映画『リトル・ダンサー』のあらすじ・ネタバレ・感想

洋画

スティーブン・ダルドリー監督のデビュー作であるヒューマン・ドラマ『リトル・ダンサー』。

今回は、映画『リトル・ダンサー』の作品概要・あらすじ・ネタバレ・感想をご紹介します。

『リトル・ダンサー』の作品概要

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上映日2000年
上映時間111分
制作国イギリス
監督スティーブン・ダルドリー
脚本リー・ホール
音楽スティーブン・ウォーベック
出演ジェイミー・ベル/ジュリー・ウォルターズ/ゲイリー・ルイス/ジェイミー・ドレイブン/ジーン・ヘイウッド/ステュアート・ウェルズ

夢見ることの素晴らしさと、家族の絆を描くヒューマン・ドラマ。1980年代の「鉄の女」と呼ばれたサッチャー政権の元、貧しいながらもバレエに魅せられた少年の前向きな生き方と、少年を支える家族の葛藤が見ている者の心を打つ感動作。

2000人の中からオーディションで主演に選ばれた、当時14歳のジェイミー・ベルがエネルギッシュなダンスを披露する。

『リトル・ダンサー』のあらすじ

1984年、イングランド北東部にある炭鉱の町・ダーラムが舞台の物語。主人公のビリー・エリオットは、炭鉱夫である父と兄のトニー、認知症の祖母と共に暮らしていた。炭鉱不況の真っただ中で、父とトニーはストライキに参加していた。

ボクシングが大好きな父の命令でボクシング・クラブに通っていたビリーだが、隣で行われているバレエ教室に興味を抱き始める。ビリーはボクシング・クラブに通っているフリをして、バレエのレッスンを受け始める。

登場人物紹介

ビリー・エリオット(ジェイミー・ベル)

バレエの楽しさに目覚める11歳の少年。

ウィルキンソン先生(ジュリー・ウォルターズ)

バレエ教室で教える先生。ビリーにバレエの素質があることに気が付く。

ジャッキー・エリオット(ゲイリー・ルイス)

ボクシングを愛する武骨なビリーの父親。炭鉱夫でストライキに参加している。

トニー・エリオット(ジェイミー・ドレイブン)

炭鉱夫でビリーの兄。ストライキのリーダー。

ビリーの祖母(ジーン・ヘイウッド)

軽い認知症を患っているビリーの祖母。

[出典:https://www.kadokawa-pictures.jp/official/little_dancer/]

『リトル・ダンサー』のネタバレ

この先、『リトル・ダンサー』のストーリーを結末まで解説しています。ネタバレを含んでいるためご注意ください

バレエとの出会い

1984年、イギリス北東部にある炭鉱の町・ダーラムで、炭鉱夫の父・ジャッキーと兄のトニー、そして認知症の祖母と暮らすビリー。炭鉱不況の真っただ中で、父とトニーはストライキに参加していました。ストライキに参加する人たちと、警官隊との衝突は日常茶飯事です。

ボクシング好きの父の指示でボクシング・クラブに通うビリーですが、隣で行われているバレエ教室に興味を示します。そして、ボクシング・クラブに通っているフリをして、内緒でバレエを習い始めます。そこでウィルキンソン先生からバレエの指導を受けることになります。

激怒する父

ある日ジャッキーは、ボクシング・クラブで教えている友人から、ビリーがボクシングのレッスンに来ていないことを明かされます。それを知ったジャッキーは、熱心にバレエのレッスンをしているビリーとウィルキンソン先生のもとへ怒鳴り込みに行きます。

家に帰ってからは、「男がバレエなんてとんでもない」と考えているジャッキーの説教が始まります。「苦労して捻出しているレッスン代の50ペンスを無駄にするな」とビリーに怒鳴り散らします。

ビリーは、「バレエを止めざるを得ない状況だ」と、ウィルキンソン先生に相談します。ウィルキンソン先生は、「父親に歯向かったらどうか」と言います。実は、ウィルキンソン先生は、ビリーを有名バレエ学校に推薦しようとしていたのです。

「自分の素質を自覚するように」と言われたビリーは、オーディションに向けてウィルキンソン先生の個人レッスンを受けることにします。

激化するストライキ

ある日の朝4時頃、炭鉱の閉鎖を決定した会社を襲撃しようと、トニーがトンカチを片手に出かけようとします。それを止めようとするジャッキーは、トニーを殴ります。すると、トニーはそのまま家を飛び出してしまいました。

やりきれない気持ちのビリーは、バレエの練習中にウィルキンソン先生に八つ当たりします。「先生の人生は負け犬だ」とも言います。そんなビリーにウィルキンソン先生は平手打ちをしますが、その後にビリーを抱きしめるのでした。

ストライキが本格化すると、トニーは警官隊に捕まりボコボコにされます。

板挟みになるビリー

ビリーは、「今の状況ではオーディションには行けない」と先生に連絡します。不審に思ったウィルキンソン先生はビリーの家を訪ねます。そこで、ビリーは「大切なバレエ学校のオーディションを棒に振ることになってしまった」と説明します。

トニーはウィルキンソン先生に向かって、「弟を遊びの道具にするな」と言い放ちます。それに対してウィルキンソン先生は、「ビリーを炭鉱夫にしたいのか」と言い返します。二人の口論は途絶えず、耐えきれなくなったビリーは外へ飛び出します。

鬱屈した感情ををぶつけるかのように、ビリーは踊りまくるのでした。

最悪のクリスマス

季節は冬になり、クリスマスがやって来ました。ジャッキーは、薪の代わりにするために、ビリーの母親の形見だったピアノをハンマーで叩き壊します。ビリーは、「母さんが泣かしむ」と言い、ジャッキーは泣いてしまいます。最悪のクリスマスです。

夜になり、ビリーは友人のマイケルから家にあったお酒をもらいます。そして二人はボクシングジムへ行き、バレエの練習をします。するとジャッキーがボクシングジムにやってきて、初めてビリーがダンスをする姿を見ることになります。

ビリーは自分がどれだけ踊りが好きなのかということを、ダンスで証明しました。そのダンスは意気揚々としていて、素質の溢れるものでした。

ビリーのダンスに心を打たれたジャッキーは、ウィルキンソン先生にバレエ学校について尋ねます。先生は2000ポンドが必要だと答えますが、奨学金があるとも教えてくれます。「あとは、ロンドンまでの旅費が必要なだけだ」と説明します。

スト破りをするジャッキー

ジャッキーは、ストライキをやめることを決心します。スト破りのバスに乗る父を見つけたトニーは、「気は確かなのか」と言ってきます。

しかし、ジャッキーは、「ビリーの夢を叶えるためにはこうするしかない」と、涙を流します。「自分達には未来がないが、ビリーには未来がある」と語るのでした。

トニーは、父の言うことが正しいと感じ、死んだ母親も賛成してくれるだろうと、ビリーに打ち明けます。

ボクシングの先生や、部員達、さらには婦人会が、ビリーのロンドン行きの資金をかき集めてくれることになりました。しかしそれでも資金は足りず、ジャッキーは妻の形見である時計を質屋に入れるのでした。

オーディション

ビリーとジャッキーはバスでロンドンのオーディションへ向かいます。ジャッキーもビリーもダーラムから出ていくのは初めてのことでした。

オーディション会場で、面接に呼ばれたビリーでしたが、緊張のあまり声が出ずに、なかなか踊り出すこともできませんでした。イライラが募ったビリーは、控室で絡んできた男の子を殴ってしまいます。

父親を交えた面接では、「暴力をふるったことが審査に影響を及ぼす」と言われました。面接官は、ジャッキーにビリーを支える覚悟はあるかと問いました。その質問に対して、ジャッキーは「もちろん」と答えます。

最後に面接官はビリーに「踊っている時はどんな気持ちなのか」と質問します。最初は「よくわからない」と答えたビリーですが、「とてもいい気分で、何もかも忘れてしまう」「体の中に炎ができ、宙を飛んでいるかのような気分で、電気が走ったみたいに感じる」と答えます。

オーディションの結果

しばらく時が経ち、ビリーのもとへオーディションの結果通知が届きます。ビリーからの報告を待つ家族たちは、心配そうにキッチンに集まっています。ビリーは神妙な面持ちで、一人中身を確認します。すると、結果は合格でした。

仲間に知らせようと走り出したジャッキーは、組合が譲歩してストが終わったことを知ります。ビリーはウィルキンソン先生に結果を知らせに行き「感謝している」と伝えます。先生は「これが人生のスタートよ」とアドバイスをくれます。

出発の当日、祖母とマイケルに別れを言い、ビリーはバスに乗り込みます。トニーが「寂しくなる」と目を潤ませて言いますが、バスの中のビリーには聞こえません。そしてバスは発車します。

数年後、ジャッキーとトニーは、成長したビリーの舞台を見に行くことになります。隣の席には大人になったマイケルがいました。出番の直前に家族が来ていることがビリーに伝えられ、ビリーは舞台の袖から音楽に合わせて「白鳥の湖」を踊りに出るのでした。

『リトル・ダンサー』の感想

1980年代、炭鉱不況の真っただ中のイギリスが舞台になっています。誰もが不況の中で倹約しなければならない状況で、ストライキをする者とそれに反対する者との対立も描かれています。そんな時代に、バレエダンサーを夢見るビリーの一生懸命な姿に心が打たれます。

ビリーのバレエ遠征の費用を捻出するために、ストライキに賛同していた父や兄が、ストライキすることを諦めて、炭鉱で働くことになるシーンは、胸が張り裂けそうになるくらい辛くて、涙が後から後からあふれ出てきました。

最後に一瞬だけではありますが、青年に成長したビリーがバレエの舞台から登場するシーンがあります。今まで家族の葛藤や、地域の人々からの寄付など、彼らの暖かいサポートがあったからこそのビリーの成長なので、そんなビリーの登場には感極まります。