映画『メメント』のあらすじ・ネタバレ・感想

洋画

10分しか記憶が持たない男が、妻を殺した犯人への復讐を決意した。

テーマ・構成、共に異色の、2001年公開のサスペンス映画。

今回は、映画『メメント』の作品概要・あらすじ・ネタバレ・感想・視聴方法をご紹介します。

『メメント』の作品概要

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上映日2001年
上映時間113分
制作国アメリカ
監督クリストファー・ノーラン
原作『Memento Mori』/ジョナサン・ノーラン
脚本クリストファー・ノーラン
音楽デビッド・ジュリアン
主題歌デヴィッド・ボウイ「Something In The Air」
出演ガイ・ピアース/キャリー=アン・モス/ジョー・パントリアーノ/ジョージャ・フォックス/スティーブン・トボロウスキー/マーク・ブーン・ジュニア

前向性健忘という、わずか10分しか記憶が持たない病気を患った男。そんな男が、妻を殺した犯人への復讐をする。

その衝撃的なテーマと、断片的で時系列の入り混じったカットが折り重なって真相に近づいていくという一風変わった構成から、本作は公開から20年経った今でも「革新的」「超難解」と相当な高評価を得ている。

監督/脚本のクリストファー・ノーランにとって、本作は二作目。その後『インターステラー』『インセプション』『ダンケルク』などの実話ベースのSF/戦争映画を数多く手がけた。

『メメント』のあらすじ

強盗犯に妻を殺され、自身も頭部に損傷を負わされた主人公、レナード。彼の事件以降の記憶は、なんと10分しか持たない。その中でも妻を殺した男に復讐するべく、彼はポラロイド写真にメモを取り、身体にタトゥーを刻みながら犯人を追う。

登場人物紹介

レナード(ガイ・ピアース)

前向性健忘を患った男。そこら中にメモを取りながら、妻を殺した男を追う。

ナタリー(キャリー=アン・モス)

レナードに協力し、犯人と思しき男の情報を渡す女性。

テディ(ジョー・パントリアーノ)

レナードの友人。

レナードの妻(ジョージャ・フォックス)

レナードの妻。

サミー(スティーブン・トボロウスキー)

レナードが保険調査員をやっていた頃に担当した客。

『メメント』のネタバレ

この先、『メメント』のストーリーを結末まで解説しています。ネタバレを含んでいるためご注意ください

本作は、「カラー映像のシーン」と「モノクロ映像のシーン」の二つが折り重なる構成となっています。カラー映像のシーンは現在を起点に逆向きに進んでいき、モノクロ映像のシーンは過去のある地点を起点に時系列順に進んでいきます。最後にその二つのシーンが重なり、結末が導かれます。

ストーリー解説をわかりやすくするため、カラー映像のシーン・モノクロ映像のシーンをそれぞれまとめて解説いたしますが、映画そのものの構成とは異なります。

カラー映像のシーン(現在から時系列が逆行していくシーン)のネタバレ

テディの殺害

レナード(ガイ・ピアース)はボロ家にたどり着くと、テディ(ジョー・パントリアーノ)の写真の裏に書いたメモを見る。そこには、KILL HIM」と力強く書かれていた。

ボロ家でテディと二人きりになったレナードは、テディに銃を突きつける。テディは「共に地下室に行こう、真実を知ろう」と語りかける。

しかし、レナードはテディの写真の裏のメモに「彼の嘘を信じるな」と書いてあったことを思い出し、テディを殺した。

ナタリーからの情報提供

テディを犯人だと確信したのは、ナタリー(キャリー=アン・モス)からの情報提供による。レナードは体のさまざまなところに大事なメモをタトゥーで彫っており、そのうちのメモの1つが犯人の車のナンバーだった。それを見たナタリーは、車の持ち主を友人に突き止めさせ、レナードに教える。

車の持ち主はテディであり、本名はジョン・ギャメルであった。レナードの追っている犯人のイニシャルはジョン・Gであり、車の番号も一致している。レナードはテディを殺すことを決意し、写真の裏に「KILL HIM」と書き込んだ。

ナタリーとの協力関係

レナードに協力しているのは、ナタリー自身も恋人を失っているからだとナタリーは語る。恋人のジミーは、テディという男に会いにいってから戻ってこなかったと言う。その言葉を信用したレナードは、ナタリーの写真の裏にメモを残す。

そのレナードは先ほどまで、ナタリーを狙っていた男、ドッドを拘留していた。ナタリーの代わりにドッドに追われていたレナードは、ドッドの家に忍び込んで逆襲を果たし、縛り付けて押入れに押し込んだ。

それについてレナードがナタリーを問い詰めると、「あなたは私のこの怪我を見て、私のためにやってくれたの」とナタリーは話す。どうしてそうなったのか記憶のないレナードは、ナタリーの言葉を信じた。

ナタリーの疑惑

そのナタリーを、テディは疑っている。ナタリーの家から出てきたレナードの前で、テディはナタリーを罵った。

テディが言うには、ナタリーは違法薬物に関わっており、売人の連絡係をしているという。「君を身代わりとして利用しようとしている」「自分の始末を君にさせる気だ」と話すテディをレナードは疑って信じない。

だが、実はその少し前、ナタリーはドッドにレナードの車を教えたと言っていた。レナードは覚えていないが、レナードがドッドに追われる原因を作ったのはナタリーだったのだ。

その上、ドッドを消して欲しいというナタリーの頼みを断ったレナードを、ナタリーは口汚く罵っていた。レナードに殴られるとナタリーは一旦外に出て、レナードの記憶が消えるまで待ってから室内に戻り、「ドッドに全部を話した、この怪我はそのときのだ」と嘘をついてレナードを騙した

ナタリーとの出会い

そもそもレナードがナタリーと出会ったのは、レナードがナタリーの仕事先であるバーを訪れたからだった。自分のジャケットのポケットに入っていたメモに「あとできて ナタリー」と書かれていたことがきっかけで、レナードはバーを訪れる。

最初にレナードを見たナタリーは「ジミー?」と話しかけるが、人違いに気づく。ジミーからあなたのことを聞いているわ、とナタリーは話すが、レナードがまったく覚えていない様子に驚く。唾を吐いたビールを提供してもそれを忘れて飲んでしまうレナードに、ナタリーはその病状を理解する。

ナタリーはレナードを家に呼ぶと、レナードに過去について話させ、「しばらくここにいていいわ」と話した。

モノクロ映像のシーン(過去から時系列順に進んでいくシーン)のネタバレ

目覚め

レナードはモーテルの一室で目を覚ます。ここがどこであるかを確認すると、日々のルーティン通りに身体中のメモを確認していく。モノクロ映像のシーンでは、回想のようにレナードの独白が続く。

レナードは「メモするには要領がいる」と語る。コツは「筆跡を覚えること」「どこに置くかを決めておくこと」「他人の書いた意味のないメモには気をつけること」「重要なことは体にメモをすること」と語り出した。

サミー・ジェンキンズ

その後、レナードは誰かと電話を始めた。「サミー・ジェンキンズを知っているか」と語るレナードは、電話の相手にサミー(スティーブン・トボロウスキー)の話を始める。

サミーは、保険調査員だったレナードが最初に担当した案件の顧客だった。軽い交通事故で前向性健忘になってしまったサミーの医療費がかさみ、妻が保険を請求したことで、レナードが派遣されたのだ。サミーは注射を打つなどの動作ができるにも関わらず、短時間しか記憶を保持できなかった。

サミーを疑ったレナードは検査を要求した。脳の問題であれば反射の方は問題なく備わっているだろうと、反射に関する試験を受けさせるレナード。だが、サミーはその試験をクリアできない。症状は心理的なものだと判断され、保険はおりなかった。

数ページ抜けている資料

レナードは電話相手にサミーの話をすると同時に、追っている犯人の話もする。知り合いの警察から犯人に関しての資料をもらったレナードは、電話相手からもらった情報をそこに書き込んでいく。

資料は不自然に数ページが抜け落ちており、一部が黒く塗りつぶされていた

「電話に出るな」

ここまで話したレナードは、ふと自分の体にあるメモに目を止める。そこには「電話に出るな」と力強く書かれていた。

慌てて電話を切ったレナード。フロントには電話を繋がないように伝え、部屋の中で怯えていたが、「電話に出ろ」と書かれたメモとレナードの写真がひっそりと部屋のドアの下から差し入れられたことで、レナードは電話にしぶしぶ出る。

その写真は、血まみれのレナードが笑顔でピースをしている写真だった。

サミーの妻

電話に出たレナードは、「電話に出るな」という自分の警告を忘れ、サミーの話を話し続ける。サミーの妻は、サミーを治そうと必死になっていた。レナードのオフィスを訪れ、サミーについて尋ねる妻に、レナードは「サミーは肉体的には記憶を司れる」と答えを返す。

それがきっかけでサミーの妻は最後のテストを企てる。それはサミーに自分のインスリン注射を打たせ、時計を巻き戻してもう一度打つようにお願いする、というものだった。

サミーは妻に頼まれるがままにインスリン注射を打ち、妻は昏睡状態に陥ってしまった

そして結末へ

ホテルの部屋を出たレナードは玄関先でテディを見つけると、「ギャメル刑事ですか?」と尋ねる。テディは頷くと、「ギャメルはよせ、テディとメモしておけ」と伝える。二人はボロ家に足を運ぶ

中で待機しているレナードに、テディの名前を呼びながら入ってくるジミー。ジミーが真犯人だと確信しているレナードは、ジミーの首を絞めて、地下室に落とした。そのときにジミーが発した「サミー」という言葉に、レナードは動揺する。

レナードはテディを問い詰めるが、「君は誰にでもサミーの話をしている」と返される。レナードは作り話をしているというのだ。テディが言うには、レナードの妻の命は助かっており、糖尿病だったのはレナードの妻、妻を昏睡させたのはレナードで、サミーは本物の詐欺師だという。

「君は、妻を犯した真犯人はすでに殺した、その証拠があの写真だ」と語るテディ。だが、レナードはその事実を忘れた。テディはレナードが「自分でわざわざ資料から12ページを抜き取り、わざと謎を作って、探偵ごっこを繰り返している」と指摘、自分はそれを利用して人を殺させているという。

 

レナードはその話を聞きながら、ジミーの服を奪って着る。車も奪い去り、自分の写真を燃やす

君の話を忘れるぞ、君がさせたことも忘れる」と独白するレナード。テディの名前が「ジョン・ギャメル」であることを利用し、テディの写真に「彼の嘘を信じるな」と書き込むと、「俺のジョン・Gだ」とテディを見据え、足にテディの車のナンバーの刺青を入れにいく

目を閉じると、自分の愛しの妻の姿が浮かび上がってくる。復讐を達成した自分の体には「I’ve done it(やり遂げた)」と彫られており、妻が隣に幸せそうに寄り添っている。「記憶は自分の確認のためなんだ」と、レナードは自分に向かって頷きかけた。

『メメント』の感想

「超難解」「鬼才」「離れ業」「度肝を抜かれる」、そんな数々の前評判を読んでから視聴しましたが、それらに一切の誇張はありませんでした。

正直なところ、私自身もまだ本当の意味での真相を掴めてはいないと思います。レナードの妻は本当はどうなったのか、テディは一体誰なのか、レナードの記憶はどこまで真実なのか。これらは、本作を何度も見た映画マニアの間でさえ、いまだに議論が分かれているところです。

 

なぜそんなに謎が多いのか。それは、本作の結末を知った後、私たちは見たものを「何一つ信用できなくなる」からだと思います。通常、映画の観客は、主人公から離れた視点を持ち、なんとなく何が起きているかを把握しています。

しかし、本作はレナードの視点にほぼ忠実で、謎は謎のまま描かれています。周囲の人物にレナードが嘘をつかれて利用されていることも、作中で次々と明かされていきます。そして極めつけに、レナード自身も記憶を改ざんしていることが最後に明かされてしまいます。

これはまさしく「鬼才」が生み出した作品だと思います。私たちには10分以上記憶があるという大きな違いがあるにも関わらず、この映画は観客をあまりにもリアルにレナードの置かれた状況に陥らせる。脚本といい、構成といい、全てが見事と言うほかありません。

 

この視点の置き方は同時に、観客にレナードの混乱や悲哀、そして狂気をリアルに味あわせることに成功しています。

電話の相手が誰なのかわからなくなり、誰を殺したのかも覚えられず、メモを頼りに生きるしかないレナード。見た後に残る謎は、他でもないレナードが抱える苦しみでもあります。

映画マニアを唸らせてきた異色の作品、ぜひご覧ください。

『メメント』の視聴方法

『メメント』はDVDの購入やレンタル、U-NEXTやAmazonプライムビデオなどの動画配信サービスで視聴することができます。

2020年6月現在、『メメント』を視聴できるサービスは以下の通りです。

サービス名配信状況月額料金
U-NEXT見放題1,990円
Hulu視聴不可1,026円
Amazonプライムビデオ見放題500円
Netflix見放題800円
FODプレミアム視聴不可888円
dTV視聴不可500円
dアニメストア視聴不可400円
TELASA視聴不可562円
Paravi視聴不可925円
NHKオンデマンド視聴不可990円
TSUTAYAプレミアム視聴不可1,100円
Disney+視聴不可770円
DAZN視聴不可1,750円
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