映画『グランド・ブダペスト・ホテル』のあらすじ・ネタバレ・感想

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ヨーロッパの一流ホテルのコンシェルジュとベルボーイが常連客の殺人事件と遺産争いに巻き込まれるミステリー・コメディ映画『グランド・ブダペスト・ホテル』

今回は、映画『グランド・ブダペスト・ホテル』の作品概要・あらすじ・ネタバレ・感想をご紹介します。

『グランド・ブダペスト・ホテル』の作品概要

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上映日2014年6月6日
上映時間100分
制作国イギリス/ドイツ
監督・脚本ウェス・アンダーソン
音楽アレクサンドル・デスプラ
出演レイフ・ファインズ/F・マーレイ・エイブラハム/エドワード・ノートン/マチュー・アマルリック/シアーシャ・ローナン/エイドリアン・ブロディ/ウィレム・デフォー 他

舞台はヨーロッパの一流ホテル。伝説のコンシェルジュのグスタヴは、ある常連客をめぐる殺人事件とその遺産争いに巻き込まれる。

グスタヴが忠実なベルボーイのゼロと共に、自らの誇りとホテルの威信を懸けて事件を解明すべく繰り広げるミステリー・コメディ。

『グランド・ブダペスト・ホテル』のあらすじ

1932年。グランド・ブダペスト・ホテルは、“伝説のコンシェルジュ”と呼ばれるグスタヴ目当てのエレガントな客で溢れかえるヨーロッパ最高の超高級ホテルだった。移民の少年ゼロはベルボーイ見習いとして働きはじめる。ゼロはグスタヴのもとで忠実に働き、少しずつ彼の信頼を得る。

ある日、常連客のマダムDが殺害され、遺言で名画「少年と林檎」がグスタヴに贈られることに。しかしグスタヴには殺人の嫌疑がかけられ、絵を取り戻そうとマダムDの息子ドミトリーの刺客も迫ってくる。グスタヴはゼロと共に、事件の謎を解明すべくヨーロッパ中を駆け巡る。

登場人物紹介

グランド・ブダペスト・ホテル

ムッシュ・グスタヴ・H(レイフ・ファインズ)

グランド・ブダペスト・ホテルの名コンシェルジュ。

ゼロ・ムスタファ(F・マーレイ・エイブラハム)

若き日のゼロ(トニー・レヴォロリ)

グランド・ブダペスト・ホテルのベルボーイ。

アガサ(シアーシャ・ローナン)

ベーカリー “メンドル” の若きパティシエ。

マダムD(ティルダ・スウィントン)

グスタヴの熱烈な顧客。

セルジュ・X(マチュー・アマルリック)

マダムDに仕える執事。

ドミトリー(エイドリアン・ブロディ)

マダムDの息子。

ジョプリング(ウィレム・デフォー)

ドミトリーに雇われた私立探偵。

コヴァックス(ジェフ・ゴールドブラム)

マダムDの家に雇われている弁護士。

ヘンケルス(エドワード・ノートン)

検問で取り締まる警察軍人。

作家(トム・ウィルキンソン)

若き日の作家(ジュード・ロウ)

小説「グランド・ブダペスト・ホテル」を執筆した作家。

[出典:『グランド・ブダペスト・ホテル』公式サイト]

『グランド・ブダペスト・ホテル』のネタバレ

この先、『グランド・ブダペスト・ホテル』のストーリーを結末まで解説しています。ネタバレを含んでいるためご注意ください

ムッシュ・グスタヴ

一人の女性が旧ルッツ墓地を訪れ、旧ズブロフカ共和国の偉大な作家の銅像の前で「グランド・ブダペスト・ホテル」を読み始める。

時は遡り、1985年、作家は語る。1968年ズブロフカのアルプスの麓にある “グランド・ブダペスト・ホテル” でとある老紳士から聞いた物語だった。

1968年、若き日の作家は静養のためにさびれかけたグランド・ブダペスト・ホテルを訪れた。そこで彼はホテルのオーナーで、移民から国一番の富豪になったゼロ・ムスタファと出会う。

ムスタファは一人客ばかりの滞在客の中で誰よりも深い孤独感を漂わせていた。ムスタファに興味を持った作家はディナーで彼の昔語りを聞く。

 

1932年のグランド・ブダペスト・ホテル。そこは名物コンシェルジュのグスタヴ・Hを目当てに富裕層の客が集まる華やかなホテルであった。

戦乱で故国を追われ、各地のホテルで下働きをしてきたゼロは、このホテルのベルボーイとして働き始めた。ゼロはグズタヴのもとで手厚い指導を受ける。

マダムDの死

グスタヴは行き届いたサービスで寂しい老婦人の夜の相手もつとめていた。マダムDも熱烈な顧客の一人だった。ある時、マダムDは強烈な恐怖を感じながらホテルを去る。その不安は的中、1ヶ月後の新聞にマダムDの死亡記事が掲載された。

グスタヴはゼロと共に、急いで列車に乗り込みマダムの邸宅のあるルッツへ向かう。途中、軍の検問があり、移民のゼロは拘束されそうになる。しかし、担当した軍人ヘンケルスがグスタヴと親交があったため、特別通行証を発行してもらい事なきを得た。

マダムの邸宅ルッツ城で、グスタヴはマダムの亡き骸を見て悲しむ。邸宅にはマダムの遺産目当てに大勢の親族が集まっていた。

弁護士のコヴァックスは遺言執行人として最新の遺言を読み上げる。それは「ホイトル作の名画『少年と林檎』をグスタヴに遺贈する」というものだった。

 

マダムDの息子ドミトリーは、グスタヴが母親と肉体関係があったことを罵倒して殴る。ゼロはドミトリーを殴り返すが、ドミトリーの傍らにいた不気味な男、私立探偵を名乗るジョプリングに殴られる。

グスタヴは部屋に飾られていた「少年と林檎」をマダムの執事セルジュ・Xの協力を得てこっそり持ち出す。グスタヴは「少年と林檎」を高値で売り飛ばすことにし、協力したゼロに「死後自分のわずかな財産をすべて遺贈する」という契約書を作成する。

第19勾留所

ホテルに戻ったグスタヴはマダム殺害の容疑で逮捕され、第19勾留所に収容されてしまう。しかし、全てはドミトリーの陰謀だった。ドミトリーに雇われたジョプリングの正体は冷酷な殺し屋だった。虚偽の重要証言をさせられたセルジュは失踪した。

収容所でも優雅にふるまうグスタヴは、囚人たちの信頼を得る。グスタヴは囚人のボス・ルートヴィヒらと共に脱獄を計画する。

ゼロ・ムスタファはそこで一旦話を止めると、涙を流しながらアガサの話を始める。

 

アガサはムスタファが生涯愛した女性だった。若き日のゼロはベルボーイで働き始めてから菓子店メンドルの店員アガサに惹かれ、ふたりは付き合うことになった。

度胸のあるアガサは、収容所へ送ったメンドルの菓子の中に脱獄に必要な工具を仕込む。身に危険が及ぶかもしれないと感じたゼロは「少年と林檎」の在り処が書かれた暗号のメモをアガサに託す。

一方、コヴァックスは遺言書の何かが足りないことに気づいていた。コヴァックスは後をつけてくるジョプリングを美術館で巻こうとしたが、あと少しのところで殺害される。

鍵の秘密結社

それから3日後、グスタヴと仲間の囚人は一人の犠牲者を出しながらも脱走に成功した。グスタヴは勾留所の外で待っていたゼロと合流する。

ふたりは、ホテル・コンシェルジュのネットワーク「鍵の秘密結社」の協力を得て逃亡。セルジュがいるという高山へ向かう。

一方で、ジョプリングもセルジュの姉も殺害、セルジュが姉に送った電報から居場所を特定し、グスタヴたちの背後に迫っていた。

グスタヴとゼロは高山の頂上にある修道院にたどり着く。懺悔室の中には失踪したセルジュがいた。セルジュは「マダムが殺害された場合のみ有効となる第2の遺言の存在」を告白する。

 

詳細を説明しようとしたその時、セルジュはジョプリングに殺害されてしまった。

グスタヴとゼロは急斜面の雪山をスキーで滑り下りるジョプリングをそりで追跡する。しかし、崖の手前でジョプリングはコースを外れ、グスタヴは崖から落ちそうになる。

ジョブリングは崖から落ちそうなグスタヴを追い詰める。しかし、ゼロが隙をついてジョブリングを崖下に突き落とす。

2通目の遺書の2通目

グスタヴとゼロは今度は警察に包囲されるが、なんとか逃走に成功する。ふたりはアガサと合流し、絵画を手に、マルタ島へ逃亡することを計画する。

同じ頃、戦争が始まり、グランド・ブダペストは軍隊の兵舎として接収されてしまった。アガサはホテルへ忍び込み、ゼロから預かった暗号で「少年と林檎」を手に入れる。

しかし、アガサはホテルへやって来たドミトリーと鉢合わせしてしまった。アガサを助けようとしたグスタヴとゼロ、勘違いした軍人たちを交えた銃撃戦となる。

 

窓から脱出しようとしたアガサは転落しかけ、外壁に辛うじてつかまる。アガサを助けようとしたゼロも同じ状況になってしまう。

ふたりはたまたま下にあったメンデルのトラックに落下、命に別状はなかった。その時、絵画の裏にセルジュがすり込ませていた “第2の遺言書の写し” が発見された。

物語の結末

軍人たちの立ち会いの下、第2の遺言の中身が開封される。それは「グランド・ブダペスト・ホテルも含むマダムDが所有していた全ての財産がグスタヴに遺贈される」ことを示していた。

こうして遺産騒動は解決。ホテルは再び優雅さを取り戻し、ドミトリーは失踪した。グスタヴの立ち会いの下、ゼロとアガサは結婚式を挙げる。

しかし、平穏な日々は長くは続かなかった。戦争の結果、独立国家としてのズブロフカは消滅した。

グスタヴとルッツへ向かう列車の中、再びゼロは軍の検問で拘束されそうになる。今度は臨時通行証も通用せず、ゼロをかばおうとしたグスタヴは銃殺された。さらに、アガサとその息子は流行病であっけなく死去した。

 

グスタヴの遺産を継承したゼロは、国一番の大富豪となったものの、資産の多くは国有化されていた。ゼロは全財産をはたいて、この古びたホテルだけを守った。こうしてゼロ・ムスタファの長い昔語りは終わる。

若き作家はその後長くヨーロッパに立ち寄ることなく、世界を旅行。ゼロから聞いた話を小説として出版した後に死去した。

ルッツの墓地にいた女性も本を読み終えた。作家の銅像の台座には、魅力的なコンシェルジュと鍵の秘密結社をたたえるかのように、無数の鍵がぶら下げられていたのだった。

『グランド・ブダペスト・ホテル』の感想

『グランド・ブダペスト・ホテル』は、絵本の中に出てくるようなカラフルな世界で繰り広げられるストーリーにワクワクさせられました。

老人から語られるホテルの昔話は長編ミステリーのようで、テンポよく進む展開と軽快な音楽が早く続きを知りたくなる効果を生み出していました。

ギョッとする殺人シーンもどこかコミカルに描かれていてコメディ要素が強かったです。冬季オリンピックのコースでスキーで滑り降りるシーンが特に面白かったです。

グスタヴを演じたレイフ・ファインズは『ハリーポッター』シリーズの “例のあの人” 、若き日の作家を演じたジュード・ロウは『ファンタスティック・ビースト』シリーズの若きダンブルドアでもおなじみですね。他にも豪華キャストが脇役で出ているのが今作の見どころです。