映画『ボーダーライン』のあらすじ・ネタバレ・感想

洋画

ここでは、人がいとも簡単に殺される。

リアルな麻薬戦争の様子を描いた、2016年公開のアクション映画。

今回は、映画『ボーダーライン』の作品概要・あらすじ・ネタバレ・感想・視聴方法をご紹介します。

『ボーダーライン』の作品概要

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コロムビアミュージックエンタテインメント
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上映日2016年
上映時間121分
制作国アメリカ
監督ドゥニ・ビルヌーブ
脚本テイラー・シェリダン
音楽ヨハン・ヨハンソン
主題歌ヨハン・ヨハンソン「The Beast」
出演エミリー・ブラント/ベニチオ・デル・トロ/ジョシュ・ブローリン/ジョン・バーンサル/ダニエル・カルーヤ/ビクター・ガーバー

FBI捜査官であるケイトは、その手腕を買われ、アメリカとメキシコの国境で行われる麻薬カルテルの殲滅(せんめつ)作戦に引き抜かれる。だが、きちんとした説明もないまま作戦に参加させられたケイトは、頻発する銃撃戦や超法規的な戦略に不信感を募らせていく。

監督は「プリズナーズ」などの有名作を世に送り出した実力派監督であり、キャストも3名の大物俳優によるトリプル主演。2016年のアカデミー賞では三部門でノミネート、2015年のカンヌ国際映画祭にも出品された本作は、アメリカの映画批評サイトで92%の高評価と、批評家から絶賛されている。

『ボーダーライン』のあらすじ

アメリカ・メキシコの国境で行われる、麻薬カルテルの撲滅作戦に抜擢(ばってき)されたFBI捜査官のケイト。そのカルテルはケイトが担当した悲惨な事件の黒幕でもあり、「本当の黒幕を捕らえられる」という言葉に、ケイトは作戦への参加を志願する。

だが、作戦を仕切っている男は得体の知れないコロンビア人。実行に際してもケイトにはほとんど説明もなく、民間人がいる場所での躊躇のない発砲など、普通であれば考えられないような手段も取られていた。ケイトは不信感を募らせ、相棒のレジーとも相談しながら自分の正義を貫こうともがく。

登場人物紹介

ケイト・メイサー(エミリー・ブラント)


敏腕FBI捜査官。芯の強い女性。

アレハンドロ(ベニチオ・デル・トロ)


謎のコロンビア人であり、元検察官。マットの相棒。

マット・グレイヴァー(ジョシュ・ブローリン)


国防総省の顧問を名乗る男。今回のカルテル撲滅作戦部隊のリーダー。

レジー・ウェイン(ダニエル・カルーヤ)

ケイトの相棒。

テッド(ジョン・バーンサル)

レジーの友人であり、地元の警察官。

[出典:https://border-line.jp/1/]

『ボーダーライン』のネタバレ

この先、『ボーダーライン』のストーリーを結末まで解説しています。ネタバレを含んでいるためご注意ください

大量の遺体、残虐な手口

FBI捜査官のケイト(エミリー・ブラント)は、相棒のレジー(ダニエル・カルーヤ)とともに、ある建物に突入する。人質を救出するために家の中を捜索し、中にいた男と撃ちあっていると、不意に壁の中に大量の遺体が埋まっていることに気がつく

合わせて30を超える遺体が、家の中には隠されていた。顔は傷だらけになり、袋で覆われている。これはソノラというカルテルと同じ手口だと、ケイトは上官から聞かされる。そんな中、外で突然の爆発が起き、警官の2人が犠牲になった。

麻薬カルテル撲滅作戦への参加

翌日、ケイトとレジーは上層部に呼び出され、会議室の前で待機させられる。会議室の中ではマット(ジョシュ・ブローリン)と上官のデイヴ(ビクター・ガーバー)をはじめとした、麻薬カルテル撲滅作戦部隊のメンバーが、ケイトとレジーの実績について話し合っていた。

ケイトのみを引き抜くことに決めたメンバー。ケイトを呼び出し、カルテルに関する知識やケイトの家族について質問すると、作戦に参加したいかどうかを問う。「事件の本当の黒幕を捕らえられる」と言うマットに、ケイトは部隊への参加を志願する。

だが、現場に向かうための飛行機に乗っている不審な男、アレハンドロ(ベニチオ・デル・トロ)や、行き先を正確に話してくれないマットに、ケイトは不信感を募らせる。

現場に到着して作戦会議に出席したケイト。そこでアレハンドロがコロンビア人の元検察官であったことが判明する。不審に思ったケイトはアレハンドロにもマットにも詰め寄るが、黙ってついてくるようにそれぞれに畳み掛けられ、納得いかないながらもついていくことを決断する。

1つめの作戦:居場所の把握

彼らの最初の作戦は、カルテルの幹部、ギレルモの確保だった。ギレルモはカルテルの親玉、マヌエル・ディアスの弟である。車で国境まで移動している間、そこら中で吊り下げられている遺体や爆発音に、ケイトは不安そうな表情を見せる。そうしている間に渋滞で車が止められてしまう。

部隊のメンバーは、近くに銃を所持しているカルテルの構成員がいることを見抜いていた。お互いに情報を渡しあいながら、先手を打って道路に飛び出し、敵に銃口を向けて制圧、一部を射殺する。困惑したケイトは車内で待機していたが、自分に銃口を向けていた地元警察に気がつき発砲した。

エル・パソに帰還したケイトは、マットに「民間人もいるところであんなに発砲するなんて」と激しく抗議する。だがマットはケイトの言葉に耳を貸さず、「俺たちはカルテルに混乱を巻き起こす」と答えた。

一方、アレハンドロは確保したギレルモを水で拷問し、ディアスの居場所を聞き出すことに成功した

 

その後、マットとアレハンドロは、ケイトの権限を使って不法入国者をリクルートする。二人は彼らから得た情報で、麻薬の密輸ルートを特定しようとしていた。

レジーの後ろ盾を得て、ケイトはようやくマットとアレハンドロから今後の作戦を聞き出す。ギレルモを拷問したという事実にケイトは顔をしかめるが、マットからどれほどの人が殺されているかを語られ、家に帰される。家に帰ったケイトは眠れない夜を過ごし、遺体の写真を見ていた。

2つめの作戦:金銭の取り上げ

部隊の次の作戦は、ディアスの口座を差し押さえることだった。彼らは資金の「洗浄屋」に目をつけ、取り押さえに成功する。ケイトは彼らの情報をもとに逮捕状を取るように訴えるが、「起訴には持ち込めない」と、マットは聞き入れない。

繰り返される法律を無視した行動に苛立ったケイトはレジーとともにデイヴの元に直訴しに行くが、デイヴは「立件できたら、街は安全になるのか」と問う。

その問いに言葉を失うケイトに、作戦が上層部によって決定されていることを暗示し、「超法規的行動を恐れているなら、気にする必要はない」と諭すデイヴ。もやもやの晴れないケイトは、レジーとともに街に飲みに出かけた。

3つめの作戦:囮

レジーとお酒を飲んでいる間に気分が晴れてくるケイトは、レジーの紹介で、彼の友人であり地元の警官のテッド(ジョン・バーンサル)と仲良くなる。一緒にダンスを踊り、そのまま家のソファーになだれ込む二人。男と遊ぶことも少なくなっていたケイトにとって、それは楽しい時間だった。

だが、ケイトはテッドの持ち物の中に、洗浄屋が資金を束ねるのに使っていたゴムバンドを見つけてしまう。顔色を変えてテッドを突き放すケイトは銃を探して発砲しようとするが、テッドに押さえつけられ、首を絞められて殺されそうになる。

しかし、どこからか入ってきたアレハンドロがテッドの頭に銃を突きつけ、ケイトは解放される。そこでケイトは、自分が囮にされていたことに気がつくのであった。

急襲

テッドを拷問し、情報を聞き出すことに成功したマットとアレハンドロは、密輸トンネルを急襲する作戦を立てる。自分たちが利用されるだけであったことに腹を立てたレジーに作戦を失敗させることを唆されるも、「最後まで見届ける」とケイトは作戦に参加することを決める。

銃声が飛び交う中、トンネルを抜けたケイトは、アレハンドロが現地の警官を脅しているところを目にする。とっさに発砲しようとしたケイトをアレハンドロは牽制(けんせい)すると、「二度と俺に銃を向けるな」と、警官を乗せて走り去って行く。

 

部隊と合流したケイトは、マットに殴りかかる。激昂するケイトをマットは取り押さえると、本当の狙いを話し始めた。

アレハンドロは、実はコロンビアのカルテルの傭兵であり、妻と娘を殺された復讐のために今回の作戦に参加していた。CIAはそれを把握した上で、彼を利用して、コロンビアのカルテルによる一党支配を確立させようとしていたのだった。

それを聞いたケイトは「私は都合の良いように黙ったりしない」と叫ぶが、マットは、「それは大きな過ちだ」と静かに言い放った。

シルヴィオの物語

アレハンドロに捕らえられた警官は、シルヴィオと名乗った。

シルヴィオは、ごく普通の家庭を持つ地元の警官だ。休日に寝坊すると息子が起こしに来て、コーヒーと卵を食べさせにくる。日々疲れているが、サッカーをやろうとせがむ息子に応え、休みの日は一緒にサッカーに出かけていた。

シルヴィオの帰りが遅い日、息子は母親にシルヴィオの帰りについて尋ねる。「パパはどこ?」「いつ帰るの?」という質問に、母親は「わからない」と答えていた。

ある日、シルヴィオの息子はためらいがちにシルヴィオを起こしにくる。いつもよりも少し特別な朝食を持ってくると、シルヴィオはそれを受け取って食べ始めた。「サッカーしたい」とせがむ息子にシルヴィオは頷くが、息子があるものに手を伸ばそうとすると、剣幕を変えて怒るのだった。

アレハンドロの復讐

アレハンドロはシルヴィオを脅してパトカーを運転させ、ディアスの車を追いかける。そのままシルヴィオの声で「降りろ」と言わせると、降りたディアスに銃を捨てさせ、シルヴィオのこともパトカーから下ろす。

黙って近づいてくるシルヴィオに、警戒心なく近づいてくるディアス。ディアスがシルヴィオに話しかけたタイミングで、アレハンドロはシルヴィオを射殺、ディアスを拘束して、麻薬王のファウスト・アラルコンのもとに運転させる

門にたどり着くと、アレハンドロはそのままディアスと門番を射殺して屋敷に潜り込み、夕食を食べているアラルコン一家を発見する。アラルコンと会話をするうちに、アレハンドロの妻と娘を殺すよう命じたのがアラルコンだとわかったアレハンドロは、一家全員を射殺した

エンディング

ベランダでタバコを吸っていると、ケイトは部屋に突如現れたアレハンドロに呼び出される。「作戦はすべて法規に準じたものだ」ということを誓う書類にサインさせられそうになるケイトは、一度はそれを拒否した。

だが、アレハンドロに喉元に銃を突きつけられるケイト。繰り返すやり取りの末に、書類にサインしたケイトに、アレハンドロは「法秩序が残っている小さな街に行くといい、ここでは君は生きていけない」という言葉を残し、銃を分解する。

アレハンドロが外に出ると、ケイトはすぐに銃を組み立てる。外を歩いているアレハンドロを発砲しようと銃を構えるが、振り返ってケイトをただ見上げるアレハンドロに、ケイトはついに発砲することができずに銃を下ろした

 

シルヴィオの息子は、帰ってこない父親のベッドの上に座っていた。いつものようにサッカーに出かけ、友達たちと遊ぶ。サッカーの試合の最中には激しい銃撃戦の音が聞こえたが、子供たちは一瞬動きを止めると、何事もなかったかのように試合を再開した。

『ボーダーライン』の感想

本作で一番印象的なのは、やはり臨場感の強さでしょう。冒頭から目まぐるしく展開される派手なアクションに、目が釘付けになります。ケイトの実際の視界に近いカットが度々挟まれる効果で、自分が現場にいるかのように感じて思わず目を覆ってしまうこともありました。

ケイトとアレハンドロのどちらにでも感情移入できるような構成も見事です。正義感の強いケイトが、目の前で行われる違法行為に抱える葛藤に心臓が締め付けられながらも、アレハンドロの置かれた境遇や目に映る感情にも胸をわし掴みにされます。

それに対し、もう一人の主演、マットは、2人とは対照的に常に余裕を見せているキャラクターです。ケイトとアレハンドロの間で視聴者自身も葛藤を抱えるたびに、マットが一歩引いて理性的に登場することで、落ち着いて続きを見ることができる。3人の役柄のバランスの取り方が素晴らしいです。

 

そしてもう一つの見どころが、ケイトとアレハンドロの関係性ではないでしょうか。2人は度々対立しますが、その中で、相手に対してどこかしらほんの少しの隙を見せているようにも感じます。一言で形容できない2人の間の複雑さは、最後のシーンに余すところなく描かれています。

多くの批評家を唸らせてきた本作、ぜひご覧ください。

『ボーダーライン』の視聴方法

『ボーダーライン』はDVDの購入やレンタル、 U-NEXTやAmazonプライムビデオなどの動画配信サービスで視聴することができます。

2020年6月現在、『ボーダーライン』を視聴できるサービスは以下の通りです。

サービス名配信状況月額料金
U-NEXT見放題1,990円
Hulu視聴不可1,026円
Amazonプライムビデオ見放題500円
Netflix見放題800円
FODプレミアム視聴不可888円
dTV見放題500円
dアニメストア視聴不可400円
auビデオパス有料レンタル562円
Paravi見放題925円
NHKオンデマンド視聴不可990円
TSUTAYAプレミアム有料レンタル1,100円
ディズニーデラックス視聴不可770円
DAZN視聴不可1,750円
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