映画『レディ・バード』のあらすじ・ネタバレ・感想

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カリフォルニアの女子高生“レディ・バード”の青春を描いた映画『レディ・バード』

今回は、映画『レディ・バード』の作品概要・あらすじ・ネタバレ・感想をご紹介します。

『レディ・バード』の作品概要

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上映日2018年6月1日
上映時間94分
制作国アメリカ合衆国
監督・脚本グレタ・ガーウィグ
音楽ジョン・ブライオン
出演シアーシャ・ローナン/ローリー・メトカーフ/トレイシー・レッツ/ルーカス・ヘッジズ/ティモシー・シャラメ/ビーニー・フェルドスタイン 他

静かな地元の町に閉塞感を抱き、都会に憧れる活発で反抗的なヒロインの恋愛や友情、母親との確執など悩める高校最後の1年を瑞々しいタッチで綴る。

グレタ・ガーウィグ監督が、自身の生まれ故郷カリフォルニア州サクラメントを舞台に描いた。

主演のシアーシャ・ローナンは本作の演技で3度目のアカデミー賞ノミネート。共演も同じくアカデミー賞にノミネートされたローリー・メトカーフ。

『レディ・バード』のあらすじ

2002年、カリフォルニア州サクラメント。閉塞感漂うこの町で窮屈な日々を送るクリスティン。堅苦しいカトリック系高校に通う彼女は、自分のことを “レディ・バード” と称し、何かと反発しては苛立ちを募らせていた。とくに口うるさい母親とはことあるごとに衝突してしまう。

大都会ニューヨークに行きたい彼女は地元に残ってほしい母親と喧嘩して大騒動に。そんな中、レディ・バードにダニーという好青年のボーイフレンドができる。

登場人物紹介

クリスティン・“レディ・バード”・マクファーソン(シアーシャ・ローナン)


カトリック系高校に通う17歳。閉塞感溢れるサクラメントからニューヨークの大学進学を夢見る。自分を“レディ・バード”と名付けて周りにもそう呼ばれている。

マリオン・マクファーソン(ローリー・メトカーフ)


レディ・バードの母親。看護師として家計を支える。レディ・バードを地元の大学に行かせたいが、そのせいで娘とは何かと衝突しがち。

ラリー・マクファーソン(トレイシー・レッツ)


レディ・バードの父親。失業して就職活動中。母親に内緒でレディ・バードがアメリカ東部の大学に入るための手助けをしてくれる。優しい良き理解者。

ダニー・オニール(ルーカス・ヘッジズ)


レディ・バードの一人目の彼氏。ミュージカル仲間の好青年。レディ・バードと練習を重ねる内に親しくなる。

カイル・シャイブル(ティモシー・シャラメ)


レディ・バードの二人目の彼氏。クールなバンドの美少年。レディ・バードがアルバイトを始めたカフェで知り合う。

ジュリー・ステファンス(ビーニー・フェルドスタイン)


レディ・バードの親友。ミュージカル仲間の同級生。レディ・バードが人気者グループとつるむようになって、疎遠になってしまう。

[出典:映画『レディ・バード』公式Twitter]

『レディ・バード』のネタバレ

この先、『レディ・バード』のストーリーを結末まで解説しています。ネタバレを含んでいるためご注意ください

田舎を出たいレディ・バード

2002年、カリフォルニア州サクラメント。大学見学から帰る途中のレディ・バードは、母マリオンが運転する車の中で口論する。レディ・バードはニューヨークの大学に進学することを望んでいたが、母は州内の市立大学へ入学を進めていた。レディ・バードは助手席から飛び降りる。

背景には、優秀な大学を卒業しながらも、定職に就けていない養子の兄ミゲルと仕事が不安定な父ラリーを看護師の母が支えている家庭の経済状況があった。レディ・バードは完璧を求める母と何かと衝突した。

レディ・バードはカトリック系の高校に通う17歳。本名の “クリスティン” という名前を嫌い、自分のことを“レディ・バード”と呼ばせていた。右腕を骨折したレディ・バードは右腕に「くたばれママ」と書いたギブスをはめて通学する。

 

修道女(シスター)の勧めで、レディ・バードは校内ミュージカルのオーディションに参加する。舞台に立つダニーに惹かれたレディ・バードは彼に恋に落ちる。彼女は自宅の壁に “ダニー” の名前を書き込んだ。

オーディションの結果、ダニーの相手役に親友のジュリーが決まり落胆するが、レディ・バードは稽古を重ねるうちにダニーと親密になっていく。

1人目の彼氏

ダニーは裕福な家庭で育った好青年で、レディ・バードの家を訪れた際も両親は彼に好印象を持つ。しかし、ダニーからの発言で娘が自分の家を「線路の向こうのスラム」にあると話していることを知り、母は不快感を示した。

感謝祭の日、レディ・バードはダニーの祖母の家に招かれる。その家が以前から憧れていた高級な家であることを知り、ダニーと結ばれる将来を夢見る。

ミュージカルの公演を終えた夜、打ち上げする。店の女子トイレが混んでいたため、レディ・バードはジュリーと一緒に男子トイレに入る。しかし、そこでダニーが男性とキスしているのを目撃してしまう。

新しい人間関係

それから数日後、レディ・バードはアルバイトをしているカフェのテラスで本を読む男性客が気になり声をかけた。それはジュリーに連れられて見に行ったギグで演奏していたバンドマンだった。

カイルというその男子に好意を抱いたレディ・バードは部屋の壁の “ダニー” の名前を消して、“カイル”の名前を書き加えた。

レディ・バードはカイルが人気者の女子生徒ジェナと仲が良いことを知り、ジェナに近づく。レディ・バードはジェンナがシスターにスカート丈を注意されたのを見て、シスターの車に仕返しをすることを提案する。これを機にレディ・バードはジェナと仲良くなる。

レディ・バードはダニーと距離を置くために、稽古へ行くのをやめ、ジェナと過ごす時間が増えて、親友のジュリーとは距離が離れていった。

2人目の彼氏

ある日、レディ・バードがカフェでアルバイトをしていると、ダニーが訪れる。店の外でダニーは自らがゲイであるという家族に言えない悩みを打ち明ける。レディ・バードは泣いているダニーを慰めた。

一方、カイルと親しくなったレディ・バードはジェナの家で開かれたパーティでキスをする。

レディ・バードはお互いに初体験だと思っていたが、後日関係を持った後でカイルが童貞ではなかったことを知る。傷ついたレディ・バードは迎えに来た母の腕の中で泣いた。

 

高校の講演会で失言をしたレディ・バードは停学処分を受ける。自宅で謹慎している間に、ジェナが家に来ようとする。

しかし、レディ・バードはダニーの祖母の家を自分の家だと嘘をついていたことがバレる。嘘を謝った彼女を、ジェナはカイルの彼女だから友達を切れないと許した。

レディ・バードはカイルとプロムに出ることを約束する。レディ・バードは母とプロムに着ていくドレスを選んだ。

ジェナとその彼氏、カイルと共にプロムに出かけるが、彼らはプロムには行かないと言い出す。レディ・バードも一度は同意したが、「自分はプロムに出たい」と言ってジュリーの家まで送ってもらう。レディ・バードはジュリーと一緒にプロムに参加してはしゃぐのだった。

母との衝突

レディ・バードは父親が何年もうつ病を患っていたことを初めて知る。自宅からも近いカリフォルニア大学デービス校へ進学が決まっていた。しかし、父の助けを借りながら母に内緒でニューヨークの大学に補欠合格する。

レストランでレディ・バードの高校卒業と兄の就職を祝って会食していたところ、偶然に合わせたダニーがニューヨークへの進学を漏らしてしまう。母は黙っていたことに起こり、それ以来レディ・バードと口を聞かなくなる。

 

大学が始まるまでの間、レディ・バードはバイトしながら運転免許を取得する。18歳の誕生日を迎えたレディ・バードは成人祝いにタバコと成人誌を自分で買う。

父の助けで奨学金も下り、補欠合格していたニューヨークの大学から入学許可が下りる。レディ・バードは自宅の荷物をまとめて、思い出のつまった部屋の壁も白く塗りつぶした。

ニューヨークへ出発する日、父は搭乗口まで見送るが、母は運転する車から降りず、娘と目も合わせなかった。しかし、母も内心では娘と離れる悲しみに耐え続けていた。

母は思い直して空港に戻るが、既に娘の乗る飛行機が飛び立っていた。母は涙を流し、合流した父に抱きかかえられた。

故郷から旅立ち

レディ・バードはニューヨークに着き、荷解きをしていたところ、荷物の中から1枚の封筒を見つけ出す。その中には、くしゃくしゃになった手紙が出てきた。

それは、母が夜な夜な書いては捨てていた手紙を、父が拾って荷物に忍ばせていたのだ。レディ・バードは手紙を読み、母の思いを知った。

新入生の飲み会で男子学生に声をかけられた彼女は、レディ・バードではなく本名の “クリスティン” と名乗る。クリスティンは男子学生の部屋でベッドを共にしようとするが、行為を始める前に飲み過ぎが原因で激しく嘔吐し、病院に運ばれる。

翌朝、退院したクリスティンはその足で教会へ向かい、合唱団の賛美歌を聞く。父に電話をかけ、留守番電話に両親、特に母への感謝と、自ら運転する車で初めてサクラメントの町を走ったときの思いを吹き込んだ。

『レディ・バード』の感想

閉塞感漂う片田舎の町を出たいと願い、自分の名前を変えて呼ばせたり、口うるさい母親に反抗的な態度を取ったり、思春期特有のこじらせた少女の姿がリアルに描かれていました。

都会への憧れ、気になる異性との恋愛、友達との微妙な距離感、大人になることへの期待と不安。異なる文化や価値観でも、普遍的なものが描かれているので共感できる部分が多いのではないでしょうか。

サクラメントの丁寧に映し出された街並みが美しかったです。素直になれず衝突してばかりの母娘が、心の底ではお互いを大切に思い合っていることがわかるラストシーンに感動しました。