映画『レッド・タートル ある島の物語』のあらすじ・ネタバレ・感想

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カンヌ国際映画祭の「ある視点」部門で特別賞を受賞した『レッド・タートル ある島の物語』。

今回は、映画『レッド・タートル ある島の物語』の作品概要・あらすじ・ネタバレ・感想・視聴方法をご紹介します。

『レッド・タートル ある島の物語』の作品概要

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上映日2016年6月29日
上映時間81分
制作国日本/フランス/ベルギー
監督マイケル・デュドク・ドゥ・ヴィット
脚本マイケル・デュドク・ドゥ・ヴィット/パスカル・フェラン
音楽ローラン・ペレス・デル・マール

ジブリの鈴木敏夫プロデューサーが、マイケル・デュドク・ドゥ・ヴィット監督に声を掛けたことで制作がスタートした。短編映画の名手である監督が、62歳にして初めて手掛けた長編の無声映画。時代や場所の設定はなく、無人島に流れ着いた男の生活が描かれる。

『レッド・タートル ある島の物語』のあらすじ

嵐の海の中をさまよう男は、ある無人島に漂着する。そこは、カニや鳥、真っ赤なウミガメが生息する島だった。男は脱出を試みるが、見えない力によって島へ引き戻されてしまう。自暴自棄になった男は、ある日1人の女と出会い、家族を作る。

家族はささやかな生活を送るが、いずれはそれも終わりを迎える。

登場人物紹介

男(セリフなし)

主人公。無人島に流れ着き、脱出を試みるがなかなか上手くいかない。

女(セリフなし)

レッド・タートルの甲羅から生まれた。息をしていない。

レッド・タートル(セリフなし)

男のイカダを壊し、男が沖に出ることを阻止する。

『レッド・タートル ある島の物語』のネタバレ

この先、『レッド・タートル ある島の物語』のストーリーを結末まで解説しています。ネタバレを含んでいるためご注意ください

無人島に漂着

 暴風雨の中、荒波に揉まれて溺れかけている男がいる。男は岩場にたどり着き、何とか陸に上がった。雨は止んだが、そこは無人島だった。ふと、男は牛のような鳴き声を聞く。しかし、音のする方に行ってみても崖があるだけだった。

男が落胆して帰りかけた時、その正体がアザラシであることがわかった。そして、男は海にタルが浮いているのを見つける。崖を降りかけたとき、男は足を滑らせ、岩場の隙間の水が溜まっているところに落ちてしまった。潜ってみると、そこに穴を見つけたため、男は通り抜けることにした。

レッド・タートルとの出会い

島を探索した男は、疲れ果てて寝てしまった。目覚めると、男は島を出るために漂流物でイカダを作り、沖に出る。しかし、イカダは唐突に下から突き上げられ、真っ二つに折れてしまった。男は水の中を覗きこむが、何も見えない。

次の日、前日の2倍の大きさのイカダを作り、男は再び沖に出た。海に何度も顔を入れ、下からの攻撃に警戒する。その時、下から突き上げられたため、男は叩いて応戦する。男は海に落ち、レッドタートルという巨大なウミガメに出会った。

女の誕生

その後、男はやっとの思いで岸に泳ぎ着く。ウミガメとの乱闘で疲れ果てた男は、眠りについた。そしてその夜、男は何かが砂を移動する音で目覚める。それは、レッドタートルが海から這いあがってきた音だった。

 

イカダを壊された怒りがこみ上げてきた男は、レッド・タートルをひっくり返した。レッド・タートルは、元に戻ろうともがき続けるが、やがて死んでしまった。殺すつもりはなかった男は、レッド・タートルの死を悲しんだ。

 

次の日、男が目を覚ますと、レッド・タートルは消えていた。そして、男は割れた甲羅の中に1人の女がいることに気づく。息はしていなかったが、男は何とか話がしたいと思い、女に水を飲ませる。

目を開けた女は海に入ろうとしたため、男は「女はレッド・タートルの化身なのだ」と推測する。そして、打ち解けた2人がダンスを踊ると、子どもが生まれた。

別れ

子どもはすくすくと成長し、あるとき島に流れ着いたガラスのビンを拾ってくる。初めて見る人工物に興味津々の子供は、ビンを決して離そうとはしなかった。

家族は、海辺にいるときに砂に絵を描いた。男は、多くの人間や建物、無人島にはいないさまざまな動物の絵を描く。女は亀の絵を描いた。

 

そして、月日は流れて子供は男と同じ背丈になった。子どもは、そのうち島の周辺にいる亀と泳ぎに行くようになる。島から沖まで泳げるようになると、見えない壁があることに気づいた。下から潜れば、その壁を超えられることが分かると、子供は男と女と別れ、外の世界に旅立った。

男と女は、別れを悲しむもそれまで通り平和に暮らした。ある日、男は息を引き取る。女は泣き、再びレッド・タートルになって、海に戻った。

『レッド・タートル ある島の物語』の感想

文明からかけ離れた無人島で、男と女が出会って自然に家族を形成するという、非常に原始的で人間の原点に回帰した作品だと感じました。

最後に、子供が見えない壁を越えて新しい世界に飛び出していくシーンは、子供の巣立ちを表していると同時に、自分が知っている世界の小ささを表しているのではないかと思いました。

子供は、生まれた時から無人島で生活しているため、世界には動物と父と母しかいないと理解しています。しかし、見えない壁を越えたことで子供の世界は一気に広がりました。

ここに、「自分が全てだと思っている世界の外側には、また違う世界が広がっている」というメッセージが込められているのではないかと思いました。

 

また、「男もここまで泳げば外に出られたのかもしれない」と思うと、なんとも悲しい気持ちになります。超自然的な力の存在を意識せざるを得なくなる、とても不思議な映画です。

『レッド・タートル ある島の物語』の視聴方法

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