映画『ナラタージュ』のあらすじ・ネタバレ・感想

邦画

2005年に島本理生が発表した恋愛小説『ナラタージュ』が、松本潤と有村架純によって実写映画化。

この記事では映画『ナラタージュ』の作品概要・あらすじ・ネタバレ・感想・視聴方法をご紹介します。

『ナラタージュ』の作品概要

上映日2017年10月7日
上映時間136分
制作国日本
監督行定 勲
原作島本理生「ナラタージュ」(角川文庫 刊)
脚本堀泉杏
音楽めいなCo.
主題歌adieu「ナラタージュ」
出演松本潤/有村架純/坂口健太郎/大西礼芳/古舘佑太郎/神岡実希/駒木根隆介/金子大地/市川実日子/瀬戸康史

「アンダスタンド・メイビー」「夏の裁断」などで知られる島本理生の小説「ナラタージュ」が実写映画化。忘れられない恋を胸に秘めるすべての人を揺さぶるラブストーリーになっている。

あなたは一番好きだった人を思い出す。

『ナラタージュ』のあらすじ

泉が大学2年生となった春、高校時代の演劇部の顧問の葉山から「後輩の為に卒業公演に参加してくれないか」と誘いの電話がくる。葉山は高校時代に孤独な泉に居場所を与え救ってくれた教師だった。

卒業式の日の誰にも言えない葉山との思い出を胸にしまっていた泉だったが、再会により気持ちが募っていくのだった。 葉山もまた、泉への複雑な思いを抱いていた。そしてある日、事件が起こるのだった。

登場人物紹介

葉山貴司(松本潤)


社会科の高校教師で演劇部顧問。学校に馴染めない泉を演劇部に誘った。生徒思いだが、ある過去の出来事によって逃れられない影を背負う。

工藤泉(有村架純)


孤独にさいなまれていた高校生活を葉山先生に救われる。再会によって忘れようとしていた想いが抑えられなくなる。

小野玲二(坂口健太郎)


演劇部のOBである黒川と同じ大学に通っている。靴職人を目指す大学生。黒川に誘われ泉たちとともに演劇部の卒業公演に参加。泉を好きになるが泉の葉山への想いを知り、嫉妬にさいなまれる。

大西礼芳(山田志緒)


泉と同級生で演劇部OB。泉の親友であり、黒川の恋人。

黒川 博文(古舘佑太郎)


泉と同級生で演劇部OB。同じ大学の小野を母校の卒業公演に誘う。

塚本柚子(神岡実希)


演劇部のヒロインでどこか泉に似ている。ある事件に巻き込まれてしまう。

新堂慶(金子大地)


演劇部のまとめ役。柚子と親しい。

葉山美雪(市川実日子)


葉山先生の妻。ある事件を起こし、心のバランスを崩し、葉山と離れ、実家で暮らしている。

[出典:https://www.asmik-ace.co.jp/lineup/941]

『ナラタージュ』のネタバレ

この先、『ナラタージュ』のストーリーを結末まで解説しています。ネタバレを含んでいるためご注意ください

懐中時計

工藤泉は映画配給会社に勤務しているキャリアウーマンだ。親友の志緒は高校時代からの彼氏であった黒川と結婚し、赤ん坊が生まれていた。

泉は残業中に志緒から送られてきた赤ん坊の写真を見て「黒川君に似てる」とほほ笑んでいた。電話を切った泉は外が雨だと知り、懐中時計を取り出しそっと見つめた。

外に出ていた同僚の宮沢が帰社し、泉の持つ古い懐中時計に興味を持った。宮沢の祖父は骨董品屋をしていたらしく、泉の懐中時計が価値のあるものだと言ったのだった。

宮沢はその懐中時計が止まっていることに気づき、竜頭を巻こうとした。しかし、泉はその手を止めた。泉は「雨が降るとよくその時計を見ているね」と宮沢に指摘され過去を振り返るのだった。

蘇る記憶

それは泉が大学2年生の夏に突然かかってきた電話から始まった。電話は時修学院高等学校の演劇部の顧問の葉山貴司からだった。

葉山に声をかけられ、泉や志緒、黒川博文も集まることになったのだ。それは葉山が顧問を務める演劇部の今度の文化祭で行なう舞台が部員減少によって難しくなっていたためだった。泉は卒業後に初めて学校に足を踏み入れることとなった。

演劇部には現在高校生の塚本柚子や新藤慶、貫禄のある金田伊織らがいた。文化祭では「真夏の夜の夢」をすることが決まっており配役を決めることとなった。

黒川は大学の同級生である小野玲二という男性を誘い連れてきていた。小野もスタッフとして加わり演劇部の活動がスタートすることとなった。

泉の高校時代

泉は2年間仲の良かった親友が高校3年で転校してしまい、クラスで孤立していた。女子生徒はすでに仲の良い子同士でグループになっていて、泉はいじめに遭っていたのだ。泉は自殺を試みて雨の屋上に立ったものの、自殺せずに戻り廊下を歩いていた。その時に葉山が泉に声をかけた。

葉山は泉に「演劇部に入らないか」と誘った。泉は「演劇部」という自分の居場所を見つけることができたのだ。 演劇部で志緒という親友とも出会い、泉は徐々に葉山に思いを寄せるようになった。泉は葉山のいる社会科準備室に通うのが日常になっていった。

泉は卒業を間近になり、思いを抑えきれず葉山に告白しようと決意した。泉はラブレターを書き葉山に渡そうと社会科準備室へ持って行ったのだ。

泉は言葉で率直に「好きです」と告白した。そこで泉は葉山の過去を知ることとなった。

葉山の秘密

葉山は美雪という妻がいる既婚者だった。大学時代に知り合い結婚した相手らしい。葉山は自分の母との同居を望み同居に至ったものの、美雪は葉山の母と折り合いが悪くなってしまい思い詰めるようになっていった。

ある日、美雪はそんな不安定な心から庭の倉庫に火をつけたのだ。美雪は倉庫を焼いただけに留まったが、家にも火をつけるつもりだったと葉山に伝えた。それがきっかけとなり、葉山は美雪と別れ美雪は東京の実家の方へ身を寄せたという。

それを聞いた泉は「先生の力になりたいです」と言うが、葉山は「自分の幸せをちゃんと見つけてよ。その方がいい」と答えるのだった。

 

結局、高校時代に泉と葉山の仲が進展することはなく、卒業式のあとに泉に葉山がキスしただけだった。それでも泉の葉山に対する想いは変わらず、大学に入ってからも葉山からの連絡を待っていた。

泉はそんな中、演劇部の舞台に協力することが決まって、葉山とまた顔を合わせるようになった。そして、自分の葉山への想いが消えていないことを改めて自覚した。その気持ちは葉山も同じだった。

小野の存在

演劇部で顔を合わせた小野は、自分の部屋に黒川・志緒・泉の3人を誘った。小野が先輩の彼女にしつこく言い寄られたことを黒川が暴露し、泉は「もてるんだね」と呟くのだった。

別の日に泉は小野に誘われて2人で演劇を見に行くことになった。小野は泉に靴職人になりたいという夢を語り、試作品を見せたいと泉を家に誘った。

小野は初めて会った時から泉に惹かれていて、突然泉に告白したのだ。しかし、泉はその告白を断り雨の中外へ飛び出したのだった。 泉は傘を持っていなかった。

 

泉はずぶ濡れで帰ったため風邪をひき、演劇部の稽古を休んでしまった。そんな時、葉山が泉の家に見舞いにきたのだ。葉山は泉のためにおかゆを作ったり、りんごをすりおろしたりした。

泉は「その気がないなら、どうしてこんなに優しくするんですか」と葉山を責めた。泉はずっと連絡を待っていたということを葉山に伝えた。

泉が練習中も葉山を見つめることから、小野は泉が葉山を好きだと次第に気づいていった。小野が思い切って泉に聞くと、泉は「応えてもらえない恋だ」と悲しそうに言った。

高鳴る想い

ある日、泉が古い日本映画を見ていると葉山から着信があった。葉山はお酒を飲んでいて、車を運転できず泉を呼んだのだった。

そこで泉は葉山が義父と会っていたことを知った。妻の美雪の執行猶予期間も終わって落ち着きを取り戻したこともあり、「東京へ戻ってこないか」と言われたのだった。

葉山は「ずっと留まっているのは自分だけだ」と弱音を吐き、泉はそれに答えるように「私に何かできることありますか。なんでもします」と言うのだった。そのまま泉は葉山を家に送っていった。

葉山は家にあがった泉に、「髪を切ってくれる?」と頼むのだった。髪を切り終わった泉は葉山に「先生は私に、奥さんと別れたって言いました」と言った。

 

泉は、葉山が離婚したのだと思っていたが、葉山は籍を抜かずに妻の美雪を待っていたのだった。「君に何度も話そうと思った。ごめん」と謝る葉山に泉はおもわずシャワーを浴びせた。

それ以降、葉山と泉に距離ができてしまい、次第に稽古でも目が合うことが少なくなっていった。 文化祭当日となり舞台は成功に終わった。泉は達成感と同時に「もうこれで葉山と会うことはない」という虚無感に襲われていた。

落ち込む泉を見た小野は泉を実家へ誘った。小野の家族はあたたかく迎えてくれたのだった。

揺れ動く恋心

その夜、泉は小野と過ごした。しかし、夜中に葉山からの着信があった。眠る小野を残して泉はベッドを抜け出し電話を受けた。

葉山は泉に「どうして僕にあんなに心を開いてくれたの?」と聞いた。泉はそんな葉山に呆れて小野と交際していることを告げた。葉山は「もう連絡しないようにする」と言って電話を切った。

泉は葉山から着信があったことを伏せていたが、小野はそれを極端に嫌がった。小野は泉に「電話があった時、動揺した?」と追及した。

小野は泉が葉山にまだ気持ちを残しているのではないかと感じていた。3か月間交際を続けて身体を許しても、それでも小野は泉の気持ちを疑ってしまっていた。

 

ある日の夜、帰宅途上の泉は何者かに尾行されているように感じ小野に電話をした。しかし小野は「困った時だけ頼るのやめろ」と泉を突き放した。

泉は自宅が尾行者に露見するのを恐れ、葉山の家に向かった。葉山は泉と小野の間に何かあったのかと心配していた。泉は自分と小野が交際していても、葉山は何も感じていなかったことを思い知ることとなった。

泉は葉山にタクシーを呼んでもらい自宅へ戻った。帰宅後に携帯を確認すると小野から着信がいくつも入っていた。泉はすぐにかけなおし小野と仲直りを果たした。

ある日の夜

後日、小野と泉が一緒に過ごしていると深夜に葉山から泉の携帯に着信があった。小野も電話に気づき電話に出ろと言うのだった。電話の内容は「柚子が自殺未遂をした」というものだった。泉は小野と慌てて病院に駆け付けた。

柚子は歩道橋から飛び降り自殺を図ったのだという。幸いなことに赤信号だったため、車には轢かれなかったものの、頭から首の後ろを強く打っていた。

集まった演劇部の新藤が「一昨日、柚子が自分のところへ来て、何も言わずに手紙を置いて行った」と言った。その手紙はどうやら柚子の遺書のようにも見えた。

柚子の病状がどうなるか分からず、その夜は解散となった。葉山はみんなを送ろうとしたが、小野は泉の手を引き強引に連れ去るのだった。

 

泉は小野とタクシーで家へ向かった。しかし、葉山が自分を必要にしているように感じ「葉山先生のところへ戻る」と小野に言った。小野は怒りを覚え「どうして自分と付き合ったのか」と泉に聞いた。

責められた泉は土下座をし小野に向かって頭を下げた。小野は泉に「そばにいてもらいたい」とすがるが、泉は「同じ感じで私は先生を見てる」と答えた。

泉は裸足のまま駆け出し、歩いて葉山のいる病院へと向かった。葉山は何も柚子にできなかった自分に責任を感じていた。泉は柚子が目を覚ましたらみんなで協力して、柚子への解決法を見つけようと声をかけたのだった。しかし、3日目の朝に柚子は他界してしまった。

新藤に宛てた手紙には、柚子の持つ苦しみ、恐怖、絶望、葛藤などが綴られていた。柚子は知らない男性に襲われていたのだ。それを誰にも言えずに1人でずっと抱えこんでいた。

 

泉は高校3年の時、親友に去られて孤立し自殺を考えていていた自分を思い返した。そして、自殺を図ったが生きる選択をした泉を廊下で会った葉山が救ってくれたのだ。

泉は柚子と自分の姿を重ね「先生、私にはあなたでした。居場所のなかった私を救ってくれたのは、あなただったんです」そう伝えるのだった。

葉山の過去

葉山は泉に妻の美雪のことを話した。大学時代に知り合って結婚し、結婚生活で妻の心を守れなかったのを後悔しているということを打ち明けた。

葉山は色んなことがあった東京を離れ、富山の地に移ったときに泉と会い、泉に頼りにされることで気力を取り戻していた。

泉は葉山に演劇部に誘われ、自分の居場所を見つけた。それと同様に葉山も泉という存在によって、生きる気力を取り戻していたのだ。

しかし、葉山ははっきりと泉に「でもそれは、恋じゃなかったんだと思う」と伝えるのだった。そして、妻のいる東京に戻ることを決意した。

 

泉は葉山に「最後にもう1度だけ、先生の家に行きたい」と頼み込むのだった。

その夜、泉と葉山は最初で最後の一夜だけの関係を持った。身体を重ねながらも、2人はこれが最後になるとどこかで感じていた。

葉山は泉に懐中電灯を渡した。それは葉山の父が持っていたものだった。懐中電灯を葉山が泉に渡す前、ねじを巻いたのを最後に泉は時計を止めたままにしていたのだった。

翌朝、泉は夜が明けきる前にベッドを抜け出し、ひとりで葉山の家を出た。泉は路面電車に乗り込み、葉山が黙って立っているのを見つけた。泉も黙ったまま葉山を見えなくなるまで見つめていた。

現在の泉

泉は過去の思い出を巡らせながら、懐中時計を見つめていた。泉はいつのまにか会社の机に身体を預け眠ってしまった。

泉がうたたねから目覚めると、日が出始め明け方に近づいていた。オフィスにいた宮沢が懐中時計のことを見て「やっぱり好きな人だったんだ。そんなふうに愛されてその人は幸せだ」と言うのだった。

そして、宮沢は懐中時計の蓋の裏側の文字について指摘しました。宮沢は「それポルトガル語で、『幸せであるように』って意味だよ」と泉に伝えた。 泉が懐中時計を見ると、時計の秒針が動きだした。泉も宮沢が立つ窓際に一緒に並んで立つのだった。

『ナラタージュ』の感想

この作品はもどかしい恋心を繊細に美しい描写で描いていました。食い違うそれぞれの想いや時間が経っても変わることのない愛というものを考えさせられました。

想いを伝えても伝えなくても苦しくなる泉の姿はどこかいつも悲しそうに見えました。逆に、はっきりとしない葉山の思わせぶりな行動に女性だったら少し苛ついてしまうかもしれません。それだけ、リアルに演じられていました。

私が印象に残ったのが、物語の進み方です。懐中時計をきっかけに過去の思い出が蘇り、良い思い出も悪い思い出もフラッシュバックされます。そして、回想シーンが終わり懐中電灯の裏の文字に泉が気づいたときに時計の針が動きだしました。

懐中電灯で過去の記憶が蘇り、最終的に時計の秒針が動くことで、泉が前向きに生きること決意したことを表している描写がとても繊細で素敵だと感じました。 1度は経験したことがある熱い恋の思い出が蘇る作品です。

『ナラタージュ』の視聴方法

『ナラタージュ』はDVDの購入やレンタル、Amazonプライムビデオなどの動画配信サービスで視聴することができます。

2020年5月18日現在、『ナラタージュ』を視聴できるサービスは以下の通りです。

サービス名配信状況月額料金
U-NEXT視聴不可1,990円
Hulu視聴不可1,026円
Amazonプライムビデオ有料レンタル500円
Netflix無料レンタル800円
FODプレミアム視聴不可888円
dTV有料レンタル500円
dアニメストア視聴不可400円
auビデオパス有料レンタル562円
Paravi有料レンタル925円
NHKオンデマンド視聴不可990円
TSUTAYAプレミアム有料レンタル1,100円
ディズニーデラックス視聴不可770円
DAZN視聴不可1,750円
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