映画『日の名残り』のあらすじ・ネタバレ・感想

洋画

1993年に公開された映画。原作はノーベル文学賞を受賞したカズオ・イシグロ。

今回は、映画『日の名残り』の作品概要・あらすじ・ネタバレ・感想・視聴方法をご紹介します。

『日の名残り』の作品概要

上映日1993年
上映時間134分
制作国イギリス
監督ジェームズ・アイヴォリー
原作日の名残り(小説)
脚本ルース・プラワー・ジャブバーラ
音楽リチャード・ロビンス
出演アンソニー・ホプキンス/エマ・トンプソン/クリストファー・リーブ/ジェームズ・フォックス/ヒュー・グラント

映画『日の名残り』は1993年にカズオ・イシグロの同名の小説を映画化したものである。

アカデミー賞では、主演男優賞、主演女優賞、美術賞、衣装デザイン賞、監督賞、作曲賞、作品賞、脚本賞の8部門にノミネートされた。

『日の名残り』のあらすじ

1956年、執事のスティーヴンスはアメリカ人の主人ファラディの下で屋敷の運営がうまくいかず悩んでいた。彼はダーリントンホールという屋敷で長年執事をしていた。

スティーブンスの元に、かつての同僚ケントンから手紙が届く。ケントン(現在は結婚してミセス・ベンになっている)の手紙には、メイドの仕事に復帰したいとの旨が書かれていた。

スティーブンスは現在の主人ファラディのはからいで、彼女の住む南西イングランドのコーンウォールへの旅に出発する。

登場人物紹介

スティーブンス(アンソニー・ホプキンス)

ダーリントンホールの執事。主人がファラディに変わった後も、ダーリントンホールで働いている。

ダーリントン卿(ヒュー・グラント)

ダーリントンホールの前主人。イギリス政府のドイツに対する経済措置を緩和しようと奔走していた。

ケントン(エマ・トンプソン)

かつて、スティーブンスとともにダーリントンホールで働いており、現在は結婚しベン夫人となっている。

ファラディ(クリストファー・リーブ)

アメリカの富豪であり、現在のダーリントンホールの主人。

『日の名残り』のネタバレ

この先、『日の名残り』のストーリーを結末まで解説しています。ネタバレを含んでいるためご注意ください

老執事のスティーブンス

舞台は1950年代のイギリス。オックスフォードシャーと老執事のジェームズ・スティーブンスは、ダーリントンホールという屋敷でアメリカの富豪、ファラディに仕えていた。

ファラディは政治家でもあり、近々政界を引退して、家族をイギリスの邸宅に呼び寄せるつもりでいた。一方、スティーブンスは屋敷の人手不足に悩んでいた。

そんなある日、ケントン(現在はベン夫人)から手紙が届く。彼女は20年前、スティーブンスと同じ主人に雇われダーリントンホールで働いていたのだった。

手紙には、職場復帰したいとの旨が書かれており、スティーブンスはいい機会だと思い、彼女の住むクリーブドンへ向う。スティーブンスはかつての思い出を振り返りながら、旅に出るのであった。

ダーリントンホールでの思い出

約20年前、ケントンはスティーブンスの父と同時期にダーリントンホールに雇われた。スティーブンスは父の教えもあり、使用人に何よりも品格を求め、感情を表に出さず執事の職務に没頭することを善としていた。

はじめの頃、勝気なケントンは、スティーブンスと馬が合わず、言い争いになることが多かった。ある日、ダーリントンホールで国際会議が開かれ各国から身分の高い客人が集まる。そこには若き日のファラディも参加していた。

主にドイツの今後について話し合いが持たれ、ヨーロッパ諸国は再軍備も視野に入れたドイツとの友好関係を主張していた。しかし、そのことを危惧したファラディは出席者に対し「あなた方は皆、アマチュアだ」と言い放った。

ファラディは「道徳や思想ではなく、プロの政治家に判断を任せなければならない」と警告する。そんな中、スティーブンスの父が体調を崩し死去してしまう。仕事を抜けられないスティーブンスはケントンに父のことを頼み、悲しみに耐えながら仕事を続けるのであった。

ナチスの危険な思想

国際会議の後、ダーリントン卿の周囲には親独派の人間が集まるようになっており、その中にはナチスの関係者もいた。スティーブンスはダーリントン卿を心から尊敬していたが、その主義主張には敢えて関心を持たないようにしていた。

スティーブンスは主人の行為が間違いだと感じることはあっても、「興味をもってはいけない立場ですので」と、あえて無関心を装っていたのだ。しかし、ダーリントン卿はナチスの思想に影響されるようになり、ユダヤ人という理由だけでメイドを2人解雇してしまう。

スティーブンスからそれを聞いたケントンは激怒し、強く抗議した。「2人を解雇するなら自分も辞める」とケントンは言い出すが、帰る家もない彼女は結局辞職することは無かった。

ケントンは「自分は臆病者だ」と恥じるが、スティーブンスは「あなたはこの屋敷に必要な方です」と慰めの言葉をかける。2人はいつの間にか惹かれ合っていたのである。

ケントンとの別れ

スティーブンスは愛に関して非常に奥手な人間であり、ケントンを口説くどころか好意を示すことすら出来なかった。一方でケントンは、昔同じ職場に勤めていたベンから求婚されていた。ケントンはスティーブンスへの恋心を抱え思い悩んでしまう。

そんなとき、ダーリントンホールでは秘密の会合が開かれようとしていた。どんな客かはスティーブンスすら知らされていなかったが、その夜やってきた客は英国首相と外務大臣、そしてドイツ大使であった。

ダーリントン卿はドイツを救おうという高貴な志を持って協定を組もうとしていたが、ドイツ側はその善意を利用しようと企んでいた。主人が過ちを犯そうとしていることに気づきながらも、スティーブンスは普段通り仕事に没頭し、無関心を装っていた。

 

一方、ケントンは、スティーブンスに「ベンと結婚して町を去る」と告げる。ケントンはスティーブンスに引き止めて欲しかったのである。しかし、スティーブンスは一瞬顔色を変え動揺するが、すぐに儀礼的な祝福をして仕事に戻ってしまう。

ケントンはそんなスティーブンスの態度に憤り、泣き伏してしまう。

ケントンとの再会

昔を思い返しながら、スティーブンスはケントンのいるクリーブドンを目指していた。途中で何度かダーリントン卿について聞かれ、その度にスティーブンスは「自分は無関係だ」と嘘をつく。ダーリントン卿は戦後、ナチス擁護派の貴族として、民衆に非常に嫌われていたのである。

旅の途中、スティーブンスは宿で知り合った1人の青年にだけ、かつてダーリントン卿に仕えていたことを明かす。ダーリントン卿は亡くなる前、自分の過ちを認めていたと語り、「立派な方でした」と呟く。

 

やがて待ち合わせ場所で再会したスティーブンスとケントン。20年ぶりの再会に落ち着かない様子であったが、スティーブンスはケントンに職場復帰を提案する。しかし、スティーブンスと合う直前に娘の妊娠を知ったケントンはスティーブンスに復帰出来ないことを伝える。

再び彼女と働けるかも知れないと期待していたスティーブンスは、落胆してしまう。ケントンは「あの時、ベンと結婚したのはあなたを困らせたかったからなの」と話し、「でも、今の生活に満足しているの」と語った。

スティーブンスはケントンを見送りにバス停まで来ていた。ケントンはバスの中で泣きながらスティーブンスを見つめ、そんなケントンにスティーブンスは「さよなら!」と叫ぶ。スティーブンスがダーリントン・ホールに戻り、またいつもの生活に戻るところでこの物語は終わる。

『日の名残り』の感想

映画『日の名残り』は、ノーベル文学賞を受賞した作家、カズオ・イシグロの作品が原作となっています。

カズオ・イシグロはこの作品を執筆するにあたって、月曜から土曜の午前9時から午後10時半まで執筆以外の活動は一切せず、休憩は昼食に1時間・夕食に2時間だけしかとらなかったそうです。その徹底した仕事ぶりは、少しスティーブンスと似ているような気がします。

舞台となった時代は、第2次世界大戦から終戦後の世界であり、非常に変化の大きかった時代だと思います。そんな中でスティーブンスは、時代が変わっても執事として品格のある生き方を決して曲げようとはしませんでした。

『日の名残り』はそんなスティーブンスの生き方が、かっこよくもあり、少し切なくも見える、そんな作品でした。

『日の名残り』の視聴方法

『日の名残り』はDVDの購入やレンタル、Netflixなどの動画配信サービスで視聴することができます。

2020年5月現在、『日の名残り』を視聴できるサービスは以下の通りです。

サービス名配信状況月額料金
U-NEXT視聴不可1,990円
Hulu視聴不可1,026円
Amazonプライムビデオ有料レンタル500円
Netflix見放題800円
FODプレミアム視聴不可888円
dTV視聴不可500円
dアニメストア視聴不可400円
auビデオパス視聴不可562円
Paravi視聴不可925円
NHKオンデマンド視聴不可990円
TSUTAYAプレミアム有料レンタル1,100円
ディズニーデラックス視聴不可770円
DAZN視聴不可1,750円
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