一組のゲイカップルがダウン症の少年と暮らすために差別や偏見に立ち向かった感動作の映画『チョコレートドーナツ』。
今回は、映画『チョコレートドーナツ』の作品概要・あらすじ・ネタバレ・感想・視聴方法をご紹介します。
このページの目次
『チョコレートドーナツ』の作品概要
上映日 | 2014年4月19日 |
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上映時間 | 97分 |
制作国 | アメリカ合衆国 |
監督 | トラヴィス・ファイン |
脚本 | トラヴィス・ファイン/ジョージ・アーサー・ブルーム |
音楽 | ジョーイ・ニューマン |
出演 | アラン・カミング/ギャレット・ディラハント/アイザック・レイヴァ/フランシス・フィッシャー/ジェイミー・アン・オールマン |
舞台は1970年代のアメリカ。同性愛者への理解が今よりも乏しかった頃、一組のゲイ・カップルが、育児放棄されたダウン症の少年と家族としての愛情を育んでいくさまと、少年を守るため理不尽な差別や偏見に対して立ち上がる姿を描く。実話を基にした感動のヒューマン・ドラマ。
『チョコレートドーナツ』のあらすじ
1979年、アメリカ。ゲイのルディはシンガーを夢見ながらも、口パクで踊るショーダンサーとして働いていた。ある日、ゲイであることを隠して生きる検察官のポールがルディに一目惚れ、ふたりはたちまち恋に落ちる。
一方で、ルディはアパートの隣に暮らすダウン症の少年、マルコと出会う。母親は薬物依存症で、マルコの世話もまともにしていなかった。母親は薬物所持で逮捕され、マルコは施設行きに。見かねたルディとポールはマルコを引き取り、面倒を見ることになる。
登場人物紹介
ルディ・ドナテロ(アラン・カミング)
ナイトクラブで働くゲイのショーダンサー。シンガーになることを夢見ながら日銭を稼ぐ。
ポール・フラガー(ギャレット・ディラハント)
ゲイであることを隠して生きてきた検察官。ナイトクラブで出会ったルディに一目惚れする。
マルコ・ディレオン(アイザック・レイヴァ)
ルディと同じ階に住むダウン症の男の子。チョコレートドーナツとハッピーエンドの話が好き。
マイヤーソン判事(フランシス・フィッシャー)
ルディとポールがマルコの面倒を見る監護者としてふさわしいか見定める判事。
マリアンナ・ディレオン(ジェイミー・アン・オールマン)
マルコの母。薬物依存症で、マルコの世話を放棄している。
[出典:公式サイト]
『チョコレートドーナツ』のネタバレ
マルコとの出会い

1979年、カリフォルニア。ポールはナイトクラブで働くショーダンサーのルディと出会う。ふたりはすぐに惹かれ合い、たちまち恋に落ちた。
ルディが暮らすアパートの隣にはダウン症の子ども・マルコが住んでいた。ある夜、大音量で音楽をかけっぱなしのまま、マルコを残して薬物依存症の母親マリアンナは男と出かけてしまう。
翌朝、ルディが騒音を注意しに乗り込んだ部屋には、小さくうずくまり母親の帰りを待つマルコがいた。
ルディはポールに助言をもらおうと、ポールが働く検事局へ向かう。しかし、ポールはルディとの関係を職場の人間に知られたくなかった。「家庭局に連絡して施設に預けろ」とルディを追い返す。
失望したルディがアパートへ戻ると、マルコの母親は薬物所持で逮捕されていた。そして、マルコはお気に入りの人形・アシュリーを抱きしめたまま、強制的に施設に連れて行かれる。
3人で暮らし始める

翌日、ポールはルディと再会し、昨日の言葉を詫びる。ルディはシンガーを目指していること、ポールは法律を学んで世界へ変えようとこの街へ来たことを語り合う。それぞれ歩んできた人生を打ち明け、ふたりはさらに深い結び付きを確信する。
その帰り道、夜の街をひとりさまよい歩くマルコがいた。施設から抜け出し、家へ戻ろうとしていたのだ。ルディは「薬物依存症の母親もダウン症に生まれたこともマルコのせいじゃない」と憤る。
ルディはマルコを合法的に引き取るためマリアンナから監護権の署名をもらう。ルディとポールは “いとこ”だと関係を偽って監護権の審問に通過。ポールの家で3人は一緒に暮らし始める。マルコは初めてできた自分の部屋に嬉しさのあまり涙を流す。
マルコは14歳にして初めて学校へ通い始めた。ポールはマルコの宿題を手伝い、ルディは毎朝朝食を作り、眠る前にはハッピーエンドの話を聞かせる。まるで本当の両親のように、ふたりはマルコを愛し、大切に育てた。
ポールはルディにテープレコーダーをプレゼントする。ルディはそのレコーダーで作ったデモテープをマルコと一緒におまじないをかけて発送した。
幸せな日々の終わり

3人で暮らし始めて約1年が経ったある日、ポールとルディがゲイのカップルであることが周囲に知られてしまう。ふたりの関係を偽ったことが原因で、マルコは家庭局に連行され、ポールは仕事を解雇されてしまう。
ルディとポールは立ちはだかる社会の差別や偏見に絶望した。しかし「今こそ法律で世界を変えるチャンスだ」というルディの言葉を聞き、ポールは法律を学び始めた頃の情熱を取り戻す。ふたりはマルコを取り戻すため審理の申し立てをする。
ルディは監護権を持つためにショーダンサーの仕事を辞めた。ポールとルディ、マルコはそれぞれ家庭調査員のヒアリングに応じる。
マリアンナの弁護士ランバートは偏見にまみれた質問を繰り返すも、マルコの学校の先生、家庭調査員、ルディの元同僚が証人としてルディとポールを支持する。
一時は不利と思われた状況も、好意的な証言によってふたりが監護権を持つにふさわしいと認められるかと思われた。しかし、ふたりの関係性がマルコに悪影響を及ぼすと受け取られ、マイヤーソン判事は監護権を認めない判決を下した。
裁判の行方

ルディとマルコ、ポールは3人で暮らすことがかなわず悲しみに暮れる。そんな中、ルディのデモテープがあるクラブのオーナーの目に止まり、ルディはシンガーとしての夢をつかむ。
ポールは腕のいいと評判の黒人弁護士ロニーに控訴の協力を求めた。難しい裁判だと分かっていながらもロニーはふたりの熱意に負け、引き受けることにした。
控訴の担当となったリチャード判事は、審理が本格的に始まる前に、施設に預けられたマルコとの面会の許可する。
こうして、ルディとポール、マルコは30分間だけ再会を果たす。施設に預けられたマルコはろくな扱いを受けておらず、ルディは悔しさをにじませる。
いよいよ審理の日を迎える。しかし、審理が始まってまもなく控訴は棄却された。出所が早まったマリアンナが監護権の回復を申し立てたのだ。
裏で取引していたのはポールが働いていた検事局の元上司ウィルソンだった。マルコは母親のもとへ戻されることとなった。
悲しい結末
母親から子どもを取り返すことはできない。マルコへの接触禁止令も出された。ロニーの奮闘もむなしく、ルディとポールはマルコとの関係を完全に引き裂かれたのだ。
一方で、仮釈放されたマリアンナの薬物依存は治っていなかった。マリアンナが薬物を使用し、男と寝ている間にマルコは外の廊下で待たされる。マルコは、ルディとポールたちがいる本当の家を探してひとり夜の街をさまよい歩く。
それからしばらくして、ポールは裁判に関わった弁護士や判事、元上司のもとへ小さな新聞記事を同封した手紙を送る。その記事は橋の下でダウン症の男の子が死亡しているのが発見されたというものだった。
マルコは3日間家を探して街をさまよい歩き、ひとり亡くなったのだ。ハッピーエンドが好きな男の子の最後は皮肉にも悲しい結末だった。
歌手となったルディはステージで、愛する我が子を引き裂かれた怒りと悲しみを歌い上げるのだった。
『チョコレートドーナツ』の感想
社会からはみ出したルディ、ポール、マルコのいびつだけど幸せな関係を築いていく姿がとても心温まりました。それを見ていたがゆえに、残酷な悲しすぎるラストに胸が詰まります。
社会的マイノリティへの差別や偏見が現在よりも酷かった頃、ルディとポールがマルコを守るために法や制度に立ち向う姿に感動しました。血縁を超えた家族の在り方も描かれていて考えさせられる部分が多かったです。
主演のアラン・カミング演じるルディの女性らしい視線や仕草が特に素晴らしかったです。全身から溢れ出る思いを歌に乗せて表現するラストは圧巻です。
『チョコレートドーナツ』の視聴方法
『チョコレートドーナツ』はDVDの購入やレンタル、U-NEXT、Amazonプライムビデオ、Netflixなどの動画配信サービスで視聴することができます。
2020年6月現在、『チョコレートドーナツ』を視聴できるサービスは以下の通りです。
サービス名 | 配信状況 | 月額料金 |
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U-NEXT | 見放題 | 1,990円 |
Hulu | 視聴不可 | 1,026円 |
Amazonプライムビデオ | 見放題 | 500円 |
Netflix | 見放題 | 800円 |
FODプレミアム | 視聴不可 | 888円 |
dTV | 見放題 | 500円 |
dアニメストア | 視聴不可 | 400円 |
TELASA | 視聴不可 | 562円 |
Paravi | 視聴不可 | 925円 |
NHKオンデマンド | 視聴不可 | 990円 |
TSUTAYAプレミアム | 有料レンタル | 1,100円 |
Disney+ | 視聴不可 | 770円 |
DAZN | 視聴不可 | 1,750円 |
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