仮想現実(VR)のゲーム世界で繰り広げられるバトルを描いた映画『レディ・プレイヤー1』。
今回は、映画『レディ・プレイヤー1』の作品概要・あらすじ・ネタバレ・感想・登場する日本のキャラクターをご紹介します。
このページの目次
『レディ・プレイヤー1』の作品概要
上映日 | 2018年4月20日 |
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上映時間 | 140分 |
制作国 | アメリカ合衆国 |
監督 | スティーヴン・スピルバーグ |
原作 | アーネスト・クライン「ゲームウォーズ」 |
脚本 | ザック・ペン/アーネスト・クライン |
音楽 | アラン・シルヴェストリ |
出演 | タイ・シェリダン/オリヴィア・クック/ベン・メンデルソーン/リナ・ウェイス/サイモン・ペッグ/マーク・ライランス/フィリップ・チャオ/ハナ・ジョン=カーメン/森崎ウィン |
現実世界の荒廃が進む近未来の地球。人々はあらゆる願望が実現するVR(バーチャル・リアリティ)の世界 “オアシス” に没頭していた。
そこで繰り広げられる壮大な遺産争奪戦を、有名キャラクターの数々と最新のCG映像技術を駆使した圧倒的臨場感で描き出す。
『レディ・プレイヤー1』のあらすじ
2045年。人々は理想の人生を楽しめるVR世界・オアシスに没頭していた。
ある日、オアシスの創設者が亡くなり、オアシスに眠る3つの謎を解いた者に全財産とオアシスを譲るという遺言が発表される。そして、オアシスでは莫大な遺産をかけた争奪戦が始まる。
登場人物紹介
アバター名/本名
パーシヴァル/ウェイド(タイ・シェリダン)
主人公の17歳の青年。両親をなくしてから叔母の家で暮らしている。パッとしない日常生活の楽しみはオアシスの世界だった。
アルテミス/サマンサ(オリヴィア・クック)
“シクサー” という殺しの異名を持つ少女。
エイチ/ヘレン(リナ・ウェイス)
パーシヴァルの親友。改造のプロ。
ショウ/ゾウ(フィリップ・チャオ)
パーシヴァルの仲間。忍者のアバター。
ダイトウ/トシロウ(森崎ウィン)
パーシヴァルの仲間。侍のアバター。
オグデン・モロー(サイモン・ペッグ)
ハリデーの親友。オアシスを経営する会社を共同で起業した。
アノラック/ハリデー(マーク・ライランス)
オアシスの創業者。遺書とともにオアシスにイースターエッグを隠した。
ソレント(ベン・メンデルソーン)
大企業IOIの最高経営責任者。どんな手を使ってもオアシスの実権を握ろうとする。
フナーレ・ザンダー(ハナ・ジョン=カーメン)
IOIで働くソレントの部下。
[出典:映画公式サイト]
『レディ・プレイヤー1』のネタバレ
仮想世界オアシス

2045年、多くの人々は荒廃した街に暮らす現実を送っていたが、若者たちには希望があった。それはオアシスと呼ばれる仮想現実(VR)の世界。そこでは誰もが、理想の人生を楽しむことができる。
オアシスはハリデーとオグデン・モローが共同で立ち上げたグレガリアス・ゲームス社によって経営されていた。ある日、オアシスの創設者ハリデーが亡くなり、彼のアバター“アノラック”によって遺言が発表された。
それは「オアシスに眠る3つの謎を解いた者に全財産56兆円とオアシスのすべてを授ける」というものだった。突然の宣告に世界中が沸き立ち、莫大な遺産をかけた壮大な争奪戦が始まった。
現実世界でパッとしない日常を送る17歳の青年ウェイドもそんな若者の一人だった。両親を失くしたウェイドは叔母のアリスとその恋人と暮らしていた。ウェイドはオアシスでは“パーシヴァル”というアバターでプレイしていた。
第1の試練

世界第2位の大企業IOIの最高経営責任者ソレントはオアシスの経営権を欲していた。ソレントは卵を見つけるために “シクサーズ”と呼ばれる大量の従業員を投入する。IOIには他にもハリデーがこよなく愛したポップカルチャーを研究しているサポートチームもあった。
第1の試練は難攻不落のレースだった。大勢のエッグハンター(ガンター)が挑戦するも誰もクリアしたものはいなかった。パーシヴァルは仲間のエイチ、ショウ、ダイトウと共に度々レースに参加する。
『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のデロリアンに乗っていたパーシヴァルは、『AKIRA』の金田のバイクに乗ったアルテミスを見つける。
参加者が次々と脱落する中、パーシヴァルはゴールまで後少しのところで、キングコングに行く手を阻まれた。その後、ゴールに飛び込もうとしたアルテミスをパーシヴァルは身を持って助けた。金田のバイクはキングコングによって破壊された。
アルテミスは改造のエキスパートであるエイチに金田のバイクを修理してもらう。アルテミスとの会話から、パーシヴァルは定期的に訪れていたハリデーの人生や趣味を再現したアーカイブ「ハリデイ年鑑」に手がかりを探しに行く。
ある日のハリデイの「後ろに進んじゃいけないのか」という言葉で、パーシヴァルはレースは逆走することで勝てることに気付く。レースのスタートと同時に、パーシヴァルは猛スピードでバックに進んだ。すると、レースの下にはショートカットのコースが現れる。
パーシヴァルは1着でゴールし、アノラックから第1の鍵を受け取った。パーシヴァルからヒントをもらったアルテミス、エイチ、ダイトウとショウもその後に続いた。5人はトップ5と総称された。
身に迫る危険

第2の試練のヒントを手に入れたパーシヴァルとアルテミスは、ハリデー年鑑を訪れる。そこで、ハリデーがかつてデートしたモローの妻カレン・アンダーウッドの話を聞く。
ふたりはカレンのことを示す “キーラ” に関する会話が意図的に消されていたことに気づく。アルテミスはパーシヴァルをハリデーが最初に作ったナイトクラブに誘う。
パーシヴァルとアルテミスはナイトクラブで踊る。パーシヴァルは「アルテミスに恋に落ちた」と告白し、本名を明かしてしまう。そこへIOIのシクサーズが襲ってくる。ふたりは何とか逃げ切ったが、パーシヴァルはアルテミスに嫌われてしまう。
ソレントは勝つために、パーシヴァルを消そうとアイロックという男を雇っていた。アイロックはパーシヴァルとアルテミスの会話を傍聴して、パーシヴァルの正体がウェイドだと突き止める。
ソレントはパーシヴァルに直接コンタクトを取り、買収しようとする。ソレントの思惑を見抜いたウェイドは断った。すると、ソレントはウェイドが住んでいた家を爆破し、叔母のアリスとその恋人は殺害されてしまった。
第2の試練

いつもゲームをしていたトレーラーハウスに戻る。ウェイドは何者かに連れ去られた。目を開けると、そこにはアルテミスのユーザーであるサマンサがいた。
その時、サマンサは第2のヒントの意味に気づく。ハリデーはキーラとの関係を諦めたことを後悔しているのだと気づく。
パーシヴァルとアルテミスは、エイチ、ダイトウ、ショウと一緒にハリデー年鑑を訪れる。一同はハリデーがキーラとデートしたときに見たホラー映画『シャイニング』の舞台となったホテルに入る。
映画を見ていなかったエイチは、次々と起こる心霊現象に逃げ惑う。その途中でハリデーとキーラの写真を見つけた。
その近くにあったパーティー・ルームで、空中に浮いてダンスするゾンビの中にキーラを見つける。アルテミスはそこへ飛び込み、キーラをダンスに誘うと、アノラックが現れ第2の鍵を獲得した。パーシヴァルや他のトップ5も第2の鍵を手に入れた。
現実世界で集結
そんな中、IOIはサマンサやウェイドのいるガンターの拠点を襲撃する。サマンサはウェイドを逃がし、ソレントの部下フナーレ・ザンダーに捕まる。ザンダーはサマンサの父の借金を返済するまでサマンサをIOIの徴収センターに監禁した。
ウェイドは、エイチのユーザーであるヘレンに救出され、エイチが女性だったことに驚く。さらに、ヘレンのトラックにはダイトウのユーザー・トシロウ、ショウのユーザー・ゾウがいた。
ウェイドたちはソレントのアバターの装置をハッキングし、ソレントが現実世界にいると思わせる。サマンサが監禁されているポッドにアクセスし、そこから脱出させることに成功した。
アルテミスは第3の試練は惑星ドゥームにあると教える。アイロックはオジュボックスの天球というアイテムを使って、ドゥームの城の周りに無敵のフィールドを設置していた。現実世界でサマンサはソレントの部屋に直接向かう。
ソレントは途中で自分の見ている世界が現実世界でないと気づく。ソレントが部屋を出たのと入れ替えに、サマンサはソレントの部屋に侵入。オジュボックスの天球のシールド解除方法を知る。
パーシヴァルはオアシスユーザーに向けて、ソレントの率いるシクサーズと戦おうと呼びかける。トップ5に感化されたオアシスユーザーの軍勢が惑星ドゥームに集結した。
第3の試練

アルテミスはシクサーズのアバターとしてオアシスに入り、オジュボックスの天球の解除の呪文を唱える。するとシールドが破壊され、オアシスのユーザーが次々に城に乗り込み始めた。
第3の試練は家庭用ゲーム機の “アドベンチャー”だった。ふたりも城へ向かうが、ソレントはメカゴジラで迎え撃つ。「俺はガンダムで行く」と言って変身したダイトウが自分を犠牲にメカゴジラと戦う。
アルテミスがマッドボールの爆弾を使ってソレントのアバターを破壊した。エイチのアイアン・ジャイアントは自分を犠牲にした。
一方、現実世界ではアバターを破壊されたソレントがサマンサを探し回っていた。パーシヴァルはアルテミスをわざと破壊して、IOI本部からサマンサを逃走させる。
パーシヴァルとショウは“アドベンチャー”のところまでたどり着く。パーシヴァルはゲームに勝つことがクリアではないと気づく。パーシヴァルがプレイしようとしたその時、ソレントとアイロックが現れる。
ソレントはカタクリストという爆弾アイテムを爆発させ、惑星ドゥーム上の全てのアバターを一掃した。パーシヴァルはハリデー年鑑の案内人から以前もらったライフコインを使って生き残った。
一方、現実世界ではIOIから出たサマンサもヘレンのトラックに助けられる。ザンダーはドローンでそのトラックを追いかけていた。ソレントは拳銃を部下から奪い、後を追う。
パーシヴァルがアドベンチャーをプレイする様子は全ユーザーにライブ配信された。パーシヴァルはプログラマーがゲームに隠したイースターエッグを見つけて第3の鍵を手に入れた。
イースターエッグ
パーシヴァルの前にゲートが出現する。手に入れた3つの鍵を使って開けると、黄金のイースターエッグがあった。アノラックは契約書を提示する。
パーシヴァルは、ハリデーがかつてグレガリアス・ゲームス社からモローを強制的に追い出すために署名したことを思い出し、署名を拒否した。すると、アノラックの姿はハリデーに変わる。そして、幼い頃のハリデー少年の部屋が現れる。
ハリデーは自分の人生を振り返り、「現実世界の良さにもっと早く気づくべきだった」とを語る。ハリデーはパーシヴァルに黄金のイースターエッグを渡す。
一方、ウェイドが乗ったトラックはザンダー率いるIOIに襲われていた。さらに、ソレントもトラックを襲おうとする。しかし、そこにはウェイドの注意を聞いて駆けつけた人々がいた。
ソレントとは群衆に構わず、トラックの荷台を開け、ウェイドに銃を向ける。しかし、ソレントは卵を持って感動するウェイドを見て思い改めた。ソレントはその場に駆けつけた警察に逮捕された。
その後
パーシヴァルはハリデーと別れを告げ、現実世界に戻る。そこにモローが現れ、ウェイドに契約書を渡すが、株は仲間のトップ5と分けて運営すると伝えた。トップ5は集まった人々に祝福された。
モローはウェイドにハリデー年鑑の案内人であったことを明かす。ウェイドは「ハリデーが一番悔やんでいたのは、キーラではなくモローを失ったこと」だと伝えた。
5人はモローをコンサルタントとして招待し、トップ5でオアシスを運営した。IOIの徴収センターは解体され、人々に現実世界も生きてもらうために毎週火曜日と木曜日にオアシスは閉じられるようになった。
『レディ・プレイヤー1』の感想
『レディ・プレイヤー1』は、映画・音楽・ゲーム・アニメ・ガジェットなど、あらゆるカルチャーのオマージュを詰め込んだ遊び心のある映画でした。
1回見ただけでは気づかないような小ネタがたくさん盛り込まれています。ある意味、スティーヴン・スピルバーグ監督がこの作品に隠したイースターエッグのように思えますね。元ネタを知っている人はより楽しめそうです。
手の混んだ没入感のあるゲームの世界でのバトルに盛り上がったり、現実世界でも主人公たちに危機が迫ったり、終始飽きさせない映画でした。
仮想世界でなりたい自分になりきるのも楽しそうですが、現実世界をないがしろにしてはいけないというメッセージも込められていたように思います。いつかこのようなVRの世界が実現する日が来るのかと思うとワクワクします。
『レディ・プレイヤー1』で登場する日本のキャラクター
『レディ・プレイヤー1』では、日本の映画やゲームに登場するキャラクターもたくさん登場します。
以下の動画の冒頭には「ガンダム VS メカゴジラ」の本編映像があります。
ガンダムに変身するアバターのユーザーであるトシロウは、黒澤明監督の『七人の侍』などに出演した三船敏郎がモデルです。
他にも『AKIRA』の金田のバイク、格闘ゲーム『ストリートファイター』のリュウ、ソニック、ハローキティなども出てきます。
日本のカルチャーが大好きなスティーヴン・スピルバーグ監督らしいです。夢の共演が実現できるのはこの世界ならではですね。ぜひ作品でじっくり探してみてください。