映画『グリーンブック』のあらすじ・ネタバレ・感想

洋画

第91回アカデミー賞の作品賞を含む3部門受賞した映画『グリーンブック』。

今回は、映画『グリーンブック』の作品概要・あらすじ・ネタバレ・感想・視聴方法・受賞歴をご紹介します。

『グリーン・ブック』の作品概要

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上映日2019年3月1日
上映時間130分
制作国アメリカ合衆国
監督ピーター・ファレリー
脚本ニック・ヴァレロンガ/ブライアン・カリー/ピーター・ファレリー
音楽クリス・バワーズ
出演ヴィゴ・モーテンセン/マハーシャラ・アリ/リンダ・カーデリーニ/ディミテル・D・マリノフ/マイク・ハットン

1960年代、人種差別が色濃く残るアメリカ南部での演奏ツアーに向かった天才黒人ピアニストと、運転手兼用心棒として雇われたガサツなイタリア系アメリカ人の対照的なふたりが、旅を通して深い友情で結ばれていく感動の実話を映画化。

『グリーンブック』のあらすじ

1962年、ニューヨークの一流ナイトクラブで用心棒を務めるトニー・リップは、ガサツで無教養だが家族思いのイタリア系男性。店の改修で仕事がなくなったトニーのもとに天才黒人ピアニスト、ドクター・シャーリーの運転手の仕事が舞い込む。

トニーは黒人差別が色濃く残る南部でのシャーリーの演奏ツアーを守る役割をすることに。こうして、2人は黒人が安心して旅行するためのガイドブック “グリーンブック” を手に出発するが正反対のふたりの旅にはさまざまなトラブルが待ち受ける。

グリーンブックとは?

1936年から1966年までヴィクター・H・グリーンにより毎年出版された黒人が利用可能な施設を記した旅行ガイドブック。当時の人種隔離政策ジム・クロウ法が郡や州ごとに異なる適用をされていた南部で特に重宝された。

登場人物紹介

トニー・バレロンガ(ヴィゴ・モーテンセン)


イタリア系アメリカ人。呼び名はトニー・“リップ” 。トラブル回避能力を買われ、世界的に有名なニューヨークのナイトクラブ「コパカバーナ」に勤めている。妻ドロレスとの間に二人の息子がいる。

ドクター・ドナルド・シャーリー(マハーシャラ・アリ)


天才黒人ピアニスト。2歳の時から母親にピアノを教わり、9歳でレニングラード音楽院の生徒となり、音楽、心理学、典礼芸術の博士号を取得し、複数の言語を話す。

ドロレス・バレロンガ(リンダ・カーデリーニ)


トニーの妻。黒人を差別しない心優しい性格。夫の身を案じながら家で帰りを待つ。

[出典:https://gaga.ne.jp/greenbook/about.html]

『グリーンブック』のネタバレ

この先、『グリーンブック』のストーリーを結末まで解説しています。ネタバレを含んでいるためご注意ください

天才黒人ピアニストとの出会い

1962年、ニューヨークのナイトクラブ「コパカバーナ」で働くトニーはトラブルを事前に回避する能力を高く買われていました。しかし、クラブ改装のため、数ヶ月間仕事がなくなってしまいます。トニーはクラブの支配人から “ドクター・シャーリー” との面接を紹介されます。

シャーリーは医者(ドクター)ではなく黒人のピアニストでした。シャーリーはアメリカ南部を回る2ヶ月間のツアーの運転手兼警備員を探していたのでした。黒人の世話をするなんて考えられないトニーは「高額な報酬でなければ仕事を受けない」と言って帰ります。

しかし、次の日の朝早く、トニー宅にシャーリーから直々に電話がありました。シャーリーはトニーの妻ドロレスから承諾を得てトニーはツアーに同行することになります。さびしがるドロレスにトニーは「クリスマス・イブには必ず戻る」と伝えます。

コンサート・ツアーへ

シャーリーのレコード会社の担当者はトニーに黒人の旅行者が安全に旅行するための「グリーンブック」を渡します。一緒に演奏するオレグジョージ、トニーとシャーリーで2組に分かれて初回公演の地へ車で向かいます。

無教養で粗野な性格のトニーと芸術家気質で神経質のシャーリーは最初から衝突します。トニーはシャーリーに「荒っぽい言葉遣いを直し、洗練された行動を取れ」としつこく言われ、うんざりします。しかし、初めての公演でトニーはシャーリーの才能を目の当たりにします。

育ってきた環境も価値観も違うトニーとシャーリーでしたが、徐々に心を開いていきます。ケンタッキー州ではトニーがフライドチキンを食わず嫌いするシャーリーに無理やり食べさせます。しかし、シャーリーは初めて食べるチキンの美味しさに驚くのでした。

根強く残る人種差別

その夜、シャーリーは黒人専用の宿に、トニーは別の宿に泊まります。しかし、シャーリーは一人で飲みに行った近くのバーで白人客数人に絡まれ殴られてしまいます。それを聞いたトニーはシャーリーを救い出し、一人で外出しないよう強く注意します。

その先の地でも、シャーリーは素晴らしい演奏で観客に絶賛されるものの、ステージを下りた瞬間、差別的な扱いを受けます。ノースカロライナ州の名士の家では、シャーリーが屋敷内のトイレに入ろうとしたところを止められ外に置かれたトイレを案内されました。

黒人でも裕福な環境で育ってきたシャーリーに対し、イタリア系で労働階級であるトニーは「白人をひとくくりするな」と反発します。口論をする一方で、トニーがドロレスへ送っている手紙をシャーリーが添削します。ドロレスはシャーリーが考えたロマンチックな文章に感動します。

凸凹コンビの絆が深まる

ジョージア州での演奏後、トニーがモーテルで休息していると警察から連絡が入ります。シャーリーが白人の同性愛者と一緒にプールにいたところを警察が捕まえたのでした。トニーは警官を買収して解放してもらいますが、シャーリーはトニーの行動に憤ります。

翌日、テネシー州でトニーはたまたまイタリア系の友人に出くわします。黒人のもとで働いていることを快く思っていない友人はトニーに仕事をやめるようイタリア語で会話します。

その夜、友人のもとへ出かけようとしたトニーの前にシャーリーが現れます。シャーリーはイタリア語の会話を理解していてトニーに「辞めないでくれ」と頼みます。シャーリーは昨晩助けてくれたトニーを責めたことを謝り、トニーと和解します。

警察に捕まった夜

ルイジアナ州での演奏が終わった夜、土砂降りの中走っていたトニーとシャーリーの車を地元警察が止めます。「黒人は夜間外出禁止」という理由でふたりは強引に車から降りさせられます。トニーは人種差別的発言をした警官を思わず殴ってしまい、ふたりは留置所に入れられます。

留置所でシャーリーはケネディ大統領の弟ロバート・ケネディに電話をかけます。司法長官でもあるロバートに命令され、地元警察は顔を真っ青にしてふたりを釈放します。しかし、シャーリーは助けを求めたことを恥じ、トニーにカッとなっても我慢しろと言います。

価値観や生まれ育った環境が違うふたりは車内で言い合います。シャーリーは耐えきれず車から降りると、黒人にも白人にも受け入れられず、同性愛者であることも理解されないことの孤独を訴えます。

 

ふたりは車に戻ってグリーンブックに載っていた黒人専用ホテルで同じ部屋に泊まります。トニーはいつの間にか文章力が向上し、ドロレスへ書いた手紙をシャーリーが添削すると「完璧だ」と褒めます。

最後のクリスマス・コンサート

バーミングハムでの最終公演で、支配人に案内されたシャーリーの楽屋は物置小屋でした。トニーはオレグとジョージと一緒にレストランで待つ間に、シャーリーがツアーを決意したきっかけは6年前にこの都市で有名黒人歌手がステージ上で襲われた事件だということを聞きます。

正装したシャーリーは3人と合流しようとしますが、黒人は昔からのしきたりで店内に入れないと断られます。それに対しシャーリーは店で食事できないなら演奏は中止すると主張します。トニーはお金で説得しようとした支配人に憤って掴みかかりますが、シャーリーに止められます。

結局、ふたりは公演を中止し「オレンジ・バード」という黒人向けのクラブに入ります。店員に頼まれてシャーリーがステージのピアノを弾き始めると、店内にいた人々はその素晴らしい演奏に感動します。バンドメンバーも加わってセッションを始めるとさらに大盛り上がりするのでした。

クリスマス・イブ

ふたりは車でニューヨークへ帰りますが、吹雪による悪路で夜になってしまいました。さらに、再びパトカーに止められます。また捕まると思ったふたりでしたが、警察は車のパンクを教えに来ただけでした。親切な警察が交通整理をする間に、トニーはパンクしたタイヤをスペアタイヤに変えます。

ずっと運転していたトニーを後部座席で寝かせ、代わりにシャーリーが運転してトニーの自宅に到着します。 家族に会わせようとするトニーに対し、シャーリーは「メリー・クリスマス」とだけ伝えてひとり自宅へ帰っていきました。

トニーは2ヶ月ぶりに家族と再会し、大勢でクリスマス・パーティーを楽しみますがどこか寂しさを感じていました。するとトニーの家にシャーリーがやって来ます。トニーはシャーリーを家族に紹介します。ドロレスはシャーリーと抱き合って「手紙をありがとう」とこっそり伝えるのでした。

 

その後、シャーリーは演奏作曲を続け、トニーはニューヨークのナイトクラブ「コパカバーナ」の支配人になります。ふたりは終生深い友情で結ばれ、2013年に数ヶ月差でこの世を去りました。

『グリーンブック』の感想

イタリア系用心棒トニーと天才黒人ピアニストのシャーリーという性格も価値観も正反対のふたりが旅を通して絆を深めていくのが感動的なストーリーでした。

最初は自身も黒人を差別していたトニーが、シャーリーとの旅を通して見方を変えていく過程がよく分かりました。白人同士と黒人同士の中でも差別や偏見があった当時のアメリカの状況がわかりやすく描かれていました。

人種差別というシリアスなテーマを扱いつつも、荒っぽい性格のトニーと芸術家気質のシャーリーの凸凹コンビの道中はコミカルに描かれていて面白かったです。シャーリーが初めてフライドチキンにハマるシーンは特に印象的なシーンですね。

『グリーンブック』の視聴方法

『グリーンブック』はDVDの購入やレンタル、U-NEXT、Amazonプライムビデオなどの動画配信サービスで視聴することができます。

2020年5月現在、『グリーンブック』を視聴できるサービスは以下の通りです。

サービス名配信状況月額料金
U-NEXT有料レンタル1,990円
Hulu視聴不可1,026円
Amazonプライムビデオ有料レンタル500円
Netflix視聴不可800円
FODプレミアム有料レンタル888円
dTV有料レンタル500円
dアニメストア視聴不可400円
auビデオパス有料レンタル562円
Paravi視聴不可925円
NHKオンデマンド視聴不可990円
TSUTAYAプレミアム有料レンタル1,100円
ディズニーデラックス視聴不可770円
DAZN視聴不可1,750円
  • 見放題無料レンタル:会員であれば無料で視聴・レンタルできます。
  • 有料レンタル:会員であってもレンタル料金が発生します。
  • 視聴不可:お取り扱いがありません。

『グリーンブック』の受賞歴

映画『グリーンブック』は、2019年に第91回アカデミー章の作品賞、助演男優賞、脚本賞の3部門を受賞しました。また、アカデミー賞の前哨戦でもある第76回ゴールデングローブ賞でも最多3部門を受賞し、その他多くの章でノミネート・受賞しています。

助演男優賞をとったマハーシャラ・アリは、その2年前のアカデミー賞作品賞を受賞した映画『ムーンライト』でも助演男優賞を受賞しています。映画『ムーンライト』はキャスト全員が黒人であり、LGBTを扱った作品としても注目されました。

『グリーンブック』『ムーンライト』など人種やマイノリティに対する見方を変えていこうというメッセージ性のある映画が注目されている時代背景があるようです。