映画『暗黒女子』のあらすじ・ネタバレ・感想

邦画

2017年4月1日公開の日本映画。読んでイヤな気持ちになるミステリー「イヤミス」というジャンルで人気となった秋吉理香子の小説を映画化。

今回は、映画『暗黒女子』の作品概要・あらすじ・ネタバレ・感想・視聴方法をご紹介します。

『暗黒女子』の作品概要

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上映日2017年4月1日
上映時間105分
制作国日本
監督耶雲哉治
原作秋吉理香子「暗黒女子」
脚本岡田麿里
音楽山下宏明
主題歌Charisma.com「#hashdark」
出演清水富美加/飯豊まりえ/清野菜名/玉城ティナ/小島梨里杏/平祐奈/升毅/千葉雄大

ある生徒の謎めいた死で動揺が広がる女子校を舞台に繰り広げられるミステリー。秋吉理香子のミステリー小説である「暗黒女子」は、双葉社の「小説推理」において、2012年12月号から2013年3月号まで連載されていた人気作品だ。

いつみを殺した者がいると疑われる文学サークルの面々が、犯人を告発する物語を朗読会で発表するさまが描かれている。人を疑い自分を守る人間の弱い部分がリアルに描かれ、刺激的な演出も見どころとなっている。

『暗黒女子』のあらすじ

名門セレブ女子高である聖母マリア女子高等学院で学園1の人気を誇るカリスマの白石いつみが謎の死を遂げた。

次第に白石いつみが主宰していたサークルの中に、彼女を殺した犯人がいると学園内では嫌な噂が流れ始めた。いつみの親友である澄川小百合は、サークルの会長を引き継ぐこととなった。

1学期最後の定例会を迎え、文学サークルでは学期途中で死んだサークルの会長いつみの死をテーマにメンバーが小説を読むこととなった。そこで明かされる衝撃の真実とは。

登場人物紹介

澄川小百合(清水富美加)


聖母女子高等学院3年生。文学サークルの副会長だったが、いつみの死後に会長を引き継いだ。

白石いつみ(飯豊まりえ)


聖母女子高等学院3年生。聖母女子高等学院の経営者の娘で、文学サークルの会長を務めていた。カリスマ性と完璧な美貌を持ち、他の生徒たちから憧れられる存在だった。

高岡志夜(清野菜名)


聖母女子高等学院2年生。フランスからの帰国子女。中学2年生の時に執筆したライトノベル「君影草」で作家デビューした。

ディアナ・デチェヴァ(玉城ティナ)


ブルガリアからの留学生。いつみが一年生の頃、ブルガリアに短期留学していた時にいつみと知り合い、好意を抱く。

小南あかね(小島梨里杏)


聖母女子高等学院2年生。料亭「こみなみ」の娘であるが、本人は洋食やスイーツ作りに興味を持っている。

二谷美礼(平祐奈)


聖母女子高等学院1年生。実家は貧乏だが奨学金により聖母女子高等学院に入学した。いつみの勧めでいつみの弟の家庭教師のアルバイトをしていた。

北条先生(千葉雄大)


聖母女子高等学院の教師。

いつみの父親(升毅)

いつみの父親であり、経営者。

[出典:https://www.youtube.com/watch?v=BiIYIb3PKd4]

『暗黒女子』のネタバレ

この先、『暗黒女子』のストーリーを結末まで解説しています。ネタバレを含んでいるためご注意ください

誰もの憧れ


白石いつみは学院の皆から憧れ、慕われる存在だった。しかし、いつみは1学期に屋上テラスから謎の転落死を遂げた。そして、その手には意味深にスズランの花が握られていた。

やがて文学サークルの中の誰かが、いつみを殺したのではないかという噂が学院内で流れだした。いつみに代わってサークルの会長となった澄川小百合は、彼女の死をテーマにした自作の朗読会を開催した。

澄川小百合は「順番に自作の小説を朗読してもらいます」と告げ、白石いつみの死をテーマにした自作の朗読会が始まった。

小説「太陽のような人」


1年A組二谷美礼は朗読小説に「太陽のような人」という題をつけた。そこから小説を朗読し始めた。

美礼は昔から聖母マリア女子学院に憧れを持っていた。美礼は猛勉強し、聖母女子高等学院に特待生として入学した。しかし、金持ちだらけのクラスメイトの中に美礼の居場所はなかった。そんな中、美礼の憧れは経営者の娘である白石いつみだった。

いつみにはいつも小百合が寄り添っていて、美礼は「いつみが太陽ならば、小百合は月のような存在だ」と感じていた。ある日、屋上にいる美礼に憧れのいつみが話しかけ、文学サークルに誘った。有頂天になった美礼は、素敵な文学サークルに魅了されていった。

そこにはゲランのミュゲの新作香水を身にまとう志夜や、マドレーヌを作るあかねがおり、美礼にとって優雅で夢のような世界が広がっていた。

 

いつみの分のマドレーヌをもらった美礼は、慣れないラム酒に酔ってトイレで吐いてしまうこともあったという。文学サークルの顧問は北条先生という、眼鏡をかけた若い男性教師だった。

文学サークルは女性だけであったが、谷崎潤一郎「癇癪老人日記(ふうてんろうじんにっき)」を読んで感想を言い合う際にも、男性器という言葉を躊躇わずに口にするほど自由だった。部屋にいた北条先生が思わず部屋を出ていってしまうほどだった。

美礼は特待生として入学したものの、家が貧しくアルバイトをしなければならなかった。

アルバイトは学校では禁止されているため、美礼はいつみに相談したのだ。するといつみは「白石家の家庭教師ならば許される」と言い自分の家から離れた妹の家庭教師を紹介してくれた。美礼は小学低学年の妹の家庭教師をすることになった。

いつみの優しさ


いつみの家は豪邸で、いつみと学院経営者の父と妹の3人で暮らしだった。そして、美礼以外にもう1人いつみの家に出入りしている者がいた。それは中学で作家デビューを果たした志夜だった。

いつみは「君影草」を英語に翻訳することに力を入れていたため、志夜がいつみの家を出入りしていたのだった。

いつみは高額のアルバイト代を美礼に渡した。美礼は申し訳なさそうにアルバイトをやめようとした。しかし、いつみは「もっと貧しい人にお返しをしてあげて」と言いお金を渡した。

そこで美礼はいつみに迷惑をかけれないと思い、お年寄りをケアするボランティアを始めた。病院に行き足腰の悪いご老人を外に連れ出す業務を行っていた。

美礼の疑いの目


ある日美礼は、いつみが父に連れられて車で立ち去るのを目撃した。その後いつみは、表向きでは肺炎で入院したことになり姿を見せなくなった。

しばらくして美礼は、家で見かけたいつみに話しかけると、いつみは「殺したい人物がいる」と美礼に打ち明けた。いつみが言うには、いつみの父がある生徒に誘惑されたらしい。その生徒は学院の刺繍が入ったゲランの香水のかおりがする白いハンカチを持っていたという。

それはまだ市販されておらず、使っているのは志夜だけだった。美礼に父を誘惑している相手は志夜だと告げたいつみは、このことは内緒するようにと伝えた。

その頃、学院では春のイースターとペンテコステ(聖霊降臨日)を一緒に祝う学園祭が開催された。その日、いつみの父と志夜が親しげに寄り添っているのをいつみが睨んでいるところを、美礼がちょうど目撃してしまった。

 

美礼が「いつみが苦しむのを見ていられない」と言うと、いつみは自分の髪につけていたバレッタを美礼に渡した。そしてバレッタを美礼の髪に留めながら「これを私だと思って、ずっと持っていてちょうだいね」と言うのだった。

その後、いつみは花壇から転落死してしまった。美礼はいつみはスズランを手に持っていたことから、香水の香りのゲランを意味していると推測し、いつみを死に追いやった犯人は高岡志夜ではないかと疑うのだった。

美礼の朗読が終わったのを確認し、小百合はスズランの別名は「君影草」だとも指摘した。

小説「マカロナージュ」


それに続いて小百合は次にあかねを指名した。2年B組小南あかねは朗読小説に「マカロナージュ」という題をつけた。

あかねは最初いつみのことが苦手で嫌っていた。「華やかすぎるのは品がない」と思っているあかねにとって、いつみの華やかさは下品であるとどこかで感じていた。

あかねの父は料亭「こみなみ」の3代目であり、店を継ぐのは兄と決まっていた。あかねはそのことに反発し洋食を食べる生活を送っていた。あかねは将来、自分で洋食屋を開きたいと考えており、日ごろから独自のレシピをノートに書きつけていた。

ある日、あかねの感想文が北条先生から褒められた後、いつみがあかねに話しかけ、文学サークルに誘った。

ある日起こった悲劇


あかねはサークルにキッチンがあるということに惹かれた。サークルの様子を見に行くと、嫌いだと思って避けていたいつみはとても朗らかで気さくな人だった。すっかり心を許したあかねはいつみに秘密を打ち解けた。

その日、家に帰るとあかねの父の料亭「こみなみ」が燃えていた。店が定休日だったため、死者はいなかったが火元は厨房ではなく放火の疑いが強かった。いつみはあかねに「力になれないか」と言ってサークルへ入会させ、文学サロンのキッチンを使えるようにした。

あかねは毎回のサークルで洋食スイーツを作るのを楽しみに感じていた。ある日、いつみが暗い顔をしていたため、あかねは話を聞くこととなった。

 

いつみはあかねに「新入生の美礼がいつみの家で家庭教師をしているが、美礼が来ると家から物がなくなる」と打ち明けた。徐々にいつみはそのことを1人で塞ぎこむようになった。

そして学園祭の日の夜、サークル部屋にいつみがいた。いつみはあかねに「亡き祖母が特注してくれたスズランのバレッタがなくなった」と言いだし、疑いの目を美礼に向けていた。いつみは美礼に「翌日の放課後に屋上のテラスへと来て欲しい」という内容の手紙を書いた。

しかしその後、転落事件が起きていつみは死んでしまった。いつみが持っていたスズランはバレッタをさしていて、犯人は美礼ではないかと疑った。

小説「女神の祈り」


小百合は次にディアナを指名した。留学生のディアナ・デチェヴァは朗読小説に「女神の祈り」という題をつけた。

ディアナには双子の姉のエマがいた。ブルガリアに住むエマとディアナのところへ、ある夏にいつみがホームステイにやってきた。ディアナの亡くなった母は日本人だったため、いつみとの言葉の壁はなく2人はすぐに打ち解けていった。

いつみは初めて会った時、湖を前にその場で着ていた服を脱いで自ら水へ飛び込んでいった。いつみのその姿を見て、ディアナはまるでヴィーナスのような女性と思った。ホームステイの期間はあっという間に過ぎ、別れの際にディアナはいつみから人形をもらった。

日本に帰国したいつみは、今度はに母校にディアナたちを留学生として招待したのだった。しかし、定員枠は1名だったため、ディアナは姉のエマに留学を譲ったという。ところがエマはツアーガイドで行った世界遺産のネセバルで誤って階段から落ち、日本へ行くことができなったのだ。

あかねへの疑い


ディアナはエマの代わりに日本へ留学へ行くこととなった。しかし、ディアナは慣れない日本での生活に戸惑っていた。そんな時にいつみがディアナに声をかけ、文学サークルに誘ったのだ。

文学サークルの調理室には、左腕に四つの斑点のような火傷を持つあかねがいた。あかねは自宅が火事に遭い夢を失ったことを打ち明けた。いつみはそんなあかねの痣を見て「スズランのようね」と言うのだった。

間もなくして、いつみは体調を崩し始めた。ディアナはいつみのために、ブルガリアのローズオイルで毎日のようにマッサージをした。しかし、いつみの体調は徐々に悪化していった。

学園祭の日、いつみは15万円の売り上げを貧しい国の子どもたちに寄付したいと言い「卒業したらサークルの解体を考えている」とディアナに打ち明けた。しかし、話の途中であかねがやってきて否定的な態度をとったのだった。

 

あかねにとっては自宅が焼けて夢がなくなった今、文学サロンは自分の料理の腕を振るうチャンスであり自分の居場所だったのだ。

学園祭の打ちあげであかねはサークルメンバーに「ヴィーナスの乳首」という名のお菓子を作った。その日、各席に配られた「ヴィーナスの乳首」はいつみのものが大きいと話題になったのだ。

ディアナは以前、美礼がいつみの分のマドレーヌをもらって吐いたという話を聞いていたため、あかねがいつみの食べ物に毒を盛っているのではないかと疑っていた。ディアナはブルガリア語で咄嗟に「決して許しはしない」と言い、その場ではおまじないであるとごまかした。

しかしその翌日、いつみは屋上から落ちて死んでしまった。いつみが死んだとき両手に持っていたスズランは、火傷の痕を意味していると言いディアナはあかねが犯人だと伝えた。

小説「紅い花」


次に小百合は作家デビューを果たした志夜を指名した。2年C組の高岡志夜は朗読小説に「紅い花」という題をつけた。

志夜が作家デビューを果たしたのは、中学3年の時だった。いつみは志夜が「君影草」という作品でデビューしたと知り、文学サークルに声をかけた。いつみに声をかけられたことが嬉しく、いつみの父の後押しも受け志夜は文学サークルに加入した。

その時に、志夜はいつみから香水をプレゼントしてもらった。志夜は翻訳より次の作品に力を入れたいと思っていたのだが、いつみは半ば強引に志夜に「君影草」の翻訳を勧めるのだった。

そんな時、ディアナが留学生として学園へやってきた。最初に志夜がディアナを見た時、本の中のラミアー(ギリシア神話ならびにブルガリアの民話に出てくる怪物)にそっくりだと感じ、恐怖を覚えたというのだ。

ディアナへの疑い


ある日、志夜はディアナが故郷の花だと言ってスズランを植えているのを目撃した。志夜は案外ディアナはいい子なのかと思うと同時に、計算高いと感じてしまった。なぜなら、留学生であるディアナがいい影響を学院に与えれば、来年以降も村からの留学生が招待されるからだ。

いつみが以前「もう留学生を呼ばない」と言っていたことを志夜は思い出し、ディアナを疑い始めた。ある日の夜、志夜は歩いていると偶然ディアナが人形を木に押し当てナイフで刺し「エロイム、エッサイム」と悪魔召喚の呪文を唱えているのを目撃した。

その頃からいつみは胸が苦しいと訴え、志夜はディアナがいつみを恨んでいるのだと確信した。学園祭の頃になるといつみは「聖堂には行けない、恐ろしい」と言い出すのだった。

翌日、花壇に倒れたいつみの姿が発見された。スズランの花だけでなく、首には2つの紅の花が咲いていたのだという。その血の痕こそが吸血鬼ラミアーを連想させ、スズランはディアナの故郷の花であることもあり志夜はディアナを犯人であると主張した。

いつみの裏の顔


最後に小百合の小説を読み上げる番になった。ここで小百合は「読む小説は小百合が書いたものではなく、いつみ本人のもの」と言い出した。文学サークルのメンバーは驚きを隠せなかった。

3年A組の白石いつみは朗読小説に「死者のつぶやき」という題をつけた。いつみの代わりに小百合が朗読した。

自分が主役でない小説はつまらないと、いつみは常に考えていた。ブルガリアへホームステイに行った際に、いつみは北条先生と肉体関係を持った。それから2人は教師と生徒という禁断の関係になってしまった。いつみは大親友である小百合には、いままで全てのことを話していた。

その頃いつみは、自分が徐々に枯れていくのを感じていた。そして、いつみは北条先生との密会の場を設けるために文学サロンを作った。文学サロンはいつみにとって北条先生との愛を育てる場所とななっていった。

主役と脇役


幸せな日々を送る中で、いつみは何かが足りないと思うようになった。それは文学サロンを舞台にして、いつみを主役とした時に必要とされる「脇役」の存在だった。美しい高校生活を文学作品として仕上げるため、いつみを主役として引き立たせるレベルが高い脇役が必要だった。

 

そこでいつみは、脇役を自分自身に屈服させるためにそれぞれの「秘密」を握った。最初に用意したのは志夜だった。いつみが「志夜のデビュー作である君影草がフランスの古い作品に似ている」と言うと志夜はサークルの会員になった。

次はあかねの秘密を握った。店を継ぐことができないコンプレックスであかねは自分の家である料亭「こみなみ」に放火していた。その時に、左の腕に火傷を負ったのだった。いつみは、そのあかねの火傷の痕を指摘し脅して、文学サークルに引き入れた。

さらにいつみは、美礼が学校に黙ってアルバイトしていることを突き止めた。そして美礼が病院のご老人にボランティアをしている事を装い、男性の老人に性的な奉仕をしていることを突き止め、それを脅しの材料とし文学サークルに招待した。

ディアナはいつみに会いたいがために、姉のエマを階段から突き落としていた。いつみはそれを脅しの材料にして、文学サークルへと入部させた。

作られた文学サークル

いつみはこうして4人の女子生徒を脅し、自分に屈服させることで、自分が主役の北条先生とのロマンスが盛り上がると考えていた。クライマックスは北条先生とのラブストーリーにしようと思ったいつみは妊娠を報告し、北条先生と結婚しようと考えていた。

中絶できない時期まで待って話せば、父は結婚を認めざるをえないだろうといつみは考えていたのだ。赤ちゃんの名前は「すずらん」にしようと北条先生が決めた。そして、いつみが体調が悪かったのは妊娠によるつわりのためで、小百合ももちろんいつみの妊娠のことを知っていた。

 

しかしある日、いつみの父は北条先生といつみの密会写真とエコー写真を持ち、いつみに怒りをぶつけた。父は北条先生をクビにし町から追い出した。そして、いつみは父に強引に車へ入れられ、父の経営する病院で中絶手術を受けるのだった。

ブルガリアでの密会写真を撮影できたのはディアナであり、つわりによる食の好みの変化に気付けたのはあかね。エコー写真を手に入れたのは、ボランティアで病院に簡単に入れる美礼で、いつみの父親に密告したのは志夜しかいない。

いつみは文学サークルのメンバー4人により、陥れられたと思ったのだった。

いつみの決断


いつみは北条先生との赤ちゃんを中絶したことで、文学サークル4人への復讐が生きる喜びとなった。学園祭の翌日、4人を屋上へ呼び出したいつみは、自分でスズランを手に持ち、彼女たちの目の前で投身自殺をした。

小百合はその後、学園内で「いつみを殺したのは、文学サークルのメンバーだ」という噂を流し、自作小説のテーマを「いつみの死」にした。そうすればみんな必死でスズランの意味を探し、誰かを疑った小説に仕立て上げるだろうといつみは考えた。

「スズラン」がいつみから生まれてくる赤ん坊を意味していることなど、誰も知らないからだ。しかし、いつみは実際に死ぬつもりはなく北条先生と駆け落ちするつもりだった。

そして、親友の小百合が「いつみの机に花を飾る」という行為によって、学園内ではいつみが死んだという噂がながれだしたのだ。

いつみは4人の女子生徒が定例会をした際に、強い毒を持つスズランを食べて集団で自決を行うことを望んでいた。そして、その日に用意され4人が食べていたものはスズラン入りの鍋だった。

「4人が死ぬことで小説の意図はそのまま遺書になり、このサロンが女子生徒たちの棺になる」これがいつみの考えたクライマックスだった。それをいつみはこっそりと、部屋のどこかに隠れて見ていたいと考えていたという。

いつみの小説の終盤でいつみが死んでいないことが明らかになり、文学サークルの4人の部員は怯え部屋を見渡した。そして、いつみの小説を読み終えた小百合は、突然に笑みを浮かべだした。

知られざる真実


小百合は、「いつみが4人の女子生徒の最期を見届けにサロンに来たところまでは事実である」と言い出した。そして真実を話し始めたのだ。小百合はいつみの1番の親友であり、1番の信奉者でもあった。小百合はいつみが非情でしたたかで美しいことを喜び、自分の憧れを重ねていた。

しかし、小百合が憧れていた非常で美しいいつみは、平凡な女になりさがろうとしていた。北条先生と駆け落ちしたいつみは左手の薬指に指輪をはめ、北条先生とのささやかな暮らしを語り始めた。

そこには小百合が憧れた美しいいつみの姿は1ミリもなく、小百合は呆れ果て幻滅したのだった。いつみにお茶を出すために席を立った小百合は、鏡を見て自分も十分美しいことに気づいた。

小百合は迷わず、強い毒を持つスズランの花をお茶に混ぜていつみを殺した。いつみは小百合が望んだ美しい姿のまま死んでいった。

 

小百合はこうして自分が主役の物語を自分の手で作り始めた。そして、「4人には脇役になってほしい」と部員に頼み込む小百合は、口直しのデザートとして志夜が言っていた「ヴィーナスの腕」というものを見せた。

それは、切断されたいつみの腕だった。4人の部員が定例会で食べた鍋もいつみの身体だったのだ。

新たな文学サークル

2学期が始まり、小百合が登校するとかつてのいつみのように羨望のまなざしで生徒たちが見ていた。

小百合の姿からは、どこかいつみの面影を感じられた。文学サークルには美礼、あかね、ディアナ、志夜の4人の姿は健在だった。

小百合は新たに見つけた女子生徒に声をかけ、文学サークルへと誘った。主役は、いつみから小百合へと変わり文学サークルは動き始めた。

『暗黒女子』の感想

「暗黒女子」は「最後まで真相が謎のまま」というところに魅力があり、見入ってしまう作品だとおもいます。文学サークルそれぞれのメンバーが「いつみの死」という1つの題に対して、誰かを疑い自分自身を守ろうとする醜い心がダイレクトに描かれていたと思います。

また、映画自体の構成も小説をモチーフにして話が進んでいくという独特な形で進められていて、とても斬新だと感じました。そして、何よりも映画で使われる言葉づかいや描写1つ1つがとても美しかったです。

私は特に、予想外すぎる結末と途中から急変する展開が面白いと感じました。「文学サークルの4人の誰が犯人なのか」と考えながら見ていた私は、まんまとその結末に騙されてしまいました。

登場人物の個性が強いのも見どころの1つで、1人1人に隠し事があります。その弱みを握っているいつみによる独裁的なサークルの様子も映画が進んでいくにつれて徐々に現れてきます。読んでイヤな気持ちになるミステリー「イヤミス」というジャンルを確立した作品だと思います。

『暗黒女子』の視聴方法

『暗黒女子』はDVDの購入やレンタル、U-NEXTなどの動画配信サービスで視聴することができます。

2020年6月現在、『暗黒女子』を視聴できるサービスは以下の通りです。

サービス名配信状況月額料金
U-NEXT見放題1,990円
Hulu見放題1,026円
Amazonプライムビデオ見放題500円
Netflix見放題800円
FODプレミアム見放題888円
dTV見放題500円
dアニメストア視聴不可400円
auビデオパス有料レンタル562円
Paravi視聴不可925円
NHKオンデマンド視聴不可990円
TSUTAYAプレミアム有料レンタル1,100円
ディズニーデラックス視聴不可770円
DAZN視聴不可1,750円
  • 見放題無料レンタル:会員であれば無料で視聴・レンタルできます。
  • 有料レンタル:会員であってもレンタル料金が発生します。
  • 視聴不可:お取り扱いがありません。