映画『トゥルーマン・ショー』のあらすじ・ネタバレ・感想

洋画

29年間の人生を全て、テレビで放映されている男がいる。

リアリティ・ショー文化への皮肉を込めた、1998年公開のコメディ映画。

今回は、映画『トゥルーマン・ショー』の作品概要・あらすじ・ネタバレ・感想をご紹介します。

『トゥルーマン・ショー』の作品概要

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Paramount
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上映日1998年
上映時間102分
制作国アメリカ
監督ピーター・ウィアー
脚本アンドリュー・ニコル
音楽ブルクハルト・ダルウィッツ
主題歌The Big Six「Twentieth Century Boy」
出演ジム・キャリー/エド・ハリス/ローラ・リニー/ノア・エメリッヒ/ナターシャ・マケルホーン/ホーランド・テイラー

極限までリアリティを追求した人々は、ついに一人の男の生身の人生を隠しカメラで放送し続ける番組、トゥルーマン・ショーに熱狂する。だが、番組の主人公トゥルーマンは、29歳のある日、自分の人生が見られているのではないかと感じるようになる。

1999年のゴールデン・グローブ賞では、最優秀主演男優賞・最優秀助演男優賞・最優秀作曲賞を受賞。他3部門でノミネートされ、アカデミー賞でも3部門でノミネートされた。

『トゥルーマン・ショー』のあらすじ

トゥルーマンは、平凡な毎日を過ごすサラリーマンだ。妻のメリルや親友マーロンとともに代わり映えのしない毎日を過ごす彼だが、死んだはずの父との再会を機に、突然、自分の人生に疑問を抱くようになる。

実は、彼の人生は、生まれた瞬間から29年間ずっと、ノンストップで放送されている。

人生は全て巨大なセットの中で展開され、関わる人たちは全て俳優であった。違和感を覚えた彼は、真相を突き止めるべく試行錯誤を繰り返す。

登場人物紹介

トゥルーマン・バーバンク(ジム・キャリー)

陽気なサラリーマン。実は、人生を全てテレビで放送されている。

クリストフ(エド・ハリス)

番組「トゥルーマン・ショー」の監督。

メリル(ローラ・リニー)

トゥルーマンの妻。しっかり者。

マーロン(ノア・エメリッヒ)

トゥルーマンの親友。7歳の頃から、ずっとトゥルーマンと共に過ごした。

ローレン/シルヴィア(ナターシャ・マケルホーン)

トゥルーマンが大学生の頃に恋していた女性。

『トゥルーマン・ショー』のネタバレ

この先、『トゥルーマン・ショー』のストーリーを結末まで解説しています。ネタバレを含んでいるためご注意ください

トゥルーマンの平凡な日常

男、トゥルーマン(ジム・キャリー)は、もうすぐ30歳になる、ごく普通のサラリーマンである。隣人とのにこやかな挨拶から始まる彼の一日。「おはよう、そして念のため、こんにちはとこんばんは」と話す彼が、テレビの中央に映っていた。

彼の毎日は、こうして、テレビで放映されているのだった。

彼は行きがけに新聞と雑誌を買い、会社で雑誌をこっそりと広げた。電話で「ローレン・ガーランド」と「シルヴィア・ガーランド」という人がいるか尋ねながら、いくつかのページをちぎっている。  

 

他にもさまざまなカットが映される。出張に行かされるも、船に乗れず、行けなくて帰ってしまうシーン。妻メリル(ローラ・リニー)とのやりとり。親友マーロン(ノア・エメリッヒ)にフィジーに行きたいと話すシーン。 そして、船の転覆で父を亡くしたシーン。

彼は幼い頃、自分がわがままを言って大雨の日に船を出させたせいで、父を亡くしていた。そのことが怖くて、いまだにトゥルーマンは橋を渡ったり船に乗ったりできないのだった。

父との再会

父を亡くしたトゥルーマンだったが、ある日突然、街に不自然なホームレスがいることに気がつく。往来で自分をじっと見つめている男の顔を見ると、どうもかつて亡くした父に似ている。

「お父さん?」そうトゥルーマンが尋ねると、なんとその場にいた人たちがホームレスを取り押さえて連れて行ってしまう。番号付きのシャツを着た人が大量に現れ、ホームレスとトゥルーマンを隔離する様子に、トゥルーマンは疑念を覚える。

だが、誰にその話をしても、まともに取り合ってもらえない。トゥルーマンは肩を落として、かつて好きだった女性のことを思い出し始めた。

シルヴィアとの思い出

トゥルーマンは大学生の頃、一人の女性、ローレン(ナターシャ・マケルホーン)に恋をしていた。二人は目を合わせて微笑みを交わすが、そこに若き頃のメリルが乱入。そのままあれよあれよという間に、トゥルーマンはメリルとの距離を縮める。

ダンスパーティーでもトゥルーマンの目の前には常にメリルがおり、ローレンと踊ろうとタイミングを見はからうも上手くいかない。互いに何度も視線を交わし合っている間に、ローレンはスーツを着た謎の人物に連れ去られていく。

 

そんな二人だが、ある日突然チャンスは訪れる。図書館で勉強しているとき、トゥルーマンは目の前の席にローレンが座っていることに気がつく。今度ピザでも、と話しかけるトゥルーマンに、「あなたと話してはいけないと言われているの」と一旦は断るローレン。

だが、諦めずに誘い続けるトゥルーマンに、ローレンはノートの端に「NOW」と書いて見せる。二人はそのまま図書館を抜け出し、夜の海へと駆けていく。そこでトゥルーマンはローレンから、自分の人生がずっと放送されていることを聞かされる。

ローレンの言っていることがすぐには理解できないトゥルーマン。ローレンは連れ去られそうになりながらも、自分の本当の名前がシルヴィアであることを伝える。

「彼女はフィジーで療養する」という言葉、そしてシルヴィアという名前だけを手がかりに、トゥルーマンはシルヴィアを探し続けていた。

日常に抱いた違和感

翌日、トゥルーマンは車のラジオが壊れていることに気がつく。回線が混線しているのが落ち着くと、なにやら指示出しのような音が聞こえてくる。その指示は、まる自分の居場所をつけているかのようだ。

疑念を抱いたトゥルーマンは、数々の突飛な行動に出る。道路に飛び出してみたり、普段は入らない建物に突入してみたり。不自然なことがたくさん起こる様子に、トゥルーマンはマーロンを呼び出して話をするが、取り合ってはもらえなかった。

トゥルーマンの反発と、メリルとの決別

明らかにおかしい周囲の様子に、トゥルーマンはついにメリルを尾行することにした。病院に潜り込み、手術の様子を覗くが、どう見ても手慣れているようには見えない。

他にも奇怪な点はたくさんあった。フィジー行きの飛行機を用意してもらいに行くも、一ヶ月先まで満席だと言われる。シカゴ行きのバスに飛び乗ると、エンジンがいきなり故障する。

トゥルーマンはついに自分の車に無理やりメリルを乗せて、道を爆走する。道中でもさまざまな邪魔に遭いながら山道まで駆けて行くが、そこでトゥルーマンは捕らえられた。

 

家に連れ戻されたトゥルーマンはメリルと話すが、突然自分のいない方向を向いてココアの宣伝文句を話し出すメリルに、トゥルーマンの疑念はピークに達する。刃物を使ってメリルを脅すトゥルーマンに、メリルが「誰か助けて」と叫ぶと、完璧なタイミングでマーロンが家に押し入ってくる。

いくら仕事だってあんまりだわ」と泣き出したメリルを、マーロンはずっとなだめていた。

監督vsシルヴィア

その後、トゥルーマンとマーロンは語り合う。親友としての絆を確認してトゥルーマンは涙するが、そのマーロンのセリフは全て監督のクリストフ(エド・ハリス)によって吹き込まれていた。そのまま父と感動の再会を果たすトゥルーマンを、感動のワンシーンに仕立てあげるクリストフ。

クリストフは、テレビ番組のインタビューに応じる。ひとりの人生をノンストップで放映し続ける番組、「トゥルーマン・ショー」の裏事情や、成功の秘訣についてクリストフは語る。

そんな最中、番組に一本の電話がかかってきた。司会はクリストフを詰る電話を取り次がず切ろうとするが、クリストフは番組を通じて電話に返事をする。電話の主は、ローレン役を務めたキャスト、シルヴィアだった。

シルヴィアはクリストフを責めるが、クリストフは「自分はトゥルーマンに普通の暮らしを与えているのだ」と返答する。「現実の世界は病んでいる、シーヘヴンは理想郷だ」と話すクリストフは、「トゥルーマンも今の監獄を気に入っているから外に出ないのだ」と語った。

トゥルーマンの失踪

いつも通りの日常に戻ったトゥルーマン。新しく次の恋人になる予定の女優も登場し、番組は問題なく続くかのように見えた。だが、スタッフが目を離した隙に、トゥルーマンは失踪する。番組を一時中断し、キャストを総動員して探させるが、トゥルーマンはどこにも見つからなかった。

異常事態だが、「視聴率はうなぎ登りだ」と言うクリストフ。無理やり太陽を昇らせて番組を再開すると、シルヴィアに似た人の写真を持って、海にボートでこぎ出したトゥルーマンを見つける。番組の視聴者は「トゥルーマンが逃げ切れるか賭けよう」と話しながら、その様子を見ていた。

クリストフはトゥルーマンの上の天候を操作し、船を嵐に見舞わせる。それでも諦めないトゥルーマンに、ついにクリストフは周りの静止を振り切って、船を転覆させる。溺れたトゥルーマンが死ぬ、その一瞬前に、転覆した船は元に戻り、空は晴れ渡った

そして真実へ

そのまま船をこぎ続けたトゥルーマンは、突然、壁にぶつかる。壁に沿って歩いていくと、そこには階段があり、その先には「EXIT」と書かれたドアが見つかった。クリストフは「彼と話させてくれ」と他のスタッフを退室させ、トゥルーマンと会話を始める。

トゥルーマンの人生は、29年間ショーとして放送され続けていたことを話すクリストフ。「全て偽物だったのか」と問うトゥルーマンに、クリストフは「外の世界に、これ以上の本物はない」と答える。そのままクリストフは「外に出るのは怖いだろう」と、親のような口調で語りかけた。

だが、トゥルーマンは「僕の頭の中にカメラはない」とクリストフを拒否。「念のため、こんにちはとこんばんは」と世間に向かって微笑みかけると、一つお辞儀をして、トゥルーマンは外の世界に足を踏み出した。

 

その様子を見た人々はテレビ越しに歓喜する。祈るように画面を見つめていたシルヴィアは歓喜の声をあげると、外に飛び出す。こうして30年弱続いた「トゥルーマン・ショー」は終了し、人々は次の番組を求めて番組表に手を伸ばした。

『トゥルーマン・ショー』の感想

 「自分の人生が、実は全てテレビのショーでしかなかったら?」

ただのコメディ映画と呼ぶには、『トゥルーマン・ショー』はあまりにも恐ろしい話ではないでしょうか。29年間の人生も、妻も、22年来の親友も、全てが仕組まれた物だったと気がついたときの、トゥルーマンの抱いた絶望の深さは計り知れません。

それでも確かにコメディ映画として成立しているのが、『トゥルーマン・ショー』のすごさだと思います。起こる出来事のコミカルさに、思わず笑ってしまうのです。そして皮肉にもそれが作中に出てくる無慈悲な視聴者と同じ笑いであることを、挟まれる視聴者のカットによって気がつかされます。

全てが完成された皮肉になっている本作品、一度見たら二度と忘れられないこと間違いなしです。ぜひご覧ください。