続ける土谷功一。キラリは功一に名前も年齢も全て嘘をついていた。歩美からキラリがフェリー事故でなくなっていたことを知らされた功一は、キラリの死を受け止められずにいた。

キラリは歩美に、存在を忘れられてもいいから、功一の人生を前に進める為に会うと伝える。一方で功一は、キラリの死を認めたくないが為に、待ち合わせ場所に現れなかった。歩美は辛いのはキラリのほうだと功一に伝え、功一を説得する。

再会した二人は互いにどう思っていたかを知り、キラリは隠していた事実を全て話す。出会った当時は18歳で、熊本の実家から家出をしたところで功一に会ったこと。功一と婚約して両親に会わせる前に実家に一度帰ろうとした時にフェリー事故に遭ったこと。

キラリは最後に功一に遺品の在りかを伝える。功一は家に帰ってからキラリの遺品を見つけ出し、二人で観た映画の半券とポップコーンと容器が保管されていたことを知る。

ツナグとしての役目

歩美は祖母のアイ子と散歩に出かける。その時にアイ子から、歩美の両親が死んだ本当の理由を聞かされる。歩美の周りでは、歩美の父親である亮介が浮気をし、妻の香澄に疑われたことから香澄を殺害して、亮介は自殺したという噂が流れていた。

しかし、本当の理由はツナグと深く関係していた。亮介はツナグの役目をアイ子から引き受けたが、アイ子は「ツナグのことは家族にも知られてはいけない」と伝えた。香澄にツナグであることを隠していたせいで、香澄は亮介を疑い、ツナグの銅鏡を見てしまった。

銅鏡は誰にも見せてはいけないという掟があり、見せるとツナグも見た人も死ぬと言われている。アイ子は、「ツナグのことは家族にも知られてはいけない」と亮介に伝えた自分のせいだと悔やむ。

両親の死の事実を知った歩美は、きっと亮介は香澄にツナグであることを伝えていたが、銅鏡を見ると死ぬとまでは言っていなかったのではないかと語り、アイ子のせいではないと言う。

 

そして、浜辺でひっそりとツナグを引き継ぐ儀式が執り行われた。

『ツナグ』の感想

この映画は、現実には起こり得ないファンタジーですが、死んだ人と再会できるチャンスがもし人に与えられた場合に、前に進む勇気をもらうことができる人もいれば、後悔がますます募ってしまう人もいるということを考えさせられました。

特に高校生で事故死したという設定の御園の言葉が心に残っています。歩美に対して「後悔しない生き方をしてね。やりたいことは生きてるうちに全部やっておかないとダメだよ」と語る場面です。

人はいつか皆死んでいく。そして死が訪れるのはいつか誰にもわからない。映画を通じて死とは何か、死とどう向き合うべきなのかを考えるきっかけになります。一度観ると忘れられない作品です。