映画『スカイ・クロラ』のあらすじ・ネタバレ・感想

アニメ

2008年に公開。森博嗣のベストセラー小説「スカイ・クロラ」を、「攻殻機動隊」や「イノセンス」で知られる、押井守監督が映画化。

今回は、映画『スカイ・クロラ』の作品概要・あらすじ・ネタバレ・感想・視聴方法をご紹介します。

『スカイ・クロラ』の作品概要

created by Rinker
バップ
¥4,897 (2020/09/30 01:51:32時点 Amazon調べ-詳細)
上映日2008年
上映時間122分
制作国日本
監督押井守
原作スカイ・クロラ
脚本伊藤ちひろ
音楽川井憲次
主題歌絢香「今夜も星に抱かれて…」
出演菊地凛子/加瀬亮/谷原章介/山口愛/平川大輔/竹若拓磨

日本のアニメーションを牽引する監督、押井守。彼がアニメーション映画としては4年ぶりに監督を務め、森博嗣による全5巻完結の大人気シリーズの第1巻「スカイ・クロラ」を映画化した。

主人公のパイロットたちを菊地凛子や加瀬亮が担当するほか、栗山千明、谷原章介も声優として参加し、主題歌には絢香の「今夜も星に抱かれて・・・」が使用されている。

『スカイ・クロラ』のあらすじ

物語の舞台は、限りなく日本のようでありながらも日本ではないどこかの世界。そこでは平和が保たれ、人々の生活を脅かすものは何もなかった。

しかし、主人公となるのは、戦闘機のパイロットとして働く函南優一(カンナミ ユウイチ)という青年。この世界では、ショーとして戦争が行われていたのだ。

どこかで悲惨な出来事が起こっていなければ自分の平和を実感できない人々のために、企業は代理戦争を請け負い人々に戦争を提供する。

主人公たち「キルドレ」は、大人に成長することはなく、永遠に子供のままでいる。彼らは自殺や戦死しない限り死ぬことはない存在として、終わりのない代理戦争を続けていた。

登場人物紹介

草薙水素(声:菊地凛子)

かつてエースパイロットとして高名だった基地の女性指揮官。

函南優一(声:加瀬亮)

本作の語り部であるエースパイロット。栗田仁郎の補助要員として転属してきた。

土岐野尚史(声:谷原章介)

函南と同室で寝泊まりしている同僚のパイロット。人当たりがよく女好き。

草薙瑞季(声:山口愛)

水素の妹。パイロット達の間では『水素の子供』ではないかと噂されている。

湯田川亜伊豆 (声:平川大輔)

函南の同僚のパイロット。髪の毛が真っ白で、小さなレンズの眼鏡をかけている。

『スカイ・クロラ』のネタバレ

この先、『スカイ・クロラ』のストーリーを結末まで解説しています。ネタバレを含んでいるためご注意ください

函南優一、ウリス基地に配属

ウリス基地に新しく配属された、戦闘機のエースパイロット、函南優一。彼は愛機で基地に降り立つと、たばこに火をつけて一服する。マッチをポキッと半分に折って捨てるシーンから物語は始まる。

ウリス基地の新しい仲間達は、女性司令官の草薙、整備士の笹倉、同僚の湯田川、土岐野らであった。笹倉以外は、思春期の姿のまま、永久に生きられる特別な子ども達「キルドレ」である。

この世界では、人々が平和を実感するために「ショーとしての代理戦争」が合法的に行われていた。その戦闘機のパイロットのほとんどが「キルドレ」である。

 

彼らは、自然に死ぬことは無く、他者に殺されることでのみ、死を得ることができるのであった。さらに、一度死んでも、また他の人間の肉体を借りて、別人として生まれ変わる。そのことは、全員がよく分かっていることだが、誰もはっきりとは口にしない。

土岐野は配属祝いに、函南にミートパイをご馳走し、娼婦のフーコを紹介する。土岐野は函南が、以前基地にいた栗田仁郎の生まれ変わりだと気づいていたのだ。実際に、函南はミートパイを気に入り、フーコの胸の入れ墨にデジャブを覚えるのだった。

司令官、草薙水素

草薙は「キルドレ」のなかでも変わった存在だった。昔の仲間「ティーチャー」と呼ばれる大人の男との間に、娘をもうけていることや、腕利きのパイロットであったために、数々の戦闘を生き延び、現在は司令官となっていることなど、特殊な経歴を持っていた。

草薙は、代理戦争に関わるなかで、仲間が死んでは生まれ変わり、また死んでいくさまを何度も見てきていた。ある日、戦死したパイロットを「かわいそう」と言った一般女性に対して、草薙は激しく怒る。普段は冷静沈着な草薙にしては珍しい行動だった。

しばらくすると、ウリス基地が敵機に急襲される。草薙は上層部のもとへ行き、激しく抗議する。

その帰り道に草薙は、保養所であるコテージで函南を誘い、関係を持つ。函南の前任者の栗田仁郎は、草薙の恋人だったのである。草薙は、栗田仁郎の生まれ変わりである函南に、特別な感情を抱いていたのだ。

大規模な攻勢作戦

ウリス基地の面々は、大規模な攻勢作戦が予定されたため三月兎基地へ移動する。

そこで彼らが出会ったのは、三月兎基地のエース、三ツ矢という女性パイロットだった。自分が「キルドレ」であることを認めたくない三ツ矢は、パイロットとしての腕を磨き、地上ではボランティアに精を出し、自分の人生に刺激を求めていた。

敵軍と激突した空戦では、ウリス基地や三日兎基地の仲間も多数戦死した。敵軍の中には、かつての草薙の恋人「ティーチャー」がおり、彼には誰も敵わなかったのだ。

 

異国の酒場で、二人きりで食事する函南と草薙。その後の車内で、「殺してくれる?さもないと私たち永遠にこのままだよ」と銃を取り出す草薙。函南は銃をやさしく取り上げ、草薙と抱き合う。

いくら愛し合っても、戦闘で死に、また別の人間として戻ってきて、また愛してもまた死んでいく、その際限の無いループを草薙は嘆いていたのだ。

結末

大規模な戦闘の後、生き残った「キルドレ」たちは、自分たちの基地へと戻っていった。

一方、ウリス基地では戦死した者の代わりに、三ツ矢が転属してきた。「キルドレ」の存在意義や、「キルドレ」との関わり方について、この基地のパイロットたちが達観しているのを見て、三ツ矢の感情は混乱し、爆発してしまう。

 

ある日、三ツ矢は草薙と二人きりの司令室で草薙に向けて発砲する。弾は逸れるが、銃声を聞いて函南が駆けこんで来る。

草薙はそんな函南に、「今度はあなたが私を殺して」と頼む。実は、栗田仁郎は、戦闘で死んだのではなく、運命を変えようとした草薙が撃ち殺したのだった。

「君は生きろ。何かを変えられるまで」という函南の言葉に、草薙は号泣する。繰り返される運命を、草薙とともに変えたい、それには「ティーチャー」を撃つしかないと考える函南。

決意を胸に出撃していった函南だったが、基地に帰還することはなかった。

 

エンドロールの後、季節は移り変わり、死んだ函南の代わりに新しいパイロットが配属される。たばこに火をつけ、マッチをふたつに折る癖から、函南の生まれ変わりであることがわかる。草薙は心の中で何を思うのか、「待っていたわ」と微笑む。

『スカイ・クロラ』の感想

『スカイ・クロラ』の舞台は代理戦争をおこなう世界です。登場人物たちは常に死と隣り合わせであるにも関わらず、淡々と会話し、ときには冗談を言い合っています。そうした登場人物たちの普段の行動から、「キルドレ」という存在の歪さがよく表現されています。

同じような日々を繰り返しながら、そうした日々に違和感を持ちつつも、気づかないフリをしている。そんな「キルドレ」たちの思考は、どこか現代にも当てはまるようで、非常に興味深い作品でした。

 

また、『スカイ・クロラ』は2時間の上映時間にしてはカット数が非常に少ない映画です。通常の劇場用長編アニメでは、2時間の作品でカット数が1500〜2000カットぐらいであるのに対し、『スカイ・クロラ』は(カット割りの多い空戦シーンを含めても)わずか840カットしかありません。

おそらく制作陣たちは、アニメーション史上初めての演出的試みに挑戦することとなったことでしょう。想像を絶する苦労を強いられたことは間違いありません。

『スカイ・クロラ』を見る際は、そした制作陣のこだわりにも目を向けてみると面白いかもしれません。

『スカイ・クロラ』の視聴方法

『スカイ・クロラ』はDVDの購入やレンタル、huluなどの動画配信サービスで視聴することができます。

2020年5月現在、『スカイ・クロラ』を視聴できるサービスは以下の通りです。

サービス名配信状況月額料金
U-NEXT視聴不可1,990円
Hulu見放題1,026円
Amazonプライムビデオ見放題500円
Netflix見放題800円
FODプレミアム視聴不可888円
dTV視聴不可500円
dアニメストア視聴不可400円
auビデオパス有料レンタル562円
Paravi視聴不可925円
NHKオンデマンド視聴不可990円
TSUTAYAプレミアム有料レンタル1,100円
ディズニーデラックス視聴不可770円
DAZN視聴不可1,750円
  • 見放題無料レンタル:会員であれば無料で視聴・レンタルできます。
  • 有料レンタル:会員であってもレンタル料金が発生します。
  • 視聴不可:お取り扱いがありません。