映画『戦場のメリークリスマス』のあらすじ・ネタバレ・感想

邦画

捕虜と日本軍の悲しき人間ドラマ。

今回は、映画『戦場のメリークリスマス』の作品概要・あらすじ・ネタバレ・感想をご紹介します。

『戦場のメリークリスマス』の作品概要

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上映日1983年
上映時間123分
制作国日本、イギリス、オーストラリア、ニュージーランド
監督大島渚
原作ローレンス・ヴァン・デル・ポスト『影の獄にて』
脚本大島渚、ポール・メイヤーズバーグ
音楽坂本龍一
主題歌坂本龍一『Merry Christmas Mr. Lawrence』
出演デヴィッド・ボウイ/坂本龍一/ビートたけし/トム・コンティ/ジャック・トンプソン/内田裕也

『戦場のメリークリスマス』は大島渚が監督した映画作品である。

役者としても活躍する坂本龍一の音楽は高い評価を受け、英国アカデミー賞作曲賞を受賞した。

デヴィッド・ボウイやビートたけしなどマルチタレントの活躍する映画でもある。

『戦場のメリークリスマス』のあらすじ

1942年。度重なる戦争に勝利を重ねた日本が、目まぐるしい勢いで領地を拡大していた時代。

ジャワ島の俘虜収容所では、男たちの立場を超えた交流があった。

捕虜と日本軍という関係を巡り繰り広げられる、感動の人間ドラマ。

登場人物紹介

ジャック・セリアズ英軍少佐(デヴィッド・ボウイ)

日本軍を襲撃した英軍陸軍少佐。

ヨノイ大尉(坂本龍一)

ジャワ島俘虜収容所所長。

ハラ・ゲンゴ軍曹(ビートたけし)

俘虜収容所で働く軍曹。気性は荒いが、聡明な一面を持つ。

ジョン・ロレンス英軍中佐(トム・コンティ)

英軍中佐。捕虜だが、日本語が話せるため、通訳として重宝されている。

ヒックスリー俘虜長(ジャック・トンプソン)

英国空軍大佐。収容所の俘虜長。日本人を見下している。

『戦場のメリークリスマス』予備知識の解説

『戦場のメリークリスマス』は第二次世界大戦を舞台にした作品です。作品をより深く楽しめるように、日本史用語をいくつか解説します。

  • 第二次世界大戦(1939-1945
    日独伊の枢軸国と、米英仏ソ中の連合国の二陣営による戦争。
  • 捕虜
    戦争において、敵国に捕らえられた兵士のこと。
  • 2.26事件(1936
    急進的な陸軍将校たちが、維新のため首相官邸などを襲撃したクーデター。

『戦場のメリークリスマス』のネタバレ

この先、『戦場のメリークリスマス』のストーリーを結末まで解説しています。ネタバレを含んでいるためご注意ください

【起】セリアズとヨノイ大尉

1942年。日本が戦争で勝利を重ね、領地を拡大していた時代。占領地のひとつであるジャワ島の日本軍俘虜収容所が舞台である。

ある日、収容所にて、朝鮮人軍属のカネモトという男がオランダの男性兵デ・ヨンを強姦した。ハラ軍曹は、英軍中佐のジョン・ロレンスと共に、カネモトに切腹を命ずる。しかし、そこに収容所所長のヨノイ大尉が現れ、カネモトの罪を軽くした。

その後、ヨノイ大尉は、日本軍を襲撃した英軍少佐ジャック・セリアズの裁判に参加した。裁判官は、セリアズを死刑にしようとしたが、ヨノイ大尉だけはセリアズをかばった。結局、セリアズは死刑を免れ、捕虜となった。ヨノイ大尉は、セリアズに恋にも似た特別な興味を抱いていた。

ヨノイ大尉は、セリアズの戦友であったロレンスに、セリアズの話を聞く。ロレンスは、セリアズを「兵士の中の兵士」であると言った。

【承】過酷な収容所

ヨノイ大尉は、収容所にて捕虜たちを効率的に働かせるため、捕虜長のヒックスリーに、捕虜の名簿を提出するように命令する。しかし、ヒックスリーは言い訳をして、名簿の提出を拒む。ヒックスリーは日本人を見下していた。

ヨノイ大尉は、相変わらずセリアズを気に掛けていた。セリアズが来てから、明らかにヨノイ大尉の様子がおかしいので、ロレンスは、そのことをヨノイ大尉に伝えた。

ヨノイ大尉は、そこでロレンスに、自分が2.26事件に参加できず、死に損なったということを打ち明けた。ヨノイは、戦友が大量に亡くなった中、自分が生き残っているということを恥じていた。

 

やがて、カネモトの死刑が行われた。そのとき、デ・ヨンまで舌を噛み切って亡くなった。突然の事態に困惑したヨノイ大尉は、捕虜全体に48時間の断食を命令した。そして、ヨノイ大尉自身もこの断食に加わった。

捕虜たちが空腹に苦しむ中、セリアズは外に出て、花を大量に摘んできた。そして、亡くなったデ・ヨンの葬式を行った。

【転】クリスマスプレゼント

捕虜たちがあまりにも騒がしいので、職員による査察が入った。そこで、セリアズとロレンスは無線機を所持していたという罪で捕まり、収監される。ロレンスとセリアズは隣り合う牢屋の壁越しに、お互いのことを話した。

2人は無線機を所持していた罪で捕まったが、これは濡れ衣だった。仕掛けたのは、ハラ軍曹で、収容所の秩序を守るための策だった。

その日はクリスマスだった。ロレンスとセザンヌは、ハラ軍曹に呼び出される。ハラ軍曹は酔っ払っていて「自分はサンタクロースだ」と言った。そして、プレゼントとして2人を釈放した。

ハラ軍曹はヨノイ大尉に「無線機を持ち込んだ真犯人が見つかったためロレンスとセリアズを釈放した」と報告した。ハラ軍曹は、誤った判断をした罪から、3日間の謹慎を食らった。

【結】悲しき運命

そのころ、収容所の中は荒れていた。ヨノイ大尉は、秩序を正すためにも一度、捕虜たちを全員集合させる。そのとき、病人の捕虜が死亡した。これに対して、ヒックスリーはヨノイ大尉を協定違反であると言い、煽った。

ヨノイ大尉は立腹して、ヒックスリーを斬ろうとする。そのとき、突然前に出たセリアズが、ヨノイ大尉の頬にキスをした。ヨノイ大尉は、力が抜け、倒れてしまった。これを機に、ヨノイ大尉は、役職を交代させられた。

新任の大尉はセリアズを、首だけ出した状態で生き埋めにした。セリアズが衰弱していく中、捕虜たちはセリアズを気にかけ、祈りの歌を歌うなどしていた。そして、セリアズは息を引き取った。

 

舞台は4年後の1946年。日本は戦争に敗け、大量の戦争犯罪人が検挙された。死刑が決まったハラ軍曹の前に、ロレンスが現れる。ハラ軍曹は、ロレンスに死刑に対する思いを語り、そして昔ばなしをした。

ロレンスの帰り際にハラ軍曹はこう言った。

「メリークリスマス。メリークリスマス、ミスターロレンス」

『戦場のメリークリスマス』の感想

ついに「戦メリ」の記事を書く日が来ました。色々な面で話題になった作品ですが、一番は何と言っても、戦争映画でありながら戦闘シーンが描かれない、という点ですね。

あえて、捕虜と日本軍の個人的な人間ドラマに物語の焦点を当てることで、国同士の争いの無意味さを説いているのではないでしょうか。

そういえば、本作とタイトルのよく似た『戦場のピアニスト』という映画がありましたね。こちらも素晴らしい作品です。これだけ戦争の悲しさを説く作品がありながらも、未だに世界から戦争が消えない現状に少し、虚しくもなります。

良くも悪くも戦争意識の薄れた現代ですが、たまにはこのような作品に触れて、平和について思いを馳せてみても良いのではないでしょうか。