江戸時代のおいらんの恋愛が描かれる『さくらん』。
今回は、映画『さくらん』の作品概要・あらすじ・ネタバレ・感想・視聴方法をご紹介します。
『さくらん』の作品概要
上映日 | 2007年2月24日 |
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上映時間 | 111分 |
制作国 | 日本 |
監督 | 蜷川実花 |
原作 | 安野モヨコ『さくらん』 |
脚本 | タナダユキ |
音楽 | 椎名林檎 |
主題歌 | 椎名林檎×SOIL&”PIMP”SESSIONS「カリソメ乙女(DEATH JAZZ ver.)」 |
出演 | 土屋アンナ/椎名桔平/成宮寛貴/木村佳乃/菅野美穂/小泉今日子 |
『さくらん』は、『働きマン』等のヒット作を生み出した安野モヨコの同名漫画の実写映画。江戸時代の色町である吉原(よしわら)を舞台に、1人の少女がおいらんになるまでが描かれる。監督は、世界で活躍するフォトグラファー・蜷川実花がつとめた。
『さくらん』のあらすじ
幼少期に遊女屋に売られたきよ葉は、脱走を繰り返しながら成長する。そして、そこで働く清次に「庭の桜が咲いたら、ここから出してやる」と言われ、きよ葉はやがて遊女としてデビューした。
才能を開花させたきよ葉は、たちまちナンバーワンの遊女となり、1人の男から身請け(遊女屋から出ること)の話を持ち掛けられる。
登場人物紹介
きよ葉/日暮(土屋アンナ)
主人公の遊女。口が悪く、気が強い性格で、そのしたたかさを姐の粧ひに買われた。
清次(安藤政信)
きよ葉が売られた玉菊屋で働く男衆。きよ葉のことを気に掛ける。
倉之助(椎名桔平)
武士。おいらん道中(その店のトップの遊女がなじみの客を迎えに行くこと)をする日暮を見初め、客になる。
高雄(木村佳乃)
売れっ子のおいらん。嫉妬深く、情熱的な面がある。光信(みつのぶ)というなじみの浮世絵師に恋をしている。
しげじ(山口愛)
元々は高尾の禿(かむろ)だったが、のちにきよ葉の禿になる。
『さくらん』のネタバレ
遊女の卵・きよ葉
遊女のきよ葉は、子供の頃に北の方から売られて玉菊屋にやってきた。きよ葉は、粧ひという遊女の禿(かむろ。遊女の身の回りの手伝いをする遊女候補)になった。しかし、「女」になることに恐怖を覚えたきよ葉は、何度も脱出を試みるが、清次にあっけなくつかまってしまう。
玉菊屋で働く清次は、庭の枯れた桜を見て「もしこの木に花が咲いたら、俺がここから出してやる」と言った。遊女が吉原から出るためには、働いて借金を返し終わるか、お金持ちの男性に身請け(男性が店に高額なお金を支払う代わりに、遊女を自由にすること)してもらうしかなかった。
身請けされた粧ひは、幼いきよ葉にかんざしを渡し、「一本立ちしたらつけるとよい」と言って玉菊屋を去って行った。
身請け
やがてきよ葉は成長し、遂に遊女としてデビューした。遊女の才能があったきよ葉は見る見るうちに出世し、17歳で売れっ子遊女になる。そんな時、高雄という遊女のなじみの絵描き・光信が、「きよ葉を描きたい」と言った。それを聞いた高雄は、きよ葉に嫉妬する。
光信との仲が上手くいかなくなったことを思い悩んだ高尾は、心中しようと光信にカミソリを向ける。光信と高雄はもみ合いになり、その拍子にカミソリが高尾の首に当たってしまった。高雄は亡くなり、光信はその場から逃げてしまった。
その後、高雄がいた地位にきよ葉が就任する。また、高雄の禿のしげじの面倒を見ることになった。きよ葉は「日暮(ひぐらし)」と改名し、店のトップの遊女としておいらん道中を行う。おいらん道中を見て日暮を気に入った武士の松本倉之助は、きよ葉の上客となった。
同じ頃、清次に楼主の姪との縁談が持ち上がる。楼主には子供がいなかったため、清次に跡継ぎをさせたいという思いがあったからだ。清次は前向きではなかったが、縁談は進んでいく。
日暮に本気になった倉之助は、日暮に身請け話をした。倉之助は、店の人たちの前で正式に身請けすることを公言した。周囲は祝福するが、日暮の顔色は優れなかった。異変に気づいた清次が日暮を追うと、日暮は妊娠していることを清次に告げた。
清次が堕ろすために準備をしようとすると、日暮は「生むに決まってる」と主張する。日暮は、倉之助に殺されようとも、子どもを堕ろすのは嫌だと言った。
日暮と清次
日暮は、倉之助に妊娠を告げ、殺される覚悟で「堕ろすつもりはない」と言った。それでも、倉之助は「きよ葉を身請けしたい」と伝える。その直後、日暮は流産してしまった。日暮は清次に励まされ、清次のやさしさに触れる。
身請けされる朝、庭の桜の樹のは桜が二輪咲いた。それを見た清次は、「本物の桜を見に行こう」と日暮に言う。2人は手を取って桜を見に行った。桜の下で、清次と日暮は走りまわった。
『さくらん』の感想
蜷川監督の生み出す極彩色の世界は、「これぞ遊郭」という感じで攻撃的で美しかったです。気の強い遊女たちの争いは面白かったですし、浮世絵から出てきたような豪華絢爛な遊女たちは、どれだけ見ても飽きなかったです。当時の女性の憧れの的だった、凛とした遊女が描かれていました。
きよ葉が身請けされる前の夜の、「お前がいなくなると、静かになっていいや」「お互い様さ」「日暮、幸せになれよ」「あんたもな」という会話を交わす寂しそうな2人の表情にはこみ上げるものがありました。
また、蜷川実花・土屋アンナ・安野モヨコ・椎名林檎という、かっこいい女性の代名詞が集結していることに感動しました。
芯の通った女性を登場させることが多い安野モヨコと、蜷川監督がタッグを組み、したたかな遊女を土屋アンナが演じ切り、最後に椎名林檎の色っぽくかすれた歌声が流れて、最高にかっこいい映画だと思いました。
『さくらん』の視聴方法
『さくらん』はDVDの購入やレンタル、U-NEXTなどの動画配信サービスで視聴することができます。
2020年6月現在、『さくらん』を視聴できるサービスは以下の通りです。
サービス名 | 配信状況 | 月額料金 |
---|---|---|
U-NEXT | 見放題 | 1,990円 |
Hulu | 視聴不可 | 1,026円 |
Amazonプライムビデオ | 見放題 | 500円 |
Netflix | 見放題 | 800円 |
FODプレミアム | 見放題 | 888円 |
dTV | 見放題 | 500円 |
dアニメストア | 視聴不可 | 400円 |
TELASA | 見放題 | 562円 |
Paravi | 視聴不可 | 925円 |
NHKオンデマンド | 視聴不可 | 990円 |
TSUTAYAプレミアム | 見放題 | 1,100円 |
Disney+ | 視聴不可 | 770円 |
DAZN | 視聴不可 | 1,750円 |
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