映画『平成狸合戦ぽんぽこ』のあらすじ・感想・ネタバレ

映画

実際にあった都市開発がテーマとなっている『平成狸合戦ぽんぽこ』。

今回は、映画『平成狸合戦ぽんぽこ』の作品概要・あらすじ・ネタバレ・感想・視聴方法をご紹介します。

『平成狸合戦ぽんぽこ』の作品概要

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上映日1994年7月16日
上映時間119分
制作国日本
監督高畑勲
脚本高畑勲
音楽紅龍
主題歌上々颱風「いつでも誰かが」
出演石田ゆり子/野々村真/泉谷しげる/清川虹子/三木のり平/村田雄浩

多摩ニュータウンの建設計画がテーマとなっていて、多摩丘陵で暮らすたぬきたちが「化学(ばけがく)」という人間や物体に化ける能力を駆使して、人間と戦う様子がコメディチックに描かれる。落語家やベテラン俳優が数多く出演している。

『平成狸合戦ぽんぽこ』のあらすじ

昭和42年、東京都は「多摩ニュータウン計画」を進めていた。多摩丘陵に住むたぬきたちは、自然を守るために「化学(ばけがく)の復興」「人間研究」を目標にして、開発を阻止しようとする。

しかし、たぬきの中で穏健派と過激派で意見が割れたり、思うように工事が打ち切りにならなかったりと、開発阻止は困難を極める。しかし、たぬきたちは知恵を絞って戦い抜くことを決めた。

登場人物紹介

正吉(声:野々村真)

主人公。「人間と共存すべきだ」と考える、穏健なたぬきのグループのリーダー格。

鶴亀和尚(声:柳家小さん)

万福寺(まんぷくじ)に住みつく105歳のたぬき。たぬきたちの話し合いの議長を務める。

おろく婆(声:清川虹子)

たぬきたちを取りまとめる女たぬき。縄張り争いを止めさせるなど、影響力が強い。

権太(声:泉谷しげる)

「人間は皆殺しにすべきだ」と考える過激派たぬき。血気盛んな性格。

『平成狸合戦ぽんぽこ』のネタバレ

この先、『平成狸合戦ぽんぽこ』のストーリーを結末まで解説しています。ネタバレを含んでいるためご注意ください

ニュータウン計画

昭和40年頃、高度経済期に突入した日本では、農地や山林の急速な開発が進んでいた。昭和42年に、東京都は「多摩ニュータウン計画」を押し出す。

そのとき、多摩丘陵にはたぬきなどの動物が住んでいた。そして、縄張り争いを繰り広げるたぬきたちは、赤軍の大将で鷹ヶ森の権太と、青軍の大将で鈴ヶ森の長老の青左衛門をそれぞれ代表者にしていた。

両者は激しく戦うが、女たぬき・おろく婆がやってきて、争いを中断せざるを得なくなる。おろく婆は、他のたぬきたちに下界を見るよう言う。たぬきたちが下を見ると、人間によって無残に削られた山が広がっていた。

開発阻止

たぬき同士で戦っている場合ではないと考えた権太と青左衛門は、それぞれ一族を連れて万福寺に向かう。そこで密かに暮らす105歳のたぬき・鶴亀和尚を中心として、たぬきたちは開発を阻止することに決めた。

そして、「すたれていた化学(ばけがく)の復興」と「人間研究」に、5か年計画で取り組むことを決議する。 さらに、四国と佐渡から有名な変化(へんげ)だぬきを化学の講師として呼ぶことも決定した。講師が来るまでの間、むかし変化の術をたしなんでいたおろく婆による指導が行われる。

変化(へんげ)で対抗

たぬきたちが変化の勉強をしている間にも、多摩の景色は着実に変化していく。たぬきたちは、削られた山を「ノッペラ丘」と呼ぶことにした。鷹ヶ森がノッペラ丘になったのを知った権太は、「人間撃退作戦」を提案する。

そして権太と有志で集まった10匹のたぬきは、変化によって警備員になりすまして車を誘導し、接触事故を起こさせた。その日のニュースでは「開発工事のあり方に問題があったのではないか」と報道される。

 

その後も、たぬきたちが人間を化かし続けた結果、「祟(たた)りではないのか」と専門家が議論するようになる。それを見たたぬきの正吉たちは、路線を変更して妖怪や霊で脅かせることにした。ところが、シロキツネに変化したり、鬼火を見せたりしても、工事は中止されなかった。

おろく婆は、結果が出ていないのに加えて、正体がたぬきだと知れたらまずいと思い、「そのような活動は控えよ」とたぬきたちに告げる。

戦の結果

その頃、玉三郎というたぬきは、四国に行って化学の講師である3匹の長老たぬきを連れて、多摩丘陵に帰った。 すぐに決起集会が開かれ、3匹の長老は幻を作り出す「妖怪大作戦」を決行すると多摩丘陵のたぬきたちに伝える。

たぬきたちは結集し、ビルを墓に見せたり、枯れ木に花を咲かせたり、人間たちにさまざまな幻を見せる。その途中で、パワーを使い果たした長老のうちの1匹が死んだ。たぬきたちは勝利を確信するが、テーマパーク『ワンダーランド』の社長の一言で、事態は急変する。

社長が、「あれは宣伝隊だった」と、たぬきたちの行いを自らの手柄にしてしまったからだ。鶴亀和尚は人間に化けてテレビ局の人を呼び、カメラの前でワンダーランドの社長の悪事を暴こうとする。

しかし、緊張で何も話せなくなってしまい、助けに入ったおろく婆が「あれはおらたち、たぬきのやったこと。山はすべての動物たちのもの」と言って、いろんな動物に変化し、姿を消してしまった。その後、長老のうちの1匹は、ほかのたぬきを率いて、極楽浄土へ行くために船に乗って沖に出た。

 

こうして、たぬきたちは続々と死んだり姿を消したりし、実質的に人間との戦いに敗れた。そして、住む場所を奪われた正吉は、人間に化けて生活するようになった。

変化できないたぬきたちは、わずかに残った自然の中で「どっこい」生きている。気楽なたぬきたちほ、離れ離れになっても、月夜に宴会を開いて交流を楽しんだ。

『平成狸合戦ぽんぽこ』の感想

たぬきたちのコメディ映画なのかと思いきや、 笑いの中に寂しさが紛れている作品でした。宮崎駿監督も、「もののけ姫」で人間と自然の共存について描いていました。もののけ姫の場合は、特に時代等は設定されていません。

しかし、『平成狸合戦ぽんぽこ』は時代が平成であり、かつ実際に行われた開発が元になっているので、「もしかしたら、本当にたぬきと人間の争いがあったのかもしれない」と想像しながら観ました。

 

全く展開が読めず、どういう風に終わるんだろうと考えながら観ていましたが、人間として生きるたぬきと、たぬきのまま生きるたぬきが現れるという、まさかの結末でした。

しかし、これが悲劇的に描かれていないのが、この作品の良いところだと私は思います。逆境に置かれても、陽気なたぬきたちを見ていると、不思議と穏やかな気分なります。

人間に化けられなくても、劣等生ではなく「どっこい生きてる」と表現されているのが、とても印象的でした。負けても、自分らしく生きればそれでいいんだと勇気をもらえる作品です。

『平成狸合戦ぽんぽこ』の視聴方法

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