映画『市民ケーン』のあらすじ・ネタバレ・感想

洋画

映画史上「ベストワン」の古典的名作。

今回は、映画『市民ケーン』の作品概要・あらすじ・ネタバレ・感想をご紹介します。

『市民ケーン』の作品概要

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上映日1941年
上映時間119分
制作国アメリカ
監督オーソン・ウェルズ
脚本ハーマン・J・マンキーウィッツ、オーソン・ウェルズ
音楽バーナード・ハーマン
出演オーソン・ウェルズ /ジョゼフ・コットン/ルース・ウォリック/ドロシー・カミンゴア/ ジョージ・クールリス/ ウィリアム・アランド

『市民ケーン』は、実在した人物をモデルにしたことから物議をかもしたが、斬新な構成や映像表現により、映画自体は高く評価された。さまざまな映画ランキングで「世界映画史上最高傑作」とされている。アカデミー賞脚本賞を受賞。

『市民ケーン』のあらすじ

新聞王ケーンは「バラのつぼみ」という謎の言葉を遺し、他界した。新聞記者トンプソンは、さまざまな関係者の証言から、その言葉の真相を探る。徐々に実体が浮かび上がるケーンだが、謎は深まるばかり。市民ケーンとは、一体何者なのだろうか。

登場人物紹介

チャールズ・フォスター・ケーン(オーソン・ウェルズ)

新聞王。大富豪。

ジェデッドアイア・リーランド(ジョゼフ・コットン)

ケーンの同僚。

スーザン・アレクサンダー(ドロシー・カミンゴア)

ケーンの2番目の妻。

バーンステイン(エヴェレット・スローン)

ケーンの秘書。

ジェームズ・W・ゲティス(レイ・コリンズ)

ニューヨーク州知事。

『市民ケーン』のネタバレ

この先、『市民ケーン』のストーリーを結末まで解説しています。ネタバレを含んでいるためご注意ください

プロローグ:ケーンの死

巨大で荘厳な邸宅ザナドゥ城にて、新聞王チャールズ・フォスター・ケーンが亡くなった。ケーンは、新聞業界で大成功を収め、巨万の富を築いていた。

ケーンは死に際に「バラのつぼみ」という謎の言葉を遺した。ケーンのドキュメンタリー映画を製作するロールストンは、この言葉に興味を持ち、記者のトンプスンに調査をするように命令する。

①銀行家サッチャーの日記

トンプソンは、ケーンと親交のあった銀行家のサッチャーを訪ねた。サッチャーは日記を書いていて、その中のケーンに関する情報をトンプソンに開示した。以下は、その日記に書かれた内容である。

ケーンの両親は下宿屋を営んでいた。ある日、客が宿泊費の代わりに金鉱の管理書を渡した。後日、その権利書には、ばく大な価値があることを知る。ケーンに裕福な生活を送らせたかったケーンの母は、鉱山の資産運用とケーンの世話を銀行家サッチャーに委託した。

ケーンは大人になり、ばく大な資産を使い、新聞社インクワイラーを買収し、同社の経営を始めた。ケーンは読者を刺激するセンセーショナルな記事を書き、ビジネスを成功させた。

②秘書バーンステインの話

次に、トンプソンはケーンの秘書であったバーンステインを訪ねる。以下は、その話の内容である。

新聞社の経営に成功し、勢いに乗ったケーンは、やがて大統領の姪エミリー・ノートンと結婚する。これにより、ケーンに政治家への道が開かた。ケーンは、ニューヨーク州知事選挙に出馬した。ケーンは、大衆の人気を集め、選挙では有力候補だった。

バーンステインはトンプソンに、ケーンの仕事仲間であるリーランドを訪ねるように提案する。

③仕事仲間リーランドの話

トンプソンは、リーランドのもとを訪れる。以下は、その話の内容である。

ビジネスに成功し、政治の世界にも身を乗り出すケーンであったが、彼には当時スーザンという愛人がいた。ケーンのライバルであり、当時のニューヨーク知事ゲティスは、その情報を掴んだ。そして、出馬を辞退しなければ不倫を暴露すると脅した。

ケーンは、ゲティスに激怒し、要求を拒絶した。こうしてケーンの不倫はニューヨーク中に広まり、選挙には敗北した。また、それだけでなく妻と息子も、ケーンのもとを去った。

その後、ケーンは愛人のスーザンと結婚した。

④2番目の妻スーザンの話

トンプソンは、スーザンのもとを訪ねる。以下は、その話の内容である。

スーザンは歌手を目指していた。ケーンは、スーザンの夢を叶えてあげたいと思い、オペラハウスを建設した。そして、一流のボイストレーナーを雇い、環境を整えた。

しかし、トレーニングをする中で、スーザンは自分の実力の限界を悟り始める。スーザンは舞台に立つが、その歌はひどいものだった。ケーンは、自分の会社の新聞でスーザンを褒めたたえたが、リーランドだけは、スーザンの歌を酷評した。ケーンはそれに激怒し、リーランドをクビにした。

スーザンは歌手をやめたいと言うが、ケーンはそれを許さなかった。ストレスに耐えられなくなったスーザンは、鎮静剤を大量に飲み、気絶する。これを受け、さすがのケーンもスーザンの歌手引退を許した。

⑤執事レイモンドの話

スーザンとの不倫により、ニューヨークにいられなくなったケーンは、スーザンと共に豪邸ザナドゥ城に引っ越しをする。

物質的には満たされた生活だったが、ケーンとスーザンの間には愛がなく、関係は冷え切っていた。そしてついに、スーザンは「あなたの行いはすべて自分のため」と言い残し、家を出ていく。

ひとり残されたケーンは、スーザンの部屋の物を破壊していく。カバンやベッド、椅子を狂ったように破壊したケーンだが、ふと手に取ったスノーボードを見つめると、心に迷いが生じる。そして、どこかに去って行った。

この後、ケーンは孤独のまま歳を重ね、やがて亡くなった。

エピローグ:バラのつぼみ

トンプソンは取材を終え、ザナドゥ城へとやって来た。結局「バラのつぼみ」の意味はわからなかった。トンプソンは諦めて、会社に戻ろうとする。

トンプソンたちは去り、人々がケーンの遺品を燃やしていくシーンが映される。そこには、ケーンが幼い頃、サッチャーに連れて行かれる直前に遊んでいたそりもあった。そりには「バラのつぼみ」という文字が印刷されていた。

『市民ケーン』の感想

『市民ケーン』は、公開から80年が経ちましたが、映画史上最高傑作と言われ、未だに崇められています。「そんなにスゴイなら、観てみよう」と思い、鑑賞する人も多いと思います。ですが、実際観てみると拍子抜けするのではないでしょうか。

よくある構成とよくある話。「いったい、この作品の何がスゴイんだ」と思う方もいるかもしれません。『市民ケーン』のスゴさは、そこにあるんです。言うなれば、スゴくないところがスゴイんです。

作中の撮影技法やストーリー展開は、今でもさまざまな作品で活用されています。現代人は、それらの技法を見慣れているために、新しさがわかりにくいのです。しかし、歴史的に見れば、世紀の大発明です。そんな視点から鑑賞すれば、作品の魅力も理解できるのではないでしょうか。

劇中では、市民から迫害されるケーンですが、映画は高く評価され、業界に市民ケーン(市民権)を得たというわけですね。うまいことを言いました。