映画『AKIRA』のあらすじ・ネタバレ・感想

アニメ

大友克洋による同名長編漫画をアニメ映像化し、国内外に多くの影響を与えた伝説的な一作、映画『AKIRA』

今回は、映画『AKIRA』の作品概要・あらすじ・ネタバレ・感想・視聴方法・原作をご紹介します。

『AKIRA』の作品概要

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上映日1988年7月16日
上映時間124分
制作国日本
監督大友克洋
原作大友克洋「AKIRA」
脚本大友克洋/橋本以蔵
音楽芸能山城組
声の出演岩田光央/佐々木望/小山茉美/石田太郎/玄田哲章/草尾毅/鈴木瑞穂/中村龍彦/伊藤福恵/神藤一弘 他

大友克洋が自らの長編大作漫画を劇場アニメ化。近未来の都市を舞台に、謎の存在 “アキラ”を巡る、不良少年たちやアーミー、ゲリラ、宗教団体の入り組んだ抗争や駆け引きを細かな描写で壮大に描く。作品の舞台となった2019年、4Kリマスター版の発売とリバイバル上映が行われた。

『AKIRA』のあらすじ

1988年、関東地区に新型爆弾が使用され、第3次世界大戦が勃発した。それから31年後の2019年、再建されたネオ東京の郊外で、金田をリーダーとするバイク集団が進入禁止の高速道を疾走していた。しかし、先頭にいた島鉄雄は突然視界に入った奇妙な小男をよけきれずに転倒、負傷する。

小男と鉄雄は直ちに現れたアーミーのヘリに収容され飛び去ってしまった。翌日、鉄雄を捜す金田は、反政府ゲリラの一員で「アキラ」という存在を追う少女ケイと出会う。その頃、鉄雄はアーミーのラボで強力な薬を連続投与され、不思議な力が覚醒し始めていた。

登場人物紹介

金田 かねだ(声:岩田光央)


バイクチームのリーダーで仲間からの信頼も厚い。超電導で駆動する真っ赤なバイクを愛用。考えるよりも先に体を動かす自称「健康優良不良少年」。

鉄雄 てつお(声:佐々木望)


金田の幼馴染み。ケンカも強くリーダー格の金田に強いコンプレックスを抱いている。タカシと衝突事故を起こしたことをきっかけに超能力に覚醒。

ケイ(声:小山茉美)


政治運動に身を投じ獄中死した兄の後を継ぎ、反政府ゲリラとしてテロ活動に参加している少女。気が強い半面、脆さも合わせ持っている。

大佐(声:石田太郎)


アーミーの実質的な最高指揮官で、現在の「アキラ」プロジェクトの責任者。軍人として誇り高く、部下からの信頼も厚い。物事の大局を冷静に判断する。

甲斐 かい(声:草尾毅)


金田のバイクチームのメンバーの一人。山形とよく行動を共にしている小柄な青年。

タカシ(声:中村龍彦)


ナンバーズの一人で、26番目の超能力者。強力な念動力と瞬間移動能力を持つ。ラボからの脱走中に鉄雄と接触。彼の超能力覚醒の引き金となる。

キヨコ(声:伊藤福恵)


ナンバーズの一人で、25番目の超能力者。的中率93〜95%と非常に高い未来予知能力と精神間応力を持っている。

マサル(声:神藤一弘)


ナンバーズの一人で、27番目の超能力者。念動力と、優れた透視能力を持つ。足が不自由なため、念動力で動く浮遊イスに乗っている。

アキラ


本作の核に位置する少年で、28番目の超能力者。能力など全てのデータが謎に包まれている。

[出典:『AKIRA』4Kリマスター公式サイト]

『AKIRA』のネタバレ

この先、『AKIRA』のストーリーを結末まで解説しています。ネタバレを含んでいるためご注意ください

鉄雄とタカシが接触

1988年7月、関東地区に新型爆弾が使用され、第三次世界大戦が勃発した。31年かけて、東京湾上に構築されたネオ東京は、2020年にオリンピック開催を控え、かつての繁栄を取り戻しつつあった。

2019年のある夜、不良少年・金田をリ一ダーとするバイク集団は、暴走族チーム「クラウン」を追って、郊外の閉鎖された高速道路に侵入する。金田たち一団は無人のはずの路上で手のひらに26と記された奇妙な小男と遭遇する。先頭を行く鉄雄は小男と接触する直前に転倒し、負傷する。

この小男(タカシ)は、アーミーと対立するゲリラが求める軍事機密 「アキラ」と間違われ、軍事基地にある研究所(ラボ)から連れ出され、アーミーに追われていた。

あっけにとられる金田たちの目の前に、突然軍用ヘリが下降する。26号と同じようなしわだらけの子供、27号(マサル)の乗った浮遊するカプセルと大佐が降りてきて、26号と倒れた鉄雄をへリに収容して飛び去っていった。

鉄雄の能力が覚醒

翌日、金田たちは警官の取調べを受ける。金田はゲリラ活動を行う美少女、ケイと知り合う。ケイも「アキラ」を追っていた。その頃、鉄雄が運び込まれたラボでは、大佐がドクターから鉄雄の脳波に関する報告を受けており、「鉄雄が魅力ある研究の素材である」と告げられる。

強力な薬の連続投与により、鉄雄はタカシが持つ能力に似た不思議な力を覚醒し始める。鉄雄は看護師を襲ってラボを飛び出す。鉄雄はガールフレンドのカオリを連れて金田のバイクで逃走しようとするが、暴走族クラウンの襲撃にあう。負傷した鉄雄は駆けつけた金田の一隊に救われる。

逃げ遅れたクラウンの一員を半殺しにする鉄雄を金田は制止する。鉄雄は「俺に命令すんなァ!」と泣く。いつも金田の後について行くことしかできない自分に鉄雄は強いコンプレックスを持っていた。

同じ頃、鉄雄の内部で何かが変わりつつあった。鉄雄は「アキラ」と呼ばれる少年のフラッシュバックを見たかと思うと、地面が突然割れ始め、臓器が体内からこぼれ出る幻覚を見る。そこへラボの研究員が現れる。混乱する鉄雄は薬を投与されて、大佐の率いる軍用車で連れ去られた。

謎の存在:アキラ

ネオ東京市街ではゲリラとアーミーの銃撃戦が始まり、各所でテロやデモが発生し大混乱となる。 金田は銃撃戦からケイを救い、ケイの仲間のらがいるゲリラのアジトへと向かう。金田はゲリラが追っているのが鉄雄だと知り、鉄雄を取り戻すために一緒にラボに潜入することを願い出る。

一方、鉄雄が連れ戻されたラボでは深刻な事態が発生していた。大佐はラボの奥深くに存在する異様なベビールームを訪れる。そこにいたタカシとマサルの仲間の25号(キヨコ)が「アキラくんが…恐い夢を見たの。人がいっぱい死んで、街が壊れて…」という恐ろしい予言をする。

狼狽した大佐はアキラの眠りを確かめに秘密基地へ飛んだ。アキラは基地の地下深く、デュワー壁に囲まれた絶対零度の世界で眠り続けていた。

ゲリラの主導者根津、新興宗教団体の教祖ミヤコも、ネオ東京の崩壊と「アキラ」の覚醒を予言していた。不安な予感にかられて大佐は緊急会議を召集し、アキラの目覚めが生む国家的規模の災厄に対処すべく、莫大な予算を要求する。

ベビールームでの争い

鉄雄が病室でうなされて目が覚めると、3体の気味の悪い巨大なぬいぐるみに襲われる。鉄雄が「来るなァ!」叫ぶと窓が割れ、鉄雄は割れたガラスを踏んで足から血を出す。血を怖がったぬいぐるみの正体は、25、26、27号(ナンバーズ)だった。

鉄雄は能力でナンバーズがいる部屋をつきとめ、ラボの看護師や職員を殺してその部屋に向かう。鉄雄は想像を超えるパワーを覚醒させつつあった。一方、金田は鉄雄を取り戻すべく、ゲリラのケイ、竜らと共に修理業者になりすましてラボ内部に潜入していた。

金田たちはラボの下水道で空中浮遊する乗り物・フライングプラットホーム(FPH)に乗ったアーミーに襲われる。金田とケイはFPHを奪うことに成功し、FPHに乗ってさらに奥へ進む。キヨコに操られたケイの誘導で、ふたりは鉄雄が暴れ始めた地下8階のベビールームを目指す。

鉄雄のパワーでベビールームが崩壊し出したところへ、金田とケイが現れる。鉄雄は意識の中に現われては消える「アキラ」の存在に苛立ち、狂暴な力でキヨコ達を屈服させ、アキラの居所を詰問する。鉄雄はアキラが眠るオリンピック建設現場の地下施設へ向かってラボから逃走した。

暴走する鉄雄

ナンバーズは鉄雄の存在に危機感を抱き、行動を開始した。最高幹部会議で大佐の身柄確保が決定されたが、大佐は武力で鎮圧、アキラの目覚めの阻止を優先する。ラボから逃走した鉄雄は、たまり場になっていた居酒屋・白木屋の店主と、そこへやって来たバイク仲間・山形を殺害する。

キヨコはケイを操って金田に「全てのエネルギー源となるアキラを利用しようとして、制御できずに東京崩壊が起きた」と説明する。ラボから脱出した金田とケイは、バイク仲間の甲斐から鉄雄が山形を殺したと聞いて、金田は激しく憤る。同じ頃、ケイがタカシに連れ去られどこかへ消えていく。

最高幹部の一人であった根津は逃走しようとするが、大佐が仕向けた軍に襲われ、逃げてきた竜を撃って、自分も失意のまま息絶える。街に現れた鉄雄は、超人的なパワーで軍隊を破壊し、「アキラの再来だ」と民衆の熱狂的な支持を受ける。

鉄雄は信者の民衆を引き連れて、オリンピック建設地へ向かう。食い止めようとする軍は特殊なレーザー銃で鉄雄を攻撃するも、鉄雄はレーザーをはねのける。鉄雄はオリンピック建設地をつなぐ橋を崩壊させ、前に立ちはだかっていた軍と後ろに続いていた大衆を海に落とす。

アキラの正体

鉄雄は地下深くのアキラが眠るカプセルにたどり着く。しかし、そこにはナンバーズに操られたケイがいた。ナンバーズはケイに鉄雄を襲わせるが、鉄雄は炸烈するエネルギー波の中、まわりのケーブルを引きちぎりながらアキラのカプセルを浮上させる。

ケイは吹き飛ばされ、アキラのカプセルが崩壊しコアだけが残る。コアから出てきたのはバラバラになってホルマリン液に浸されたアキラの臓器だった。あっけにとられる鉄雄のところへ、バイクに乗って到着した金田が現れる。調子に乗る鉄雄に金田は「さんを付けろよデコ助野郎!」と言い返す。

金田はアーミーから奪ったビーム銃で鉄雄を狙い、鉄雄は右腕を負傷する。金田と鉄雄は崩壊したカプセルの瓦礫の上で戦い始める。金田がレーザー銃でとどめを刺そうとしたが、レーザー銃のバッテリーが切れてしまう。

その時、鉄雄の頭上から超高エネルギーのレーザーが降り注ぎ、周囲の地面が宙に浮かび上がって崩壊する。大佐が鉄雄もろともアキラを葬り去ろうと軍事衛星SOLでレーザーを照射したのだった。鉄雄は右腕をなくし、SOLの第2波を受ける。しかし、鉄雄は宇宙空間に突入してSOLを破壊する。

最後の戦い

金田は遅れて駆けつけた甲斐、目を覚ましたケイと一緒に逃げる。鉄雄は右腕を瓦礫で作り出して、オリンピック建設地で身を隠していた。そこへ鉄雄を探しに来たカオリが現れる。鉄雄は力を抑えきれず苦しみ、そこへやって来た大佐に薬を持ってくるよう頼む。

鉄雄の体が暴走し始めたところに、レーザー銃を持ってバイクに乗った金田が現れ、金田と鉄雄の最後の戦いが始まる。一方、ナンバーズはアキラのカプセルの前でアキラの目覚めを待つ。鉄雄は次第に体が膨張し始め、醜い肉塊の姿と化す。

膨張する鉄雄の体はカオリを飲み込み、金田も体の中に取り込まれる。膨張する肉塊でカオリを圧死させてしまい、鉄雄は金田に助けを求める。鉄雄の体はさらに膨張し、アキラに手を伸ばし始める。その時、アキラの臓器が入った瓶が割れ、白い光に包まれて人間の姿をしたアキラが現れる。

しかし、アキラは白い光の中に吸い込まれ、金田と鉄雄も白い光に飲み込まれる。キヨコに助けられた大佐は、トンネル内の避難するよう離れた場所に移動させられる。ナンバーズは「白い光に入ったら出られなくなる」と知りながら、3人で協力して金田だけでも救出しようとする。

ネオ東京の崩壊

金田は白い光の中で、鉄雄の昔の記憶やナンバーズたちの過去を見る。アキラは28号として、25、26、27号と共に施設で能力の被験者となっていた子どものひとりだった。

ナンバーズは白い光の中で金田に「鉄雄を連れて行ってもらうためにアキラを呼んだ」と声で語りかける。「チカラは誰にでも存在し、ケイにもチカラが目覚め始めていて、いつかは自分たちにもコントロールできる日が来るかもしれない」と続ける。

金田がケイの呼ぶ声を聞いたかと思うと、今度は急激に白い光が収縮し始める。ありとあらゆるものが白い光に吸い込まれ、ネオ東京は崩壊していく。

瓦礫の上で、金田は「鉄雄」と呼びながら小さくなった白い光を両手で包み込む。ケイと甲斐は金田が無事だったことに喜ぶ。都市の大部分が海につかり、街は瓦礫で覆われていた。3人は崩壊したネオ東京へ向かってバイクを走らせるのだった。

『AKIRA』の感想

『AKIRA』は約30年前に作られた映画にも関わらず、2020年東京オリンピックの開催と中止を予言するかのような描写が描かれていて話題となりました。

それを抜きにしても現代の政治と宗教が入り組み、それに若者たちのエネルギーが炸裂し、 スケールがますます大きくなってゆく独特の世界観と予測不可能なストーリー展開に引き込まれていきます。世界中を震撼させたのが納得できる作品です。

特に、冒頭のバイクシーンは、爆速で走り抜ける疾走感と気持ちをざわつかせる独特な音楽、暗闇の中から浮き出る鮮やかな色のコントラストが見事に融合してとにかくカッコ良かったです。

アキラの正体や得体の知れぬチカラをテーマにした壮大なSFでありながら、金田と鉄雄という正反対のキャラクターを中心にした熱いヒューマン・ドラマでした。

『AKIRA』の視聴方法

『AKIRA』はDVDの購入やレンタル、Hulu、Netflix、FODプレミアムなどのその他多くの動画配信サービスで視聴することができます。

2020年5月現在、『AKIRA』を視聴できるサービスは以下の通りです。

サービス名配信状況月額料金
U-NEXT見放題1,990円
Hulu見放題1,026円
Amazonプライムビデオ有料レンタル500円
Netflix見放題800円
FODプレミアム見放題888円
dTV見放題500円
dアニメストア見放題400円
auビデオパス見放題562円
Paravi視聴不可925円
NHKオンデマンド視聴不可990円
TSUTAYAプレミアム無料レンタル1,100円
ディズニーデラックス視聴不可770円
DAZN視聴不可1,750円
  • 見放題無料レンタル:会員であれば無料で視聴・レンタルできます。
  • 有料レンタル:会員であってもレンタル料金が発生します。
  • 視聴不可:お取り扱いがありません。

『AKIRA』の原作

映画『AKIRA』の原作は、大友克洋の同名漫画です。「ヤングマガジン(講談社)」にて1982年から1990年にかけて連載され、世界的ヒットを記録しました。

原作では、暴走族クラウンのボスのジョーカーや新興宗教団体教祖のミヤコが、映画版よりも重要な役どころだったり、映画版では登場しないキャラクター(ゲリラメンバーのチヨコなど)も多数存在します。

作者の大友克洋は映画でも監督を務めているため、漫画の世界観を損なうこと無く、劇場版オリジナルの展開を見せました。映画と原作の違いが知りたい方は、ぜひ漫画もチェックしてみてください。

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