映画『渇き』のあらすじ・ネタバレ・感想

邦画

深町秋生の小説「果てしなき渇き」を、中島哲也監督が実写化したサスペンスミステリー。

今回は、映画『渇き』の作品概要・あらすじ・ネタバレ・感想・視聴方法をご紹介します。

『渇き』の作品概要

上映日2014年6月27日
上映時間118分
制作国日本
監督中島 哲也
原作深町秋生「果てしなき渇き」
脚本中島哲也、門間宣裕、唯野未歩子
音楽GRAND FUNK.Inc
主題歌ディーン・マーティン「Everybody Loves Somebody」
出演役所広司/小松菜奈/清水尋也/妻夫木聡/オダギリジョー/高杉真宙/二階堂ふみ/橋本愛/森川葵/黒沢あすか/青木崇高/國村隼

『下妻物語』や『告白』など、多くの話題作を手掛けてきた中島哲也監督が2014年に発表した映画『渇き。』。ベストセラーとなったサスペンス小説『果てしなき渇き』を実写化した本作は、2014年の邦画を代表する作品となった。

スタイリッシュな演出、ハードで過激な作風が評価された作品。難解で謎めいたスピーディーな展開に翻弄される。「3年前」「現在(2012~2013年)」の2つのパートが交互に描かれる不思議な世界観の映画。

『渇き』のあらすじ

品行方正だった娘の加奈子が部屋に何もかもを残したまま姿を消した。元刑事で父親の藤島昭和は、その行方を追い掛けることにした。

自身の性格や言動で家族をバラバラにした彼は、そうした過去には目もくれずに自分が思い描く家族像を取り戻そうと躍起になって娘の足取りを調べていく。

交友関係や行動を丹念にたどるに従って浮き上がる、加奈子の知られざる素顔に驚きを覚える藤島。やがて、ある手掛かりをつかむが、それと同時に思わぬ事件に直面することになる。

登場人物紹介

藤島昭和(役所広司)

大宮署の刑事だったが、問題を起こして警備員となった。破天荒な性格。

藤島桐子(黒沢あすか)

藤島昭和の元妻。娘を愛しており感情が溢れ取り乱すことがある。

加奈子(小松菜奈)

秋弘の娘。美しく成績もトップクラスで高校のマドンナ的存在。

瀬岡(清水尋也)

加奈子の中学生時代の同級生。いじめられっ子だったが、加奈子によって助けられる。加奈子に恋心を抱いている。

浅井(妻夫木聡)

大宮署の刑事。公安部出身で藤島の刑事時代の後輩。

愛川(オダギリジョー)

暗殺者と呼ばれている。殺し屋。

森下(橋本愛)

加奈子の同級生。秘密を抱えている。

長野(森川葵)

加奈子の同級生。無口で不思議な雰囲気を持つ少女。

緒方(星野仁)

加奈子の中学生時代の同級生。加奈子の元恋人。ある日首吊り自殺をする。

[出典:https://kawaki.gaga.ne.jp/]

『渇き』のネタバレ

この先、『渇き』のストーリーを結末まで解説しています。ネタバレを含んでいるためご注意ください

藤島の過去

元刑事で破天荒な性格の藤島。藤島には成績も優秀で美しい魅力を持つ加奈子という娘がいた。

藤島は過去に酔った勢いで加奈子に迫り、それがきっかけで加奈子は父親に幻滅していった。 父によって男性不信に陥りかけた加奈子は、緒方という少年に出会い救われることとなる。

中学時代、加奈子は緒方という同級生の男子生徒に好意を寄せていた。しかし、緒方は同級生の松永に陥れられて、男色家の餌食となってしまう。

それを苦に思った緒方は、自ら学校の屋上から身を投げ自殺した。加奈子は緒方の死にショックを受け、緒方の葬儀に出席した。加奈子はみんなの見ている前で緒方の遺体にキスをしたのだ。その姿はどこか美しかった。

 

加奈子は緒方の死後、緒方を死においやったものに接近し復讐をしようと考えた。 時は流れ加奈子は高校に入学した。瀬岡という少年は同級生だった加奈子を好きになった。

瀬岡は加奈子に対して「緒方みたいになりたい」と言うのだった。その言葉を聞いた加奈子は松永を使って瀬岡を陥れて、男娼にさせた。 辱められた瀬岡はようやく緒方が自殺した理由を知った。

瀬岡は徐々に加奈子に対して抱く気持ちが、好意なのか憎悪なのか分からなくなっていった。 瀬岡は金属バットを持って復讐に向かった。しかし、暗殺者である「スニーカー」こと愛川に殺されてしまうのだった。

3年前の出来事

3年前、刑事をしていた藤島昭和は、妻の桐子が不倫をしていることを知った。藤島はクリスマス・イヴに不倫相手と桐子が車で会っているのを見つけたのだ。そして、藤島は不倫相手の車に自分の運転する車をぶつけ、何度も殴りつけた。

この暴行事件がきっかけで、藤島は刑事の職を依願退職することとなった。桐子に離婚され、16歳の娘の加奈子と分譲マンションを奪われた藤島は、現在は関東第一警備保障という警備会社の警備員の仕事をしている。

精神的にすさんだ藤島は、精神科から「統合失調症」「躁鬱病」の診断を受け投薬治療中だった。医者に処方された薬を服用し続けないと藤島は動くこともままならなかった。薬漬けになっていると藤島は自嘲的に笑うようになり、心身ともにボロボロだった。

2013年8月のある日、藤島はさいたま市北区で起きたコンビニ3人殺傷事件を目撃してしまった。コンビニ店員が全身をナイフで刺されて死亡した残虐な事件だった。 藤島が元刑事ということもあり、元後輩の刑事の浅井は、重要参考人として藤島につきまとうのだった。

 

そんな中、元妻の桐子から藤島に連絡があった。藤島は桐子の電話を受けて久しぶりにマンションへ行き、加奈子が何日も家へ帰っていないと聞いた。

桐子に促されて加奈子の部屋を物色した藤島は、加奈子のカバンの中に覚せい剤を見つけてしまう。藤島は加奈子のことを調べ連絡簿を手に入れた。

加奈子の素顔

藤島は、連絡簿を使って加奈子の同級生の森下とコンタクトを取った。彼女は加奈子と「友だちだったっけ」と他人行儀に言うのだった。同席している友人の長野はしきりと水を飲んでいた。

藤島が、「薬物にはまると喉が渇くよな」と指摘すると、森下は藤島を睨んだ。 藤島は、加奈子の部屋で見つかった処方薬に記載されていた「辻村神経科クリニック」へ行った。医師の辻村は加奈子に、抗不安剤と軽い睡眠薬を処方していた。

そんな中、藤島に「中学時代の同窓生と連絡が取れた」と桐子から電話がはいり、藤島は桐子のところへ駆けつけた。

藤島と桐子はファミリーレストランで加奈子が中学時代に友人だった陽子と香澄から話を聞いた。そして、加奈子の部屋にあった写真のうち加奈子と一緒に写っている男子生徒の「緒方」が、中学時代に飛び降り自殺をしたことを知った。

 

同級生の中で遠藤那美は加奈子に憧れを抱いていて、松永という男子生徒は素行がよくなかったことも知った。

藤島は中学時代の元担任の東のところへ話を聞きに行った。東は「加奈子は当時、不登校が続いていて自殺を試みているような不思議な印象を受けた」と答えた。そして、加奈子に憧れていた同級生の遠藤那美は、去年に薬物で死んだことを知った。

藤島は素行のよくなかった松永という生徒が、加奈子に薬物を渡していたことに気づいた。

狂っていく藤島

藤島は松永の家へ出向いて母親に事情聴取をした。その直後、車に戻ると何者かに殴られた。犯人は松永だった。藤島は気絶してしまい、次に藤島が目覚めたときには、松永は死んでいた。現場には警察官の浅井が到着しており、藤島に松永が仲間に追われていたことを伝えた。

ある日、藤島は加奈子の友人の森下に話を聞こうとしたが、加奈子のせいで長野が薬に手を染めたのだと責められた。

その帰りに藤島は、補導したギャルを自宅マンションに連れ込もうとした。 しかし、狂気じみた顔をした愛川という男が藤島の部屋に先回りし、ギャルを殺害していた。愛川は藤島に「よけいなことを探るな」と警告し立ち去っていった。

気絶から目覚めた藤島が家を出ると、森下が待ち構えていた。

 

加奈子のものだという駅北口のコインロッカーのカギを受け取った藤島は、長野から話を聞いた。長野は「薬物にかかわった自分たちも命を狙われるかもしれない」と答えるのだった。

森下は「加奈子はかっこよかったけれども、どうしようもなく狂っていた」というのだった。森下は藤島を長野のとこに連れていくが、長野は何者かによってすでに殺されていた。

その頃、藤島の後輩刑事の浅井は、藤島宅にギャルの遺体があるのを見つけ、藤島と連絡を取った。 浅井と藤島はファミレスで待ち合わせをしたが、藤島は姿を見せなかった。

藤島は森下から「長野が最後に連絡を入れたのが、大宮北警察署」だと聞かされていた。 その直後に長野が殺されたことから、警察内部にも関係者がいて、何かしらの不祥事を隠そうとしているのだと見抜いたのだ。

美しさの裏側

藤島が開けたコインロッカーに入っていたのはファイルだった。辻村医師のところへ行った藤島は、そのファイルの中に入っていた写真をネタに加奈子のことを聞き出した。

辻村医師は、加奈子に「若い子が好き」という性癖を見抜かれて、利用されていたことを白状した。 加奈子は趙(ちょう)という実業家と手を組んで、売春まがいのことをしていたのだ。

加奈子は相手がいちばん言ってほしいことを言って魅了し、惹きつけてめちゃくちゃにすることに快感を覚えていた。

加奈子と関わった周囲の人々は、そんな狂気的で魅力的な加奈子に振り回され操られていた。

 

藤島が加奈子のことを探っていると、何者かによって拉致されてしまう。そして、暴力団組織の咲山のもとへ連れていかれた。

そこで藤島は加奈子が趙のお気に入りで「流出してはいけない写真を外部に持ち出し、関係者に送りつけたこと」を知った。松永は咲山に拉致されていて、藤島の目の前で殺されるのだった。

 

趙は警察の幹部連中に「性的な接待」をして、写真を撮り脅迫していたのだ。加奈子は同級生たちにクスリを勧めて、クスリに溺れさせた後に売春させ趙に協力していたのだ。

しかし、突然趙が持つ脅しのネタ写真を盗んだ加奈子は、それを客に送りつけたのだった。これがきっかけとなり加奈子は追われる身となった。

一方、趙は暗殺者の愛川に依頼し、都合の悪い人物を次々と消していった。加奈子は趙、石丸組、警察、松永らの不良グループから追われていた。

壊れる理性

加奈子の危機を感じた藤島は、交換条件として、愛川の殺害依頼を受け入れてしまう。愛川の妻を乱暴し、息子も人質に取った藤島は、愛川と連絡を取り、娘の加奈子と引き換えにしようと伝えた。

藤島は、空港の青空駐車場で愛川と待ち合わせた。趙が派遣した愛川は殺人を重ねすぎて、楽しさを覚えるようになっていた。そして、愛川は雇い主である趙をも殺してしまったのだ。

藤島と愛川が会う駐車場に浅井のパトカーも駆け付けた。浅井は愛川を殺害したが、自殺で処理しようと偽装工作を行う。藤島は愛川の車を盗んで逃亡した。

愛する娘の正体

藤島は、加奈子が中学時代の担任である東に殺されていたことを知った。 加奈子は東の娘である晶子に売春をさせていたのだ。

それに腹を立てた東は、藤島が調査を始める1週間前にドライバーで加奈子を刺して殺害したのだ。そして、東は加奈子を山に埋めた。

藤島は東を拉致し加奈子を埋めた場所に案内させた。

藤島は覚せい剤を自分に打ちながら「何年かかろうが、掘り起こせ」と言うのだった。 そして藤島は「俺の手であいつをちゃんとぶっ殺す」と言いながら、雪を掘り続けた。

『渇き』の感想

ひとりの少女に翻弄されていく人々を、儚くも刺激的に描いた作品でした。加奈子の本性が最後まで分からず、時系列もバラバラなため、理解するのが難しかったです。

 

今まで見た映画の中で、一番狂っていて予測不可能な映画でした。しかし、私は徐々に独特な『渇き』の世界観に魅了されました。

これだけ人間の悪い部分や弱い部分が、生々しく描かれている作品はめったにないと思います。 私が特に印象に残ったのは、加奈子の最期です。

多くの人を傷つけ、狂気的な魅力で翻弄する加奈子の最期は意外とあっけなく終わってしまいます。 多くの人に追われていて、父親からも殺意をむき出しにされる加奈子でしたが、売春行為をさせた子の親に殺されてしまいます。

周りの人々を巻き込み、すべてを壊した加奈子の最期は予測ができない形でした。その結末にも、『渇き』という映画の常識離れした魅力を感じられました。

『渇き』の視聴方法

『渇き』はDVDの購入やレンタル、U-NEXTなどの動画配信サービスで視聴することができます。

2020月5月現在、『渇き』を視聴できるサービスは以下の通りです。

サービス名配信状況月額料金
U-NEXT見放題1,990円
Hulu視聴不可1,026円
Amazonプライムビデオ有料レンタル500円
Netflix見放題800円
FODプレミアム見放題888円
dTV見放題500円
dアニメストア視聴不可400円
auビデオパス視聴不可562円
Paravi有料レンタル925円
NHKオンデマンド視聴不可990円
TSUTAYAプレミアム有料レンタル1,100円
ディズニーデラックス視聴不可770円
DAZN視聴不可1,750円
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