映画『女神の見えざる手』のあらすじ・ネタバレ・感想

洋画

政治家の心や世論を巧みに動かし、政治を陰で動かす女性ロビイストが主人公の物語。

今回は、映画『女神の見えざる手』の作品概要・あらすじ・ネタバレ・感想をご紹介します。

『女神の見えざる手』の作品概要

created by Rinker
¥2,250 (2020/07/14 07:04:25時点 Amazon調べ-詳細)
上映日2017年10月20日
上映時間132分
制作国フランス=アメリカ合衆国合作
監督ジョン・マッデン
脚本ジョナサン・ペレラ
音楽マックス・リヒター
出演ジェシカ・チャステイン/マーク・ストロング/ググ・バサ=ロー/アリソン・ピル/マイケル・スタールバーグ/サム・ウォーターストン/ジョン・リスゴー/ジェイク・レイシー/デビッド・ウィルソン・バーンズ/ラウール・パネジャ/チャック・シャマタ/クリスティーン・バランスキー

脚本を担当したジョナサン・ペレラは今作が初めての脚本だった。ペレラは、不正行為で逮捕された男性ロビイストのインタビューから着想を得た。

書き上げた脚本はフィルムネーション・エンターテインメントに送られ、社長のベン・ブラウニングを驚嘆させる。その後、わずか1年程でハリウッドにおいては異例のスピードで映画化された。

また、主人公のエリザベス・スローン役を引き受けたジェシカ・チャステインは、本作のジョン・マッデン監督と2010年の『ペイド・バック』でタッグを組んでいた。マッデン監督は、「エリザベス・スローン役は彼女以外に考えられなかった」と、彼女にオファーを送った。

彼女の演技は高く評価され、第74回ゴールデン・グローブ賞ドラマ部門女優賞にノミネートされた。

『女神の見えざる手』のあらすじ

大手ロビー会社で花形ロビイストとして活躍していた主人公のエリザベスは、銃擁護派団体から仕事を依頼される。女性の銃保持を認めるロビー活動で、新たな銃規制法案を廃案に持ち込んでくれというのだ。

銃擁護に反対のエリザベスは、信念に反する仕事は出来ないと、部下を引き連れ、銃規制派のシュミットの小さなロビー会社に移籍を決意する。

エリザベスは、奇策ともいえる戦略やあらゆる手段を駆使して、形成を有利に変えていく。だが、巨大な権力を持つ銃擁護派の敵陣営も負けてはいない。

そんな中エリザベスの過去のスキャンダルが暴かれ、スタッフに命の危険が迫るなど、事態は予測できない方向へ進んでいく。

登場人物紹介

エリザベス・スローン(ジェシカ・チャステイン)

大手ロビー会社、コール=クラヴィッツ&ウォーターマンに在籍し、花形ロビイストとして活躍。銃擁護派団体から仕事を依頼されるが断り、銃規制派のシュミットの小さなロビー会社に移籍。

ロドルフォ・シュミット(マーク・ストロング)

小さなロビー会社、ピーターソン=ワイアットのCEO。ある夜のパーティーでエリザベスに近付き、彼女をスカウトする。

エズメ・マヌチャリアン(ググ・バサ=ロー)

エリザベスがシュミットのロビー会社に移籍後の新たな部下。高校時代に銃乱射事件が起こったブルーミント高校の生存者。

ジェーン・モロイ(アリソン・ピル)

約四年間、コール=クラヴィッツ&ウォーターマンでエリザベスの下で働く。エリザベスがシュミットのロビー会社に移籍をする際に、移籍を拒否し留まる。

パット・コーナーズ(マイケル・スタールバーグ)

コール=クラヴィッツ&ウォーターマンでのエリザベスの同僚。エリザベスの移籍には付いて行かず、銃擁護派としてエリザベスと真っ向から対立する。

ジョージ・デュポン(サムウォーターストン)

コール=クラヴィッツ&ウォーターマンでのエリザベスの上司。

 

銃擁護派団体からの仕事を断ったエリザベスに解雇を言い渡す。エリザベスを失脚させるため、過去のスキャンダルを暴こうとする。

スパークリング上院議員(ジョン・リスゴー)

上院議員。エリザベスが召集された聴聞会の議長を務める。

[出典:http://miss-sloane.jp/]

『女神の見えざる手』のネタバレ

この先、『女神の見えざる手』のストーリーを結末まで解説しています。ネタバレを含んでいるためご注意ください

聴問会

ワシントンD.C.の連邦議事堂にて、スパーリング上院議員による聴聞会が開かれていました。

証人はロビイストのエリザベス・スローン。彼女は、大手ロビー会社、コール=クラヴィッツ&ウォーターマンに在籍していた際に手掛けた仕事で、不正を犯したのではないかという嫌疑をかけられていました。

「敵は君をあおり、怒らせようとする」と忠告する弁護士に対して、エリザベスは「証人台に立ったら壁になるわ」と力強く答えます。

3ヵ月1週間前

聴聞会から遡ること3ヶ月と一週間前。

コール=クラヴィッツ&ウォーターマンに所属し、花形ロビイストのエリザベスのもとに、銃擁護派団体の代表者が仕事を依頼してきました。

「新たな銃規制法案に対し、女性たちに向けた新しい組織を作りたい。あなたが、女性たちを銃器保全賛成者に変えるのだ」と銃擁護派の代表者が語った途端、エリザベスは爆笑し始めました。

依頼を断ったエリザベスに対して、上司のデュポンは怒りを露わにします。エリザベスが考えを変える様子がないのを見て取ったデュポンは解雇を通告するのでした。

 

その夜、パーティーを早めに抜け出したエリザベスに一人の男が近づいてきて声をかけます。彼は小さなロビー会社、ピーターソン=ワイアットのCEOであるシュミットでした。

ピーターソン=ワイアットは銃規制法案賛成工作に携わっていました。

移籍

エリザベスは、シュミットの誘いを受け、彼の会社への移籍を決意します。エリザベスは、コール=クラヴィッツ&ウォーターマンでチームとして働いていた他のメンバーも連れていこうとしますが、彼女についてきたのは半分の4人だけでした。

その中には、4年間彼女のもとで働き、もっとも信頼を寄せていた部下のジェーンの姿はありませんでした。当然付いて来てくれると思っていたエリザベスは彼女が移籍を拒否したことにショックを隠せません。

ジェーンはエリザベスの同僚コナーズのチームに加わり、銃規制法案廃止の仕事に従事することになり、エリザベスとは真っ向から対立する立場となりました。

シュミットの不安

エリザベス率いるチームと莫大なキャンペーン費用を持ち有利にあるコナーズのチームで銃規制への賛成、反対の態度を決めていない議員22名の奪い合いが始まります。

不利な状況をものともせず、エリザベスは一人でフェミニスト団体など、さまざまな女性団体から1500万ドルの寄付金を集め、シュミットを驚かせます。

その一方、エリザベスが自費で盗聴チームを雇っていることを知り、彼は手段を選ばないそのやり方に不安を覚え始めます。

エズメの過去

エリザベスは新たな部下のエズメの履歴を見て、空白部分があることに疑問を抱き、エズメが銃乱射事件の起こったブルーミント高校の生存者だったことを知ります。

勝つためなら手段を選ばないエリザベスは、あまり目立ちたくないという彼女を説得して徐々に表に出していきます。彼女がメディアに出ることに慣れてきたのを見計らって、コナーズとのテレビ討論の際に、エズメに事前に伝えることなく公の場でその事実を暴露します。

何も聞かされていなかったエズメは、エリザベスの行為に驚きつつも、銃規制法案賛成派の顔となって、闘うことを決意します。彼女への同情が集まり、世論は銃規制法案賛成に徐々に傾くかのように見えました。

銃擁護派に有利な事件

エリザベスの思惑通り世論が順調に銃規制派に傾いていた頃、ある事件が起こります。

銃規制法案反対派の男が銃規制派の顔となっていたエズメに銃をつきつけ彼女を殺そうとしたのです。その時、銃を携帯していた民間人が、男を射殺。エズメは九死に一生を得ました。

しかし、この事件は大きく報道されることとなりました。エズメを助けた男は一躍マスコミの寵児となり、銃の必要性が声高に叫ばれ始めるようになります。

 

この事件は、エズメの高校時代の傷をさらにえぐることになり、彼女はキャンペーンの途中で故郷に帰る決断をします。

勝つためには手段を選ばず仲間でさえも道具にしてしまうエリザベスに対して、エズメは「あなたが仕組んだのかとさえ思った。あなたは他人への敬意を失い境界線を超えた」と言い放つのでした。

エリザベスの弱み

コナーズたちは、エリザベスの弱みをつかみ銃擁護派に完全勝利をもたらそうと躍起になっていました。

そんな中、ついにジェーンはエリザベスがかつて取り上げた案件の書類が彼女を追い込む重大な証拠になるのではないかと気付きます。「上院倫理規定の違反を証明できます!」彼女は叫びました。

密会

ある日、デュポンはスパーリング上院議員と車の中で密会をします。

当初、スパーリング上院議員は銃規制法案賛成の立場を表明していましたが、デュポンから、銃規制法案反対に回り、エリザベスの聴聞会を仕切り彼女を潰せと言われます。

デュポンは、もしこの話に乗らなければ、銃擁護派の多くの議員たちがスパーリング上院議員の資金対策を妨害し息の根をとめるまで容赦しないと脅しました。

聴問会

ジェーンが見つけた書類によって、聴聞会にかけられることになったエリザベス。

弁護士との打ち合わせ通り、当初は合衆国憲法修正第五条を盾に証言を拒んでいたエリザベスでしたが、スパーリング上院議員の挑発に乗ってしまいます。エリザベスは証言をせざるをえなくなってしまい、様々な疑惑を追求されることとなります。

 

盗聴をしていたのではないかという疑惑に関しては、シュミットの証言によって難を逃れますが、聴聞会に一人の証人が招聘されました。男の名はロバート・フォード。彼はエスコート業に従事している人物で、実はエリザベスは彼を金で買っていたのです。

彼が現れることを聞かされていなかったエリザベスは愕然としますが、フォードは彼女と関係を持ったかという質問にきっぱり「ありません」と答えるのでした。

しかしインドネシアの法案に関する件ではさらに厳しい追求が行われました。エリザベスは「法案を推進する議員が現地に派遣された際の費用は、非営利団体が出したものなので問題ない」と答えました。

 

しかし、スパーリング上院議員は、ジェーンが見つけ出した切り札である一枚の書類を差し出しました。

「その筆跡に見覚えはあるかな?」上院議員は尋ねました。書類に記されているサインはスローンが書いたもので、言い逃れの出来ない証拠でした。

エリザベスの反撃

聴聞会も最終段階を迎え、「言いたいことは?」と問われたエリザベス。

エリザベスはゆっくりと語り始めます。

「銃規制強化は正しいことです。しかし、勝利への執着からもっとも近い人を裏切るなど一線を超えてしまったことは批判に値します。しかし、投票の際には議会の方は私のうしろに座る人々を見て投票してください。政界で出世するために投じるのではなく、祖国のために正しいと信じることに投じてください」

 

「このロビー活動がうまく展開した時、私に対する個人攻撃が始まるだろうことは予想していました」エリザベスがそう話している途中、その場で彼女をずっと見つめていたジェーンはコナーズに「将来の件でお話が」と話しかけました。

今は忙しいという彼に対して、彼女は「辞めます」と紙切れを渡し会場を出ていきました。

 

エリザベスは話しを続けます。

「勝者は敵の一歩先を読んで計画し、敵が切り札を使った後自分の札を出す。私は前の会社を辞める時、私の部下を密偵として残してきました」

ジェーンはエリザベスが送り出した密偵だったのです。

 

エリザベスは話し続けます。「デュポンに監視を付けました。彼が密談した人物は、道徳的に破綻しており彼と結託しています。その人物は、スパーリング上院議員です」と告げると、会場にはどよめきの声が広がります。

 

しかし、彼女は続けます。「次のアドレスを入力してください。”激震”というファイルをダウンロードしてください!」エリザベスの言葉に従った人々は驚きの声をあげました。

そこにはスパーリング上院議員をデュポンが脅している動画が上がっていたのです。議員もデュポンも真っ青になり、聴聞会は大混乱となりました。

10ヵ月後

それから10ヵ月後。連邦矯正施設に収監されているエリザベスのもとに弁護士が訪ねてきました。

彼は、まもなくスパーリングとデュポンの聴聞会が始まることを告げ、数ヶ月後に出られるように手配することを約束しました。

聴聞会にかけられる原因となった書類にわざと署名し、チームにもふせた理由を問われると、「刑期は5年だから」と即座に彼女は答えました。

弁護士は「また会おう」とふっと笑うと言うのでした。

エリザベスの釈放

また時は過ぎ、エリザベスはついに釈放されます。

施設から出たエリザベスの目線の先には誰かがいました。

『女神の見えざる手』の感想

全く、アメリカ政治やロビイストに関する前提知識がない中でも楽しむことができる映画でした。

最後の最後に大どんでん返しで、見事な逆転劇でした。最後の結末を知ってもう一度見ると、途中のシーンもまた違う視点で楽しむことができる作品だと思います。

気になったのは最後のエリザベスが刑務所から出てくるシーン。誰が彼女を待っていたのか、気になりました。ぜひ、続編を作ってほしいと思います。

また、エリザベスの完璧なスタイル、ファッションにも目が離せませんでした。キャリアウーマンを通り越し、完璧すぎる女性。ピンヒールでかつかつと歩く姿もかっこよく、彼女のファッションセンスからも目が離せない作品だっと思います。